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18話 カイトVSカルディア

また短めです。戦闘ばっかで辛い……(自業自得)

「『ブースト』」


 俺は『メガ・ブースト』を発動させ、カルディアと対峙する。何か頭の中に情報が流れ込んできている。……どうやら、剣術のレベルが11に達した事によって色々出来ることが増えたとか……そんなものみたいだ。スキルを入手した時は気付かなかったけど、創造とか鑑定とかもなんか出来ることが増えてるのか?


 まあ、そんな事は良いか。とりあえず改めて身体強化の出力を最大にして、カルディアに斬りかかる。取り敢えず、邪魔な結界を叩き割る。


 ガキィン!


「くっ!?」


 俺の放った剣は、カルディアに受け止められる。だが、その剣の重さに苦悶の表情を浮かべる。


「どうした?こんなもんか?」


 鍔迫り合いを行いながら、カルディアを挑発する。今は暴走してるから、ある程度刺激を与えれば行動を読むのは割と楽だ。


「そんな訳無かろう!はぁぁああ!!」


 カルディアがより一層力を込める。だが、わざわざそんな鍔迫り合いなんてしている意味はない。縮地で横に飛び退き、鍔迫り合いを止める。


「うお!?」


 一瞬、体がガクンッ!となるカルディア。その隙に、普通に飛んで結界を砕く。


 パリィン!


 俺が軽く剣を振っただけで、カルディアの結界が砕け散った。やっぱり、フィールのも大分効いてたみたいだな。


「結界は割れた。これで止めるって言うなら終わらせるが……まだ戦うか?」


 俺は確認の念を込めてカルディアに言う。ちなみに、俺が戦ってる間にビアンカがフィールを回収してくれた為、戦うなら周りを気にせずやれる。


「ハハハハハ!馬鹿な事を言うでない!こんな躍動する死合い!止められる訳が無かろう!」


 予想していた返答が返ってきた。だけど、流石に辛いんだよな……。全力出さないと時間が掛かってブースト切れるし、全力で少しでもやり過ぎると殺す可能性あるし。


 まあ、その時はその時だ。と言うことで、カルディアの自由を奪うためにフェニキシア戦で使ったフックショットを取り出す。突き刺さないで絡ませる方針なら問題無さそうだしな。


「お、ら、よっとぉぉお!」


 俺は声を荒げながら、フックショットを発射する。絡ませる為に腕を振り下ろしながら。


「無駄じゃ!そんなものでは妾は止まらんぞ!」


 だが、大体予想はしてたが弾かれた。おまけに、なんか飛び出している鎖の上を走り俺の方へ接近してきている。


「……ほい」


 シャァァァァァァア!


「うおっ!?」


 外して出したままでも邪魔なので、鎖を巻き取りながら収納していく。ちなみに、少し改良してドリルを応用し、巻き取りを自動化かつ超高速にしている。


 走っているところが高速で移動し、バランスを崩すカルディア。そして、そのまま少しだけ手加減をした腹パンを繰り出す。


 ドゴォン!

 

 と言う、腹から鳴ってはいけないような鈍い音が響く。……内蔵逝ったか?でも吸血鬼だからなぁ。どうだろうな。


「ガハッ……まだまだじゃぁ!」


 口から吐血しながらも、剣を離さず立ち上がるカルディア。戦闘狂って言うのはここまでなもんなのか。


「……ふんぬっ!」


 カルディアが力を込めながら、地面に剣を突き立てる。別に雷が出てきたりはしなかったが、地面に亀裂が入り大きく揺れ、若干足を取られる。あと、少し残ってた氷も割れる。


「そこじゃ!」


 そして、その剣を引き抜くことすらせず、片方の剣で俺の体を引き裂こうとする。


 ガキィン!


