14話 闘技大会の始まり
「これよりぃぃぃぃぃぃいいいい!!!!!ウーバ魔族国ぅぅぅぅぅぅうううう!!!!闘技大会をぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!始ぃぃぃいいいめるぅぅぅぅぅぅうううう!!!!」
「「「「「「「「「「うおおぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」」」
「本日はぁぁぁぁああああ!!!!一般の部、32人!特殊の部、6人で執り行われるぅぅううううう!!!」
「「「「「「「「「「うおおぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」」」
「特殊の部には!魔王様の友人として!今回初出場の三人組が出場する!それに伴い!今までとは一味違った戦いになると思われるぞぉぉぉおおお!!!」
「「「「「「「「「「うおおぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」」」
「ではぁぁぁぁあああ!!!!大会諸注意だぁぁぁぁあああ!!!!解説のノーチェさんお願いしまぁぁぁす!!……やべぇ、喉が痛い」
「相変わらず煩いわよ、ブラック。……じゃあ、毎年毎年同じ説明してるけど、今日初めて来る人もいるかも知れないから一応説明するわね。
まず、参加者は大会時には受付で配布された「障壁のペンダント」という魔道具を着けて戦って貰うわ。これは持ち主に体力依存の耐久力、物防依存の物理耐性、魔防依存の魔法耐性、種族特性とスキルの耐性依存の属性耐性を持つ結界をはる魔道具よ。
勝つ条件は簡単。その結界を叩き割ったほうの勝ち。あ、でも結界の割れた相手を意図的に攻撃したりしたら失格よ。
失格の条件はさっき言ったのと、場外に出ること。……って言っても、観客の安全の為にアリーナには結界を張ってるから場外にはまず出れないけどね。
で、次は観客側。
ゴミは各自持ち帰るか、設置されているゴミ箱に捨てる事!
賭け券を買うときは、一人一万ゲルトまで!
他の観客の邪魔をしない!
貴重品は各自で管理する事!
以上!じゃあ、一年に一度の闘技大会!ゆっくり楽しんでいってね!」
「「「「「「「「「「いあぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!」」」」」」」」」」
「では!第一回戦!赤コートーーー」
晴天の中、遂に開催された闘技大会。そして、現在……
「……やっぱり、盛り上がるもんだな」
「当たり前だ!やっぱり戦いってのは心が躍るからな!」
魔王軍代表と化け物連合の二チーム (この名前でジョーカーが受付に出してやがった)が、VIPルームで観戦していた。ちなみに、VIPルームは周りから見えないようになっているため、俺たちが出場する事は魔王と愉快な仲間たちしか知らないはずだ。
「というか、これって本当に1日で終わるのか?何試合やるか知らないけど」
ここまで来て試合明日になりましたとかじゃ虚しいので、事前にジョーカーに問い質す。
「ああ。まず四人での試合を8試合、そこからは一対一で準々決勝、準決勝、決勝って感じで7試合、系15試合だ。それに、殆ど長期戦なんて殆どねえ。大体短期決戦になるからな。そこまで時間はかからねえよ。……おっ、一人ダウンしたな」
ジョーカーは現在やっている第1試合を見ながら俺に返答している。まあ、試合を見ながらのところには俺は文句は言わない。俺も見てるし。
「彼奴はパワーはあったけど、反応が遅かったな。それに袋叩きじゃ耐えられはしねえな」
今闘技場でやられたのは大柄な男だ。完全な脳筋タイプで、決して弱くは無かったのだが相手が悪かった。
四人中三人が魔法使いタイプ。そしてそれのどれからも最優先討伐対象として認識されたからか三人からの魔法の雨で呆気なく沈んだ。タイマンなら良いとこまで行ったと思うのに残念である。
「全く。あの位の魔法の雨なら、全部切り捨てる位できるじゃろ」
「普通の参加者に無茶な事を求めるんじゃねえよ、カルディア」
カルディアが割と無茶な事を言う。確かに高威力魔法じゃ無くて低威力魔法の弾幕だったけど、それを全部切り捨てるのは俺でもキツイ。出来ないとは言ってない。
「……で、魔法合戦か。長引きそうだな」
残り三人の魔法使いは、お互いに魔法を撃ち合っている。だけど魔法使いって総じて魔防高いから……。
と、そこでパリィン!と言う音が響く。結界が割れた音だ。
「……今の人、魔力切れ起こした」
「ところでこの大会って道具の使用はありなのですか?魔晶石を使えるのと使えないのでは大きな違いがあるのですが」
今魔力切れを起こした参加者を見て、ビアンカがジョーカー達に聞く。駄目だったら作戦を練らなきゃいけないからいい質問だ。
「ああ、問題ねえぞ。アイテムの持ち込みは制限無しだ。持てば持つほど動き辛くなるし、空間魔法なんて持ってる奴は殆どいねぇか……あっ」
そうかそうか。空間魔法を持ってない前提で作られたルールか。アイテムの持ち込みに、アイテムボックスがあるとないとでは大きな違いが有りそうだしな。まあ、俺は普通に持ってるし、フィールとビアンカにはそれが使える魔道具を渡してあるがな。
そして、少なくとも俺が空間魔法を使えることを知っているジョーカーは、「やべえ、此奴アイテム持ち込み放題だ」という顔をしている。
「なあ、今か「おっと、もう大会は始まってるんだ。今からルールを変えようったってそうはいかないぜ?」ぐぬぬぬぬぬ」
何と無くルールを改変しようとしている気がしたので、念の為に忠告しておく。もう手遅れなんだよ!
