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第2話

「見かけない顔ですね、流浪者ですか?夜は危険ですので、今夜は私の家で過ごしてください。安全ですよ」




黒髪の美少女が階段から降りてきた。歳は高校生くらいだろうか、とはいえ大戦の混乱とウイルスの感染で学校そのものが機能しなくなったからちゃんと学校に通っているかどうかわからないけど。


他に行くあてもない俺は結局、そのマンションに泊まることにした。俺はその少女の案内で階段を昇る。




「そういえば君、名前は?」


大久保綾乃おおくぼあやのです。もうすぐ17歳になります」


「俺は清原幸一きよはらこういち。先月19歳になったばかりだ」




俺と綾乃ちゃんは階段を昇る間このような会話した。彼女の部屋は4階にあるらしい。どうやら他にも住人がいるようだ。


部屋の中はかなり綺麗だった。リフォームでもしたのだろうか?俺は荷物を玄関に置き、居間に上がる。そして、綾乃ちゃんから「つまらないものですが」とお茶と菓子を出された。これの出処は?


「居間の隣の部屋が空いてますので今夜はここを使ってください。風呂は入りたいと私に言えばすぐ用意できますよ」


綾乃ちゃんはこう言った。


「風呂に入りたいのは山々だが・・・どうやって風呂沸かすの?もしかしてベランダで五右衛門風呂?」


「水は近くの川から定期的に汲み上げて消毒していますし、電気は屋上のソーラーパネルで自家発電。オール電化だから風呂や料理にも対応しています」


「そうか、納得した。俺ちと風呂入るわ。綾乃ちゃん、準備して」


「はい、わかりました」


俺は綾乃ちゃんに風呂の用意を頼んだ。俺は綾乃ちゃんが用意してくれた部屋に入った。部屋にはベッドしか置かれていなかった。まぁ、今日は疲れたし風呂の用意ができるまで軽く眠るか。


そして30分後、綾乃ちゃんから、「風呂の用意ができました」という声がかかった。俺は玄関に置いてあった荷物から着替えを取り出し、風呂に入った。まともに風呂入ったの数日ぶりだな。そしてまた30分後、俺は風呂から上がった。時刻は午後7時半を回ったばかりだ。






風呂から上がると、綾乃ちゃんはちょうど夕食の準備をしていた。


「そういえば食事はどうしているの?」


俺は綾乃ちゃんに質問をした。


「野菜類は近くの畑で自主的に栽培しています。魚類は漁師さんと交渉するか釣りで採集。米類や肉類は定期的に農家へ出向いて交渉しています」


綾乃ちゃんはそう答えた。さらに俺はもう一つ質問をする。


「そういえばこのマンションって他に全部で何人住んでいるの?」


「私含めて5人です。」


綾乃ちゃんはそう答えた。そして数分後、玄関のドアが開いた。




「綾乃ちゃん、ただいま~」

「肉と魚貰ったから早く夕飯作って~」

「ていうか綾乃、下の鍵かけてないじゃん」

「この荷物誰のですか?綾乃さん誰か入れてます?」




10代20代と思わしき女の子4人組が部屋に入った。これはもしかして・・・




「綾乃ちゃん、もしかしてこれで住人全員揃ったの?」


「まぁ、そうなりますね」


綾乃ちゃんは笑顔でそう言った。

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