 と言う金属音が会場中に響き渡る。俺が剣を受け止めた音だ。空なら飛べるから、足を取られたところで問題は無いんだよな。


「ハハハハハ!これも受けるか!実に面白いのじゃ!」


「俺はそれどころじゃねえけどな!」


 ちなみに、今喋ってる最中も普通に吐血している。……はぁ、なんか、こう、傷付けずに止める方法ってないかねぇ。


「クハハハハハ!来い!『インサニティ』!『アモーレ』!」


 カルディアが、トチ狂ったかのように剣を投げ捨て、手を空に掲げながら叫ぶ。その時、虚空から黒いオーラを纏った禍々しい大剣と、紅いオーラを纏った不吉な大剣が姿を現す。


「この大剣も持つのも久しぶりじゃのぉ。表はこの剣の事は知らんみたいじゃし」


「表?」


 不気味な顔を浮かべながら意味深な台詞を言うカルディア。なんか気になってしまうのでつい聞き返してしまう。


 すると、カルディアはその良からぬ顔のまま言う。


「妾は、何というか、多重人格とでも言うのかの?まあ、そんな感じなのじゃよ。妾はその裏側、戦闘をこよなく愛する人格じゃ。これまではあの3人くらいしか良い試合が出来るのがいなかったからつまらなくて寝ていたんじゃが……久しぶりに、表が血の騒ぐ試合をしていたからの。ちょっと主導権を奪ってきたのじゃ」


 今明かされる衝撃の真実。つーか、普通に理性的に会話通じてるじゃん。穏便に済まさせてくれよ。


「あのなぁ。お前別に暴走したりはしてないんだろ?そんな風に会話出来る位だしな。俺は無駄な戦闘はしたくないんだよ。だからおとなしくしてくれねえか?」


 出来る限り力を使わずに済ませたい。最悪、周囲にどれだけ被害が出るかわからないからな。アダマースが会場の結界は張り直してくれたみたいだけど……あの強度なら、普通にいけるしな。


 だが、カルディアは笑いながら叫ぶ。


「断る!止めたいなら、妾を殺すなり縛るなりなんなりするがよい!」


 戦闘狂には会話は不要。解ってはいた事だ。


 でも、ねぇ?縛るなり殺すなりって。縛るのはブーストの制限時間……あと五分位か。じゃあ厳しいし、殺したら蘇生出来る保証ないし。フィールの魔法に「死んでから一時間以内の者を蘇生させる」ってのがあったけど、ブースト使ったから弱体化してる筈だし、そもそも光属性だから無効化されてもおかしくないし。


「はぁ……地味に面倒くせえな。じゃあ、適当にやらせて貰うぞ。……ほいっと」


 取り敢えず取り出したのは、火炎結晶だ。フィールが作った氷は大体カルディアが砕いたけど、残ってるのが邪魔なんだよ。


 と言うわけで、魔力をグッと込める。その瞬間、


 ヴォォォオオオオオオン!!


 という音と共に、炎が辺りを包み込む。……俺ごと。


「あっつ!?水!水!」


 なお、この炎は氷でも一瞬で蒸発出来るような温度だった筈だ。なんだかんだ、それを耐えてる俺ってどうなんだろうな。


 だが、馬鹿やった俺は咄嗟に水流結晶を取り出し、魔力を込めて水を頭からぶちまける。火は無事に消えてくれたが、若干服が焦げてしまった。


「何をしたいのかは知らぬが、油断は禁物じゃ!」


 俺が一人で自滅している間に、カルディアが大剣を構え一気に振り抜く。


 フォン!


 俺は最低限の動きで回避しようと思ったのだが、「インサニティ」って呼ばれてた黒い大剣から嫌な気配を感じた為、少し大きめに飛び退く。


「むっ。やはり、気付いたかの?」


「嫌な予感がしたからな。具体的には解らないけど」


 俺がそう言ったら、カルディアは丁寧に教えてくれた。なんでも、あの黒いオーラは相手の精神を掻き乱す謎効果があるらしく、切られるどころか所有者以外の場合オーラに触れるだけで少しだが精神に影響が出るというものらしい。


