09
転生されてから10年が経ったのだが
……
俺はまだ王都にいた
もちろんレベルは1
王都でも城でもすれ違う可愛い女性達からは睨まれるようになっていた
ソフィアが
「ふっふっ あの女性も睨んでいますよ」
レアが
「まったく 何人の女性に手を出せば気が済むのやら」
「ダメかな ソフィアとレアは仲間から外したら 俺を睨むの」
「ふっふっ 私は永遠に英雄様だけですよ」
「私だって 他の女とは違う あなただけよ それに」
「ですよね 私とレアには英雄様の」
「ごめん へんなこと聞いたね 俺もソフィアとレアのことを愛しているよ」
俺とソフィアには女の子 俺とレアには男の子の子供がいる
女の子の名前がイリス 男の子の名前がアレス
2人とも7歳 俺の子供だ
他にも沢山いるとの噂もあるようだが…… まあ たんなる噂だろう
俺は毎日幸せに過ごしていた
しかし他の英雄達はそうではなかった
この国に召喚された200人の英雄は既に23人のみ
そして
「英雄様 英雄の伊織様から手紙が」
そこには……
助けに来て欲しいと
このままでは全滅してしまうと
……
魔王軍に街を包囲されて逃げ出すことが出来ないと
万が一の時は箱舟の中で俺を待つと書かれていた
伝書鳩で何通も送ってきたのだろう
手紙を見られてもいいように俺にしか分からないように居場所を
……
「ふっふっ 行くんでしょ もちろん 私も行きますよ」
「私だって」
「ソフィア レア いいのか 危険な旅になるんだぞ」
「ママ イリスも」
「ボクも」
「ふっふっ 私達で世界を救いましょ」
「私達なら魔王を倒せる この剣に誓おう」
「イリスが倒す」
「ボクだよ」
「じゃあ 外に出てレベルを上げようか とりあえずレベル10にして職業を勇者にするよ」
この世界の人は誰でもレベル10になると戦闘職を自由に選べる
一般の人は一度職業を決めると変えることが出来ないが英雄は何度でも変更することが可能だ
戦闘職を選んでレベルを上げると 上がったレベルに応じてスキルやステータス付与が付いたりする
賢者を選んでレベルを5上げると回復の魔法を覚えるので勇者を選ぶ前に賢者を選ぶのがいいそうだ
「そうですね じゃあ 私は賢者にします 回復でサポートが出来るように」
「私も勇者にする 子供達は賢者でいいよね」
「レベル10までは特に武器はいらないだろう ちゃちゃっと上げてそれから考えようか」
「そうね」
「ふっふっ 城に出るのは初めてですね あっ そうだ これを」
「んっ 地図」
「はい 魔法の地図です アイテムボックスに入れると使用できます 考えるだけで地図のどこにいるのかが分かるようになります」
「ありがとう ソフィア 便利そうだね」
アイテムボックスにはレベルの数だけ装備やアイテムを収納出来る 俺のレベルは1なので1つ
収納していたパンを取りだし口にくわえて 魔法の地図をアイテムボックスに収納した
パンを食べながら王都の外へ