表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/50

いつの間にやら結成、ラオペ軍団!

~一言で分かる前回のあらすじ~


スーがフィーバーしてた。

現在、俺達の前では宴会? というかパーティのような者が繰り広げられている。総勢500人のゴッドラオペ達がボワ島で取れる果物や魚、肉等を食べながら踊ったり騒いだりしているのだ。なんとなく日本のお祭りを彷彿とさせる。


そんな祭りの中心にいたのが我らがスーである。しかも、先程の言葉が本当ならば、スーはどうやらラオペの女王となったという。


「あっ! そこに見えるのはマスター! 会いたかったよー!」


スーはステージの上から俺達を見つけたらしく、俺達をステージ上から呼んだ。

すると、それまで飲めや歌えの大宴会をしていたゴッドラオペ達が一斉にこちらに振り向き……突撃してきた。


「マスター!」


「マスター私ですー!」


「会いたかったでやんすー!」


「凛々しいマスター!」


「ヒャッハー!」


そんな事を叫びながら500人が突撃してくるのだ。そんなの勿論逃げるよね?


スピカとミラはちゃっかり逃げていて、残された俺とベガは脇目も振らずに元来た道を爆走した。捕まったら最後、揉みくちゃにされてげんなりする未来が見えている。

というか、なぜ俺は自分が使役した魔物に追い回されなければならないんだ……?

意外と一言止まれ、と言えば止まる気がしてきた。そうだよな、俺、マスターだもんな。


「止まれお前ら!」


効果のほどは……?


「そんな殺生な!」


「お預けなんて嫌です!」


「マスターは俺達のものぉぉぉぉ!」


無いようだ。いや、それは違うな。

悪いベクトルに効果があったようだ。

決意を固め、さらにスピードアップしてやがる。最後の奴なんて狂気すら感じられるんだけど?


さて、ここでもう1回言わせてもらおう。

俺はこの魔物達を使役する側、魔物達は俺に従うはずなのである。決して立場が逆な訳ではない。


「べ、ベガ! どうなってんの!? 言うこと聞かないんだけどこいつら!」



「そりゃまぁ……ゴッドラオペだぞ? もうそいつらはそんじょそこらの魔物じゃなく、神の使徒のようなものに近いんじゃよ。そりゃあスキルの力が及ばなくとも仕方ないよのぅ……」


「あーくそ! ならなんとかしてくれ!」


「無理じゃ!」


「張り倒すぞこのクソ野郎!」


あんなに清々しい笑顔のベガはひっさしぶりに見た。あいつの趣味の欄に俺をいじめるの項目でもあるんじゃねーの!?


というかそんな事言ってる暇ねぇ!

一分一秒でも速く走らないと捕まる!

……ん? あれ? 意外と後ろとの差が詰まらないな? あいつら意外と足遅いのかな?


「おいベガ! あいつらって意外と足遅い?」


「いや、結構速いぞ? 多分お主がレベルアップしたから身体能力あがっとるんじゃろ」


「え? マジで?」


そーいやハナエルと戦った後にステータスを確認してなかったな……

どんだけ上がったのか見てみるか。


「ステータス!」


俺の声に連動してステータスが表示される。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 雨宮 蓮


年齢 17


レベル 98


ジョブ 魔物使い(テイマー)


スキル 使役Lv9 調査Lv5 教育Lv3 創造Lv2


称号 スピードスター 鬼畜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


まず俺の目に飛び込んできたのは自分のレベルの欄である。いつの間にこんだけレベルを上げたんだ?


