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11話 ビアンカ不在

 風呂場の惨事の後道具を弄ってる途中、突如として入ってきたビアンカが見事なスライディング土下座を見せる。


「大変申し訳ありませんでした私が調子に乗りましたですから許してくださいお願いしますほんの出来心だったんですあの時の私はどうかしていたんです本当に反省しています大変申し訳ありませんでした私が調子に乗りましたですから許してくださいお願いしますほんの出来心だったんですあの時の私はどうかしていたんです本当に反省しています大変申し訳ありませんでした私が調子に乗りましたですから許してくださいお願いしますほんの出来心だったんですあの時の私がどうかしていたんです本当に反省しています大変申し訳ありませんでした……」


「落ち着け。無限ループ入ってるぞ」


 そしてこの呪詛のような謝罪である。同じ事を何度も繰り返していたので落ち着くように声をかけるが、


「私が調子に乗りましたですから許してくださいお願いしますほんの出来心だったんですあの時の私がどうかしていたんです本当に反省しています大変申し訳ありませんでした私が調子に乗りましたですから許してくださいお願いしますほんの出来心だったんですあの時の私がどうかしていたんです本当に反省しています大変申し訳ありませんでした私が……」


 止まらない。頭が一切上がらないので表情すらも読み取れない。


「許すから。だから止まれ」


「ありがたき幸せ」


 俺が許すと。その一言を言った瞬間ビアンカがサッと頭を上げる。表情からは反省の色は見られない。


「……一発いっとくか?」


「すみませんでした」


 その反省の色が全く見られない顔にイラっときたため俺はハリセンを構えてビアンカに問う。すぐに土下座しなおした。


「……ごめんなさい」


 俺が土下座をしているビアンカをハリセン片手に見下ろしていると、フィールが入ってきて、頭を下げる。こっちは申し訳無さそうな顔をしている。


「……お前もか。別にいいぞ。……少なくとも此奴よりは反省してるみたいだし」


 俺はビアンカを指差しながら言う。未だに土下座をしたままだが、恐らく反省はしてないだろう。


「あのー……カイト様。私何時まで土下座をしていればいいんでしょうか」


「あー、フィール。俺は疲れたから寝る。じゃ、おやすみ」


「無視ですか!?」


 ビアンカが頭を上げて抗議してくるが、疲れてるのでスルーして布団を取り出す。だが、それを見たフィールは俺の袖を掴んで言う。


「……約束」

 

「……ここでそうくるか……」


 激動の1日を過ごしていたからか、またもフィールとの添い寝の件を忘れていた。正直それも放り出して雑魚寝したいけど、約束を破るのは気が引ける。


「……解ったよ。だが、本当に疲れてるから多分即寝るぞ?」


「……構わない」


 俺は一応了承してフィールに注意喚起をしておく。そして、取り出した布団をしまい直してベッドの端の方に寝転がる。そして、俺の意識は急激に遠ざかっていく。


 俺の意識が完全に落ちる前に、フィールが抱きついてきた感覚はあったのだが……意識する間も無く、俺は深い眠りに落ちた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 朝起きると、案の定フィールは俺にしがみ付いたままだった。


「……まあ、大分疲れは取れたみてえだな。よっと」


 俺はそのフィールをそっと剥がして体を起こす。部屋には俺とフィールの二人だけ、要するにビアンカはいないようだった。


「何か企んでるのか?……って、なんだ?あれ」


 俺はビアンカが何かを仕組んだりして無いかを調べるために辺りを見回した。すると、一枚の置き手紙のようなものが机の上に置かれていた。


「えーと、『カイト様へ。昨日の件は申し訳ございませんでした。まあ、それは置いておいて本題に入ります。まず、アレンさん達は依頼を受けるとの事でギルドへ向かいました。日帰り程度の依頼と言っていたので夜には帰ってくると思われます。私は取り敢えずこの近辺で一番危険な所を聞いてその辺りで魔導機械のテストを行ってきます。鍵はこの置き手紙の下に置かれているので出掛けるのでしたら戸締りはしっかりとお願いします。ビアンカ』……今何時だよ」


 俺は窓から顔を出して、太陽の位置を確認する。角度とかから判断した結果としては大体11時くらいだ。


「おー、大分時間経ってるな。……で、どうしようかね。ビアンカのテストって言うのも大分気になるんだよなー……」


 魔導機械のテスト。大分気になるものではある。昨日の事は今は特に気にして無いし……まあ、行っても問題は無いだろう。もっとも、この辺りの危険地帯っていうのが何処かは知らないが。


「まあ、それについてはギルドにでも行って聞けばいいか。……フィールが起きてから」

 

 まだフィールは寝ている。起きるまではもう少し時間が掛かりそうだ。と言うことで俺は簡単な鍛錬を行う為に庭へと出る。


「……魔法創造って、イメージが大事なんだったか?」

 

 俺が近い内に得たいのは魔法創造というスキルだ。空間魔法と龍魔法しか使えない俺には意味は薄いのだが、世界を超える魔法となると多分それと空間魔法の応用が一番可能性が高いからだ。早めに習得しておきたかったのだが、このスキルを持ってる魔物がいなかったのだ。