「……じゃあ、紅いのは?」


「所有者の傷を癒す位しか無いのじゃ」


「ざけんな」


 相手の精神を掻き乱す大剣に、所有者の傷を癒す大剣。どっちも面倒極まりない能力である。


 特に、傷を癒す方は厄介すぎる。長期戦になり兼ねないからな。そろそろ、無理矢理にでも止めるか。

 

 でも、無事にとはいか無さそうだけど。取り敢えず、俺はアイテムボックスから三日前くらいに作ったある物を取り出す。シャランと言う音が微かに響く。


「……なんじゃ、それは」

 

 カルディアは不思議そうな目で"何も載っていなさそうな"俺の手元を見ている。まあ、俺にも何も載ってないように見えてるけど。


「さあな」


 そして、俺はその手を振りかぶる。シャン!と言う音が聞こえたが、構わず振る。


「!?」


 カルディアは何かに気付いた様子で咄嗟に避ける。やっぱり、戦闘慣れしてる奴には解るか。


「……見えない、鞭のような物かの?」


「御名答。だけど、鞭なんて甘いもんじゃねえぞ」


 そう言って、再びそれを振るう。今度はカルディアは剣を構える。


「そんなもの、切り裂いてしまえば良いだけの話じゃ!」


 ガキィン!

 

「なにっ!?」


 カルディアはインサニティを振るったが、切る事が出来ず、弾かれた。そして、俺はそのまま剣を絡め取る。

 

「よーし、まずは一本」


 ガラァン!


 剣を力に任せて引っ張り、引き摺り下ろす。普通の素材で作った鞭だったら、そのまま刃で切れるだろうな。


 だけど、俺が今持ってるのは、取って置きの素材、ミラージュドラグーンの鱗で作った鎖だ。早々切れるもんじゃ無い。


 でも、カルディアはそんなトンデモ素材が使われてるなんて事は解らない。だからこそ、切れなかった事に戸惑いを隠せない。


「なんなのじゃ!それは!」


「教える訳無いだろ?……よし、捕まえた」


 カルディアは剣を落とした後、もう一つの大剣を片手で持っていた。ならばどうするか?縮地で移動して、その手を押さえて力尽くで奪えばいいじゃない。


「なっ!?」


 動揺に動揺を重ね、なんか凄い顔になっているカルディア。俺は、そこにニッコリ笑いながら告げる。


「で?剣無くなったけどどうする?まだやるか?」


 俺がそう言ってやると、カルディアは両手を挙げ諦めたように言う。


「……はぁ。降参じゃ。完敗じゃよ」


「そうか。……で?たんに血が騒いだからってだけで暴れだしたんだよな?」


 俺が一応確かめる為に聞いてみる。


「ああ、そうじゃよ。……このまま居ても、戦いたくなるだけじゃからな。妾はそろそろ戻るとする。……すまなかったな」


 カルディアはそう言い残すと、そのまま地に倒れ伏す。どうやら、意識を失ったようだ。


 それを見届けた時、俺の体が強烈な虚脱感に苛まれる。ブーストが切れた時の症状のようだ。


 そんな感じで立ち尽くしていると、実況席から声が響く。


「れ、連絡です!アクシデントにより、試合を中止するとの事です!誠に申し訳ない御座いません!」


 試合の中止。多分、アダマースかジョーカーがやってくれたんだろう。正直この後ジョーカーと戦っても勝てる自信が無いから助かった。


「……流石だな、やっぱり」


 後ろから声を掛けてきたのはジョーカーだ。呆れたような顔でこっちを見ている。


「そりゃどーも。で?カルディアの事、主な事は本人から聞いたけど、聞いてないことも色々有るからな。しっかり説明して貰うぞ?」


「ああ、解ってる。寧ろ、それを説明する為にお前を呼びに来たんだよ。……ハラハラして、胃が痛む中な」


 俺が返事をすると、胃を抑えながらジョーカーが言う。


 そして、俺はジョーカーに着いて行き、VIPルームでカルディアの件について色々説明してもらうことになった。


 

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