「なぁベガ、なんかレベルが98とかいう馬鹿げたレベルになってんだけど?」


「ハナエル戦で沢山戦ったじゃろ? お前さんは使役している魔物が倒しても経験値を手に入れられるんじゃからあんまり驚きはないじゃろ」


そう言えばそんな事言ってたな……

そんだけレベルが上がれば、ゴッドラオペ軍団から逃げられているのも頷ける。


「あ、身体能力上がっても体力は変わらんから気をつけるんじゃぞ? さっきも森の中でバテてたじゃろ?」


そこはサービスでレベルと共に上げて欲しかったです。あ、本当だ段々息切れや動悸がはじまったぞぅ~ 人生甘くないね~


そこから数十秒走り続けると、後ろから一段と足音が聞こえるようになり、ゴッドラオペ達の会話が聞こえる位まで近づいてしまっていた。


「マスター射程距離!」


「レッド隊、ブルー隊はマスターの逃げ道を塞げ! 我がグリーン隊はこのままマスターを確保する!」


「「「合点承知之助!」」」


奴らはかなり統制がとれているようだ。

奴らの言葉通り、レッド隊、ブルー隊とおぼしき連中が俺とベガの左右にびったりとマークし、左右に逃げることが出来なくなった。


「やべぇぞベガ! というか、俺の体力も限界近いんですけど!」


「巻き添え食らっとるこっちの身にもな……れ……? そうか! そうすれば良かったんじゃ!」


突如、ベガが希望に満ちた顔になる。

どうやら突破口を見つけたようだ。


「蓮! ワシら何だかんだいい仲じゃよな?」


「ん、どうした突然そんなこと聞いて。

まぁ確かに何だかんだ仲良いよな」


「なら……全滅するくらいなら1人のために1人が犠牲になることも辞さないはずじゃよな」


そこで、ベガの意図が分かった。

だが、気づくのが遅すぎたのだ。


「食らうがいい! 『足引っ掛け(トラップ・オブ・デス)』!」


俺はベガの足に引っ掛かって思いっきり頭から地面についた。


「足引っ掛けるのに無駄にカッコイイ名前つけてんじゃねー!」


くそっ、あいつ本当に神様かよ?

本当は悪魔なんじゃねーの?


「マスター捕獲完了!」


「もう逃げられませんぞマスター? 大人しく我らに身体中まさぐられるのを許容してください……」


「ぐへへ……」


あかんもうダメだ。こいつらの目がガチだ。

このままこの大人数に身体中まさぐられるのか……


俺が絶望を味わった時、俺の目の前に救いの女神が現れた。


「こらっ! マスターをいじめるのはメッだよ!」


「いや虐めてる訳ではなく……」


「お前ら……スー様が作った規律を破ったばかりではなく、スー様に口答えまでするのか? 」


スーと共に来たラオペ達の中でもかなり歳をとってる強面の男性が、暴走した軍団に喝をいれた。どーやら隊長? のようだ。


「「「ヒイッ! すみません隊長!」」」


「謝る相手がちげーだろうが!」


「「「ヒイッ! すみませんでした! マスター!」」」


隊長の喝に恐れをなした暴徒達は、素直に指示に従い俺に平服した。


「すみませんマスター、スー様。私の部下が勝手な事をしでかしてしまいやして。奴らも悪気があったわけじゃねぇんで、許してやってくれませんか? 代わりと言っちゃなんですが、俺からも謝らせて頂きます」


強面の隊長は部下と同様に俺に平服した。


「あ、頭を上げてください。それで、貴方は一体誰ですか? っていうかスーが女王になったのも色々説明して欲しいんだけど……」


隊長は頭上げると部下を下がらせ、俺の疑問を解消させてくれた。


「へぇ! 承知いたしやした! 俺はラオペ軍総隊長を務めさせて頂いてやす、『イアン』言うもんです。以後お見知り置きを」


何か聞き覚えのある名前がでてきたぞぅ?


「え? お前、あのイアンなの!?」


「へぇ、あのイアンでごぜぇやす」


嘘だ…… あの人畜無害そうなイアンが、まさかこんなヤクザみてぇな奴だったなんて……


「スーも最初は驚いたけど…… 結局イアンはイアンだよー!」


むむ、まさかスーに教えられるとはな。

確かに姿形変われどイアンはイアンだ。

何を戸惑う必要があるんだ!


「ごめんなイアン、ちょっと驚いちゃって。それで、なんでスーが女王になったか教えてくれる?」



「へぇ!スー様がなぜ女王になったか…… その理由は単純でごぜぇやす、マスターに仕えた最初の魔物が、スー様だっからでやす。俺らのようにマスターに仕える魔物達にとって重要なのは戦闘力ではなく、マスターとの繋がりでごぜぇやす。繋がりの強さは、一概に仕えた順番で決まるもんではありやせんが、スー様は信頼度もずば抜けて高かった。

それ故に、ほかの新参者から崇められ、女王となりやした」


スーがイアンにおだてられて嬉しいのか、ドヤ顔でふんぞり返る。俺はその頭を撫でながらイアンの話を整理する。


んー、確かにスーとは付き合い長いし、信頼もかなりしてる。その繋がり? の強さが強くて当然か。


「んじゃ、なんでイアンはスーに様づけしてんの? 俺からしたら、スー、クロ、シロ、そしてイアンは皆同じくらい信頼してんだけど?」


「いやいや、確かに繋がりは同じでしょうが、俺にとってスー様は命の大恩人でごぜぇますから……」


そういやそうだったな。スピカに処分されそうになった所をスーに助けられたんだったっけ。そのせいでギルドのクエストをクリア出来なかったけど、頼もしい仲間をゲット出来たから結果オーライだったんだよなぁ。


