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スピカのトラウマと羊の力?

~一言でわかる前回のあらすじ~


スピカと一緒に暮らすことになりました。


俺とスピカは落ち着いたあと、スピカの家に入った。


スピカの家は二階建てのログハウス風の建物だ。一階には大きなリビングと対面キッチン、洗面台とお風呂、トイレがあった。


リビングにはふたり用の木製の机と木製の椅子が一つずつあり、残りのスペースには絨毯が敷いてあった。


ここでゴロゴロしてるのかな?


お風呂には木造の浴槽があり、日本人としてこれはかなり嬉しかった。今から入るのが楽しみだよ。


二階には寝室とトイレがあった。


寝室は広く、机や本棚などもあった。意外にも片付いていたので、もしかしたらスピカの女子力は高いのかもしれない……


ベッドはダブルサイズのものが1つあり、枕が2つおいてあった。


……何でダブルサイズ? スピカって1人暮らしだよね?


「ちょっとレオンぶん殴りに行ってくるね」


「いってらっしゃい……」


そう言うとスピカは転移魔法を使った。


どうやらダブルサイズのベッドはレオンさんの仕業らしい。なかなかイタズラ好きな奴だな……


スピカの背後に鬼が見えた気がする……

まぁレオンさんの自業自得だね!


「ただいま!レーくん!」


「おかえりスピカ、どうだった?」


「うん! ちゃんと半殺しにしてきた!」


そう言うスピカは満面の笑みをしている。騎士団長を半殺しに出来るスピカって何者なんだろ……


「なぁ、俺は床に寝るから毛布とかないかな?」


「えっ? せっかくだし、レーくん、一緒に寝ようよ!」


「えっ!? どうしたスピカ!? さっきあんなに恥ずかしがってた奴の言葉じゃないぞ!」


「そ、それはそうなんだけどさ…… その……ダメかな?」


スピカは頭少し傾けながら俺にお願いする。


明らかに先程とは様子が違うな…… かなり必死じゃないか。 ……何か理由があるのかな?


「スピカ、何か理由があるのか?」


「ええっ!? いや、別に何もぉー? ただ単にレーくんと一緒に寝たかっただけだよぉ?レーくんカッコイイし!」


怪しいぞスピカ。話し方もわざとらしいし、目が泳いでるよ。


「スピカ、本当の理由を聞かせてくれ。バカにしたりしないからさ」


スピカはようやく観念したのか、少し俯きながらボソッとつぶやいた。


「…………の」


「ん?」


「怖くて1人じゃ眠れないの!」


スピカは顔を赤くしながら叫んだ。


俺は理解できなかった。異世界に来てから理解できないことばかりだな……


「え、スピカって1人暮らしだよね? どうして1人で眠れないの?」


「昔は大丈夫だったんだよ…… でも、ダンジョン攻略の時にね、すっごく強い魔物がボクら襲ってきてね…… 皆、ボクに転移魔法を使って逃げてくれって頼んできてね…… ボクだけ転移魔法で逃げたんだ…… あの時はほんとに苦しかった。仲間をおいて逃げた罪悪感に押し潰されそうだったよ…… 今でも眠ろうとするとあの魔物を思い出しちゃって…… ちょっとしたトラウマなんだ……」


スピカはぽつりぽつりと話し始めた。赤い顔がだんだん青くなっていく。相当きつかったんだろう。


口調は明るく振舞っているが、俺はスピカの手が少しだけ震えているのを見逃さなかった。やっぱり少し強がっているみたいだ。俺は咄嗟にスピカの両手を俺の手で包み込む。少し恥ずかしいが、それ以上にスピカが震えてるのを黙って見てられなかった。


「あはは、ありがとう、少し落ち着けたよ。レーくんは優しいね!」


スピカは少し驚いた様子だったが、すぐに笑顔になった。やっぱりスピカは笑顔の方が似合ってる


「なんで1人で寝れないのに1人暮らししてるんだ?」


スピカも落ちつき、震えがおさまったようなのでスピカに聞いてみる。


「何だかんだ思い入れがあるからね!ただ、1人じゃ眠れないからアリス様や女の騎士さんと一緒に寝てたよー。あ、もちろん別々のベッドでだよ?レオンが余計なことする前はベッドが2つあったんだよー。」


「へーそうだったんだ。まぁ、そういう事なら一緒に寝ようか。……恥ずかしいけどね」


こんなにヘビーな理由なら断ることが出来ない。なんか暗いとこ無理ーとかそんな理由だと思ってたのにな…… それはそうとして大丈夫かな? 俺、今日、寝れるかな?


