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最後の爆弾!

~一言でわかる前回のあらすじ~


俺の異世界人生チェックメイト★

ねぇ!聞いてくださいよ!テイマー系のスキルを手に入れたのに魔物は俺の指示を理解できない!これもう詰みだよ!チェックメイトだよ!


「ウガァァァァァァァァァ!!?」


「蓮さん!?」「レーくん!?」


俺は自分の現状に耐えられなくなり、メドウ草原のど真ん中で天に向かって吠えた!周りの目なんぞ気にしてられるか!


アリスとスピカは慌てふためきながら、俺を落ち着かようとしてくれていた。


「ちくしょう! ちくしょう! 俺が何したってんだ! 魔物使い(テイマー)なのに魔物に指示がだせないって何なんだよ! そこは異世界補正かけとけや! 魔法もスキルもある世界で何でいきなり現実的なんだよ!」


瞳からは涙が流れ落ち、夕日を反射して宝石のように輝いた。口からは絶えず罵詈雑言が飛び出て、なだめようとしてくれているアリスとスキルをひるませた。


唯一 スーだけは我関せずを貫いている。


「こんなスキルあんまりだぁぁ!」


夕焼けの草原に悲しい言葉が響き渡り、蓮は駄々をこねる子供のように暴れ続けた……


~~~~〜


俺はあの後、数分間泣き叫んでいたらしい。

2人は泣き叫ぶおれを励まし、落ち着かせようとしてくれた。


俺が落ち着いた頃には2人は疲れ果てた様子だった。そこにちょうど良くレオンさんが馬車で迎えに来てくれたのでそのまま帰ることにした。俺は馬車の中で2人に謝罪した。


いくらショッキングな出来事だったとはいえ、流石に取り乱しすぎたな……2人には悪い事をしてしまった……


謝罪が終わった後、レオンさんに正義達はどうしたのかを聞いたところ、王城から新たに迎えが来たらしく、ひと足先にその馬車に乗って帰ったらしい。なんでも、あいつらは俺と違って強いスキルが多く、ゴブリンやスライムも倒せたらしい。

……別に羨ましくないもん。俺にはスーがいるもん。話通じないけど。


スーが虫かごの中から俺の方を見る。僕がいるじゃん! というようにキュピキュピ鳴いている。言葉は分からなくても俺の心境を理解してるのかな……?



数十分程が馬車に乗って揺られていると、眠気が襲ってきた。


今日一日で異世界に転移したり、手に入れたジョブがハズレだったり、色々あったからな……


「「スースー……」」


どうやらアリスとスピカも寝てしまっているらしい。俺ももう眠いな……


俺はだんだんと意識が睡魔に奪い取られた。


~~~~~


「起きて下さい。アリス王女、蓮さん、スピカ」


俺たちはレオンさんに起こされた。


俺はまだ思考がハッキリとしてない。あーだめだすっごい眠い。アリスとスピカも目をこすってるしな……


「しっかりして下さいよ……」


そう言いながらレオンさんは俺たちの顔を叩く。あーようやく思考がまともになってきた気がする。俺はレオンさんのあとに続いて馬車の外に出る。


辺りはすっかり暗くなっており、空には綺麗な星空が見えた。しかし、どこにも王城はなく、代わりにログハウスがポツンと建っていた。


「蓮さんにはここで生活して頂きます」


「……は?」


そういうと、レオンさんは大きなログハウス風の二階建ての家を指さした。


え?ここどこよ?王城に帰るんじゃないの?アリスとスピカも知らなかったようで、俺と同じようにポカンと口をあけている。


俺もまだ頭が冴えないのか、レオンさんが何を言っているのか理解出来ていない。


数秒後、アリスが意識を取り戻しレオンさんに事情を説明するようにと言う。


ちなみにスピカはまだ放心状態のままだ。そんなに俺が王城で暮らさないのが信じられないのかな……?


アリスの命令に従い、レオンさんは説明しだした。


「実は、蓮さんのジョブが魔物使いであったことで少々問題があったのです。蓮さん魔物使い(テイマー)である事を騎士団や内政担当の者が不満に感じているようで…… その上、大臣のなかにも、蓮さんに金を使うのを嫌がっているようです。」


……うん、何となくこの状況になるのは分かってた。俺もこんな無能スキル持ってる奴の待遇を良くしようだなんて思わないよ……


でも、頭では分かっているんだけどなかなか割り切れないんだよな。やっぱり当事者だからなんだろーなー



俺が心の中で葛藤しているとさらにレオンさんは説明を続ける


「今の状況は蓮さんにとって針のむしろでしょう。反対派の奴らが蓮さんに害をなすかも知れません。ですので蓮さんにはこの家で過ごして欲しいのです。すみませんアリス王女、勝手に判断してしまい…… 」


「いえ、よくやってくれました。流石にですね、レオン。これからも私の至らぬ点を補って下さい」


「お任せ下さい!」


レオンさんの表情はあまり変わらないが、喜んでいるのが丸わかりだ。なんか喜びオーラみたいなのでてるしな。


レオンさんの行動は俺を守るための措置ということか。仕事できるな。流石イケメンなだけあるぜ!


「王城の者達にはなんと説明したら良いでしょう…… レオン、何か案はある?」


「はい! ここは蓮さんが王城に住むのを遠慮したということにした方が1番丸く納まると思います。そういう事にしてもよろしいですか、蓮さん」


レオンさんが俺に許可を求める。俺自身、ハズレ職で役に立ちそうもないのに、王城に住まわせてもらうのは気が引けたので快く、申し出を受けた。


「では、そういうことで説明しておきます。アリス王女。えーっと蓮さん、色々大変だとは思いますけどがんばってくだ……」


「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って!!!」


いつの間にか復活したスピカが少しつっかかりながら叫んでレオンさんの言葉をさえぎった。


スピカの額には汗が滲んでおり、今までの明るく、ほのぼのとした表情ではなく、真剣でどこか焦っている表情だった。



スピカはレオンの方を向くと一言叫んだ


「ここ!!ボクの家じゃんか!!ど、どーゆー事さレオン!」


え、ごめん全然理解できない。この家は俺がこれから住む家で? スピカの家もここで?

え? てことはつまり……


「あぁ、スピカと蓮さんはこれから一緒に住んでもらう」


レオンはイタズラが成功した子供のように告げる。


怒涛の異世界初日が終わるはずが、最後の爆弾が起爆したようだ。


スピカ


トンガリ帽子を被った赤髪の美少女。身長は160前半で胸は人並みにある。転移魔法を使えることが分かっているが、他にも魔法が使える。

性格は親しみやすく、とても明るい。


この作品のヒロイン候補の1人


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スピカは元々ちょっとしか出番なないキャラのはずだったんですけど、いつの間にかヒロイン候補になっていた…… 主な原因は私の見切り発車ですね!


次話からはもっとスピカと主人公が密接に関わっていく予定です!

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