「総隊長! マスターにお目通り願いたい所存であります!」



声のする方を向くと、男女5人のゴッドラオペが立っていた。


「マスター、こいつらは各隊の隊長達です。それぞれ有能な奴らなんで、顔だけでも覚えてやってくだせぇ」


イアンがそう言うと、5人のうち赤い髪をした男性が前に出た。


「私はレッド隊隊長を務めている者です。先程は部下達が失礼しました。レッド隊は元レッドラオペの者で構成されており、ほかの隊より戦闘力では負けません! 戦いの際にはどうぞお願いします!」


お、おう、暑苦しい奴だな……


「それで? 名前は?」


「まだありません!」


「は?」


「まだありません!」


意味がわからないと言う表情でイアンを見ると、流石はイアン、俺の聞きたいことを感じ取って説明する。


「マスター、俺やスー様がそうであったように、普通イモムシに名前なんてありません。

マスターに名前をつけて頂かないことには、一生名前なんてありゃしませんぜ」


あっ、そーいやこいつらを使役した時に名前つけてなかったな……

名前ないと不便だし、せめて隊長達には名前つけるか。


「それじゃあ、君は今から『グレン』と名乗れ。よろしくな、グレン!」


「はっ! ありがたき幸せ!」


グレンが下がると、今度は青い髪の女性が前に出る。


「私はブルー隊隊長を務めています。私の軍もご迷惑をおかけしたようで…… 本当に申し訳ございません。えーっと、ブルー隊は元ブルーラオペで構成されてまして、事務処理や作戦立案等、頭を使った事が得意です。

これからよろしくお願いします!」


「うん、よろしく。んじゃ君は……『マリン』で。頼りにしてるよ、マリン!」


「はいっ!」


マリンは顔を少し赤くしながら下がった。

次に来たのはスーと同じ緑色の髪を携えている女性だった。多分、元グリーンラオペだな。


「えっと、聡明なマスターならもうパターンにお気づきかと思いますが、元グリーンラオペのグリーン隊隊長を務めています。えっと、グリーン隊は各隊の中でも1番人数が多く、多種多様なことが出来る、えっと、バランスの良い部隊です。えっと、これからよろしくお願いします!」


なんて言うか、かなりキョドっちゃってるね…… 多分緊張に弱いんだろうな。


「君の名前は『ヒスイ』って事でよろしくね!」


「はいっ! 誠心誠意頑張る所存です!」


そそくさとヒスイは帰り、次に来たのは黄色の髪の男性だ。


「元イエローラオペ、イエロー隊隊長です。

イエロー隊は主に財政関係が得意です。

資金作りならおまかせを……」


「なんで元イモムシが金稼ぎが得意なんだよ!?」


「イエローラオペは習性として、光るものを集める習性がありやすからね…… 」


カラスみてーなイモムシだなぁ……


「んじゃ君の名前は『クロウ』で、よろしくー」


「なんか僕だけほかの人と違う感じの名前なんですけど!? 絶対邪な事思いながらつけましたよねマスター!?」


ちっ、中々勘のいい奴だな……

ま、名前は変えんがな。


「どけクロウ、次はおでの番だ。」


茶色い髪で背があんまり高くない男が、クロウを押しのけ前に出た。


「おでは元はブラウンラオペ、今やブラック隊の隊長だす。ブラック隊は言わば寄せ集めの隊でして、ブラウンラオペやブラックラオペなど、様々なラオペで構成されとります。

そげな理由から沢山の事できるんで、覚えてくんろ」


この男、すんげぇ訛ってる。

標準語かと思えば所々訛っててリズムが掴みづらいなぁ。

それよりも名前名前……

くそっ、赤とか青ならポンポン名前思いつくのになぁ…… 茶色って付け辛いよな。

んーと……


「それじゃあ『チャノスケ』で。よろしくねチャノスケー」


「わがりました、よろじぐおねげぇします」


ふぅ、これで全ての名付けは終わったな。


「それじゃあ早速なんだけどちょっと頼まれごとしてくれない? イアン、この中で一番足の早い軍隊ってどれ?」


「ブラック隊のホワイトラオペ上がり、次点でレッド隊でしょうな。」


「そっか、それじゃあグレン、チャノスケ、和服銀髪のロリっ子を探して捕まえてきてくれ。さっき俺を罠にはめたクソ神だから気をつけてな」


「はっ!」


「わがりましだぁ」


二人は俺の指示に従ってすぐに行動に移す。

ベガが捕まるのも時間の問題だろう。

さっき裏切った事を後悔させてやるぜ!

祝 30回!


長いような短いような……

これからも亀のような更新ですが、それでも

( ・∀・)b OK!な心優しい読者の方々は駄文ですがよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