「まあ、ポーションなどでは結界は修復出来んし、然程問題では無いじゃろ」
カルディアがジョーカーを勇気付けるためにそう言う。ちなみに、さっきから会話に参加していないフィオーリは黙々と試合を観戦している。アダマースは大会の賭け券の整理とか誘導とか色々やっているため来る様子は無い。
「あ、ああ、そうだな。まあ、道具を使ったところで意味は無いと思い知らせてやるよ!クロノ!……あ、終わった」
俺の方を向いて威嚇してきたと思ったら、試合の方を見てそんなことを述べる。忙しい奴だ。
まあ、俺らも見てたけど。
「うーん、水魔法使いが勝利したか。攻撃は微妙だったけど、相性が良かったな」
「炎を鎮火、敢えて凍らせる事で冷気を遮断、電気を流させて受け流す、全く攻撃が通じない相手が可哀想でしたね」
「……だけど、風で攻めれば余裕」
一回戦目から、割といい試合が見れている。もっとも、既に感覚がズレているからか物足りない感が出てしまうが。
「第1試合は力のぶつかり合いと言うより駆け引きじゃからの。物足りない感覚は解る。まあ、中には妾のように力に物を言わせて三人纏めてブチのめすという手段を取る者もいるがの」
カルディアがそう言う。やっぱり此奴は脳筋だ。……って、ん?
「カルディア。お前一般の部に出た事あるのか?」
なんか、一般の部に出た事ありますよ的なことを聞いた気がするので念の為聞いてみる。すると、
「参加したも何も、妾は……えーと、どの位前じゃったかの?まあ、取り敢えず大会に優勝して、ジョーカー様に魔王軍に勧誘されて今此処にいるのじゃぞ?」
「出場したどころか優勝してたのか。……ってことは、この闘技大会が凄い盛り上がってるのも?」
「うむ。ジョーカー様が、見所のある者を魔王軍に勧誘する事も稀にじゃがあるからな。それを目的にしてる者も少なくない」
この闘技大会が、色々とジョーカーの策略の元に成り立っているのはよく解った。……いや、違うな。多分、このシステム考えたのはアダマースか。ジョーカーがこんなメリットだらけのシステムを組めるとは思えない。
「……ところで、優勝者からして、二回戦のあの出場者たちはどう思う?」
俺は、闘技場を見てそこにいた脳筋たちを見てカルディアに聞く。
「ふむ?大剣使いに長槍使い、大鎌使いに大槌使いか。……これはまた、扱い辛い武器ばかりじゃのぉ。大きければいいというものでもないぞ?」
「だよなぁ。あれは酷いと思う」
身長程の大きさがある大剣を振っている女性、2メートル位の十字槍を構えて牽制している男、体より大きな鎌を操りながら攻撃を受け流す少女、かなり重そうな槌を持って槍持ちと睨み合う男。
さっきの魔法使い組とは何だったのかと思う程、物理的な編成である。
「……これまでこんな偏った編成になった事は無かったんだがな。くじ運が悪かったのか?」
ジョーカーがそんな事を言うが、まあ、くじなんてそんなもんだろう。
「……あ、終わった」
「「え?」」
ちょっと試合から視線を外していた俺とジョーカーが同時に呟く。
会場の真ん中では大鎌を持った少女が笑顔で手を振っている。他の人たちの結界は、全て割れていた。
「え、いや、終わるの早くね?さっきまで全員残ってたよな?」
「少し目を離したら試合が終わっていた。何を言ってるか解らねぇと思うが……」
俺とジョーカーが理解不能状態になってるのを見て、ビアンカとカルディアが説明してくれる。
「どうやら、超高威力の斬撃を飛ばしたようですよ?若干タメが長いですけど身のこなしもいいのでそこまで問題になってないようですし。もしかしたら優勝するかもしれませんね」
「もしかしたらと言うか、普通に優勝候補じゃの。今回が初参加のようじゃが、魔王軍に居てもなんら問題は無さそうじゃぞ?」
そこまでの奴だったのか。勿体無い事をしたな。
「まあ、少なくとも1試合分は見れますし、そんな後悔しなくても良いですよ」
「それもそうだな」
それからも、俺たちは試合を見続ける。やっぱり、色々と特殊な奴が多い。
身長程もある長剣を両手に構える女性に、魔族なのに光属性を使う男、更にはこの世界で初めて見る獣人と言うものも参加していた。