「んー、じゃあ……カメラみたいな事でもしてみるか?見てる光景を写して保存するみたいな」


 取り敢えず低いレベルでも出来そうな魔法を想像してみる。質量の無い物、光景だけを残すならレベル1でもできると思ったからだ。


「……写せ 『ビジョン』……って、一発かよ」


 俺は今見ている景色を見ながら考えた魔法を発動する。すると、俺の前に一枚のパネルのようなものが出現する。今さっき見ていたものがそっくりそのまま写されている。


「あー、割と簡単だったな。……って、なんでスキルに追加されてな……あー、そうか。よくよく考えれば、魔法創造(・・)なんだから、創造スキルに内包されててもなんら不思議じゃ無かったって訳か」


 魔法創造だって、新しい魔法を「創り出す」スキルだ。それが創造スキルに内包されてないほうがおかしいのだ。

 

「つーことは……魔法創造はレベル11分あると。要するに、空間魔法のレベル上げろって事か。じゃあ、フィールが起きるまで永遠と魔法でも放ってますか」


 と言うことで、本来の目的が達成されたというか元から達成されていたので、必要な空間魔法のレベル上げをする。別にスキルクリスタルを使ってもいいのだが、時空結晶は所持数がそこまで多くはないので出来れば使いたくは無い。


 まあ、そんな訳で俺は魔法を連発する。空間魔法のレベルがそこまで高くない都合上そこまでな魔法は撃てないが、俺が慣れてないからか割と魔力が漏れ出ているのに気付く。


「……おはよう、カイト」


「お、起きたか」


 その漏れ出た魔力を感知したからか、フィールが眠そうな目をしながら庭へと出てくる。ちなみに、二階の窓からピョンと飛び降りてだ。


「手紙は見たか?」


「うん。……どうするの?」


 どうするの?とはこの後どうするかと言うことだ。留守番するのか、適当に出掛けるのか。そういう事だ。


「んー、個人的にはビアンカを追いたいんだよな。魔導機械のテストをやってるみたいだけど、どんなもんがあるかは気になるし。お前は如何したい?」

 

「私も、それでいいと思う。もしかしたら、何かの参考になるかもしれない」


 フィールは俺の意見に賛成してくれる。フィールの能力も発想力がそこそこ重要なので参考にしたいとも言っている。


「オーケー。でも、彼奴の居場所は分からねえんだよな。フィールは心当たりあるか?」


 俺は念の為フィールに聞いてみる。流石に分からないだろうが、聞いておいても損はない。


 まあ、返答は勿論


「ごめん、わからない」


 こんな感じだった。分かってた。


「だよなぁ。じゃ、ギルドに行って目処でもつけるか。確か、この辺りで一番危険な所って書いてあったよな?」


「うん。……多分、ソールに聞けば一発」


 フィールの言っている事は至極真っ当だ。どんな冒険者よりもソールの方が何かと詳しいだろうし、ギルドマスターの勘とかそういうのもアテにはなりそうだ。

 

 だが、それは止めておいた方が良さそうだったので、俺はフィールに提案する。


「それはそうだろうが……。一応ギルドマスターだからな。職務は大分忙しいだろうし、下手に邪魔するのも悪いだろ。適当にギルドにいる冒険者にでも話を聞こうぜ。それに……」


「それに?」


 俺の含みある言い方にフィールが聞いてくる。まあ、これに関しては完全に俺の趣味だからな。


「そっちの方がなんかテンプレだからな。オタクとしては是非その流れを取りたい」


「てんぷれ?おたく?」


 フィールはこっちの世界に無い言葉を聞いて少し動揺している。……いつか教えるか?でもなぁ。それ教えるくらいなら別のこと教えた方がいい気もするけど。


「あー、あんまり気にすんな。で、そっちの方の流れでいいか?」


「うん、それでいい」


 フィールもそれに了承してくれた所で、俺は出発しようとする。だが、フィールはその場を動かない。


「如何した?フィール」


 俺はそれを見て不思議に思い聞く。フィールは、何かの魔法を行使しようとしている。


「……勿体無いから、貰っていく。『マナコレクト』」


 フィールがそう言うと、俺のばら撒いた魔力がフィールに向かって収束していく。そして、フィールの手の上で淡い光の玉となったと思うと、その手の中に吸い込まれていく。


「今のは?」


「……魔力の回復用の魔法。無属性の応用」


 なんでも、無属性は魔力を直接操る事に長けているようで、それを利用して漂っていた魔力を集めて吸収したと言う。相手がある程度魔法を撃った後に使えば充分な効果が見込めるという。


「……やっぱり魔法って難しいな。まあ、取り敢えず行くか」


「うん」


 そして、俺とフィールの二人は、ビアンカの行き先を探すためにギルドへと向かった。勿論、鍵は閉めた。

話の区切りが若干変になってしまいましたが、多分次回はまともな区切りになると思います。

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