スピカが照れながら、ボクもだよーと笑い返してくれた。


うん。可愛い。これはなかなか寝付けないだろうな!緊張しちゃうもんね!


その後、お腹が鳴り、スピカが作ってくれた晩ご飯を食べた。そういや昼飯も食べてなかったな…… スピカが作ってくれた料理はとても美味しかった。途中スーがキュピキュピ鳴いていたので、スーにもあげた。小さいくせにかなりの量を食べていたな。


ご飯を食べたあとに、風呂に入った。


いい湯でした。もう眠いし、寝るか……


「スピカ、もう眠いから寝ようぜ?」


「うん、そうだね~。んじゃ寝室に行こっか。」


俺とスピカは寝室に向かった。


ちなみにだが、スーが入った虫かごはリビングの机の上に置いた。スーのことは明日色々決めよう…… ごめんな! 後回しにしちゃって!


俺とスピカは2人でベッドに入った。


はじめの方はどっちも慣れないし、恥ずかしくて眠れなかった。スピカがトラウマを思い出さないように、他愛の無いこと10分ほど話していると、スピカはウトウトし、眠ってしまった。


俺も眠ろうとするのだがーーー眠れん


理由はわかっている。このベッドはあんまりスペースがない。つまりはスピカとの距離がかなり近いわけで……


横を向くとスピカが寝息をたてている。

スピカは俺の手を握り、安心している様子で眠っている。


よくこの状況で寝られたなスピカ……

あっ!風呂上がりのいい匂いがする……

日本にいた頃は俺の横で可愛い女の子が寝てるだなんて考えもしなかっただろーな…


でもどうしようこの状況、俺が眠れないぞ! さっきっから聞こえるんじゃないかってくらい拍動の音が大きいし、身体が熱い! 時がたてば慣れるだろうと思ったけど、全然慣れない! むしろスピカの寝息が聞こえるたびに全身の血が沸騰しそうなほど熱くなってるよ! 視覚、聴覚、嗅覚、触覚でスピカを感じてしまう……!

この状況、スピカのこと触ろうとしたら簡単に出来るな……

あぁダメだダメだ!なにキモいこと考えてんの俺!?


「……んん……レーくん……」


スピカが俺の理性を壊しにかかる!


馬鹿野郎! まだ恋人ですらないのに手を出したらクズだ! いや、恋人だとしてもアウトだろ! せっかく安心してくれてるんだ! ここで踏ん張れ! 俺! スピカに新たなトラウマを植え付けてたまるか! 羊だ! そう羊を数えよう! 羊の力!


羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が4匹……


まだまだ蓮は眠くない☆


羊が152匹、羊が153匹、羊が154匹……


まだまだ蓮は眠れない☆


羊がが4635匹……、羊が4636匹……、


そろそろ眠れそ……


「や、やめてよ……レーくん…… んふふふ……」


まだまだスピカは寝させない☆


まだまだ蓮は眠れない☆



羊が……25718匹…… ひつ……じが……zzz


蓮の意識が途切れた時には羊の数が5桁を超えていた……


スー 「キュピキュピ?(スーの扱い酷くない?)」


作「いや、ほら、使いどころが難しいと言います

か、話せないと使いづらいと言いますか…」


スー 「キュピ、キュピキュピキュッキュピ!

(じゃあ、スーが話せればいいんだね!)」


スーはやる気に満ち溢れている!!


作「何する気だよ!? スー!?」

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