決勝戦は、例の大鎌少女と一般的だが洗礼された動きをする剣士が戦い、大いに会場を盛り上げた。
結果は大鎌少女が優勝し、多くの観客が歓声と悲鳴をあげた。どうやら多くの観客が剣士の方に賭けてたようで、それに対する悲鳴だ。最も、物を投げつけたり暴言を吐いたりする観客はいなかったが。
そして、遂に特殊の部の第一回戦が始まる時が来る。
ちなみに、現在はお互いの出場選手が解らないように控え室だ。
「じゃあ、ビアンカ。作戦確認。まずジョーカーは来ないと思うから、その対策は無し。カルディアが来たら水メイン、フィオーリが来たら炎メインだ。両方とも氷と電気には耐性が無いから、ライフダガーとスパークマインによる攻撃を組み合わせろ。ちゃんと攻撃は回避して、無理そうなら縮地で回避。そんな感じだ。どんな魔導機械があるかは知らないけど、それも上手く使え」
「はい、カイト様。それでは、行って参ります!」
そして、ビアンカは闘技場に通じる扉から出て行く。俺とフィールはそれを見送った後、急いでVIPルームへ行き観戦の用意をする。
その少し後、実況席から大きな声が響く。
「大変長らくお待たせしましたぁぁぁああああ!!これより!闘技大会特殊の部!第一回戦を始めるぅぅうううう!!!」
「「「「「「yaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!」」」」」」
「では!先ずは我らが魔王軍代表の選手!
偉大なる木々の精霊!大いなる森の守り神!ありとあらゆる植物を操り命を吹き込む美しい天使!
その名は!フィィィィィイオオォォォォォォオオリィィィィィィイイイ!!!!」
「いえーい!よろしくー!」
「「「「「うぉおおおおおおおおおお!!!!」」」」」
第一回戦の相手はフィオーリか。やっぱり、盛り上がりが凄いな。……と言うか、まさか俺たちもあんな紹介されかたするのか?考えたく無いんだけど。
まだビアンカは出てきて無いけど、やっぱりフィオーリを応援する声が凄……
「フィオーリたんマジ天使」
「フィオーリたん……はぁはぁ」
「フィオーリたんペロペロしたい」
前言撤回。変態もいました。まあ、定番だけども……。
と、それを確認したところで実況席からまたも大きな声が響く。
「そして!次は今回初出場の化け物連合の選手!
未知なる力、魔導機械を操る生命体にして死と絶望の具現化!悪夢と闇そのもののようなホムンクルス!
その名は!ビィィィイイイイアンカァァァアアア!!!!」
「私、そんな酷い事しましたか!?」
「「「「「うぉおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
何その紹介。酷いってレベルじゃねえんだけど。
勿論、ビアンカもそんな発言をしている。だが、観客は一部を除いてただのキャッチフレーズとして受け取っているため然程気にしてはいない。
ちなみに、その一部というのは
「あの冥土……黒髪少女と俺をボコボコにしたあの冥土か!?」
「う……あ……頭が、頭の傷が……」
「……あの両手に花の人……?いや、まさか……」
昨日の惨劇を目撃していたり、直接ボコられたりした人たちだ。それはそれは恐怖に満ち溢れた顔をしている。
まあ、酷い紹介内容だったが、会場の盛り上がりは最高潮だ。
「ビアンカお姉ちゃん!行くよ!」
「ええ!私も全力で行かせてもらいます!」
フィオーリとビアンカが戦闘態勢をとる。武器を構えておくのはありなので、ビアンカはインフェルノバーナーを構え、スタンバイする。フィオーリは丸腰だ。
そして、遂に戦闘の掛け声がかけられる。
「それでは、第一回戦!始めぇぇえええ!!!」
その瞬間、闘技場内は炎と暴風に包まれた。
次回、フィオーリVSビアンカ
死+絶望+悪夢+闇=?
本編で?が明かされる事はありません。
ビアンカの元ネタの任○堂の小さいラスボスの事ですので。
ちなみに、物騒な4つのキーワードはそのゲームのラスボスに対する主人公の印象です。
あ、あと冥土は誤字ではありません。




