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生産スキルを甘く見るなよ?  作者: グラウンド・オーシャン
第1章 召喚and夢幻列島編
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15話 脳筋の襲来

「ははは……アンデッド殺すべし慈悲はない……」


「……アイエエエエ?」


「いや、なんで返し知ってんだよ……」


 もう、俺らの精神はズタボロである。始めの島が、どれだけ平和だったのかがよくわかるよ。


 何回もそれっぽい空洞に入って成果なし。それだけならまだいいんだよ。


 でも、入るたびにドラゴンゾンビが最低一体いるってどういう事だよ。弱いから瞬殺できるけど臭いんだよ。その上で成果なし……マジで苛立って来る。


 ちなみに、現在は8個目の空洞である。今回居るドラゴンゾンビは一体だ。……ただし、アンデッドグリフォンとアンデッドクラウディアが一体ずつのセットだ。


「祓い給え 清め給え 邪なる者に 清浄なる光を 死した者を 輪廻の定めへ 導き給え 『回魂』」


 もうフィールも面倒くさかったからか、新しく作った魔法をフル動員して全力で駆逐しに掛かっている。


 今フィールが使ったオリジナル魔法「回魂」は、消費した魔力に応じて、アンデッドを浄化するという明らかにチートな魔法である。しかも、範囲内に複数体いれば纏めて浄化できる上、アンデッドにしか効かない代わりにコスパが良いという本当におかしい魔法である。


 5個目の空洞で、ドラゴンゾンビ三体、アンデッドグリフォン二体、アンデッドクラウディア四体、おまけにドラゴンゴースト一体が出てきた時にうんざりしながら即席で作ったにしては、恐ろしい効果である。


 ちなみに、ゴーストとは、死んだ生き物の魂が輪廻転生の理から外れて、生者に襲いかかるようになった存在のようだ。実体が無いから物理攻撃が通らないしして来ない。但し、魂だけになったからか魔力の通りがスムーズらしく魔法は強力になる傾向が多いらしい。ドラゴンゴーストを鑑定した時に出てきた。


「はぁ、なんだよこの島。空洞に入ればアンデッドだよ。どんだけいるんだよ」


「……夜になったら、多分外にも出てくる」


「だよなぁ……」


 現在、時間はわからないが日没まであと1時間位である。光を嫌うアンデッドが、夜に出てこない理由が無い。


「……だから、適当な洞窟で野宿?した方がいいと思う」


 フィールの意見には賛成だが、一つ不安な事があるため、それに関しても提案する。


「そうだな。でも、ゴーストが出てきてもおかしくはないからな。交代で見張りをした方が良さそうだ」


 たとえ入り口を塞いだところで、霊体は普通に進入できる。そして、入ってこられた場合はフィールじゃ無いとどうにも出来ないからだ。


 フィールが起きてる時はそのまま処理、俺が起きてる時はフィールを起こして処理。そういう流れだ。


「……わかった。……ところで、お腹減った」


「お前、あの匂い嗅いだ上でよく食欲あるな……」


 まあ、確かに腹は減っている。慣れって怖い。じゃあ、飯にするか。多分、うまいものの匂いでも嗅げばあの匂いのことは少しは忘れられるだろうしな。


 おっと、1週間前の俺とは一緒にしないで貰いたいな。良さそうな香草とか、香辛料になりそうな物もある程度見つけて来たんだ。あと、まともな味の野菜とかもだ。


 先ず、鉄で適当に作った鍋をアイテムボックスから取り出して、加熱する。フィールに火は出して貰ってる。火属性魔法かぁ……覚えてもいいんだけど、フィールと比べちまうとなあ……。


 まあ、次。適当に香草ぶち込んで、香り出した後適当に肉をぶち込んで、ある程度焼く。2種類位……クラウディアとドラゴンのでいいか。


 で、その後水入れて、野菜っぽいのを入れる。キャベツっぽいの、ジャガイモっぽいの、人参っぽいのだ。微妙に蠢いていたり、妙にデカかったり、紫色だったりするが野菜は野菜だ。全部味は日本のそれに似てたからな。


 で、まあ煮込んで、適当に香辛料とかで調整して完成。正直大体目分量だけど、料理スキルとかのお陰でどうにかなるだろう。多分。


 と言うわけで、ドラゴンとクラウディアのポトフのような何かが完成。フィールが途中から飢えた獣の目でこっちを見てるから早く食べよう。


「……うん、今回も上出来だ」


「……美味しい」


 調味料とかの調達は大体4日前位にしたので、それらを使った料理はすでに食ってるのでそこまでオーバーリアクションにはならない。まあ、うまいものはうまいが。


 そして、鍋いっぱいに作ったポトフもどきを2人であっさりと完食した。フィールはここから睡眠時間、俺は見張りのついでにクリスタルと魔道具の作成作業に入る。








そして、クリスタルをある程度作り、クリスタルではないある魔道具を2つ程作成したところで、フィールが起きてくる。


「……交代の時間。何も無かったようで何より」


「ああ、わかった。あ、今作った魔道具渡しとくよ」


 そう言って、俺は薄ピンク色のコートと、鈍く輝く腕輪を渡す。


「片方は知っての通り、透明マントだな。うまく使ってくれ。で、もう片方は「収納の腕輪」って奴だな。効果はアイテムボックスと同じで、中にアイテムを収納できる。容量は……拠点の洞窟位かな?」


 ちなみに、拠点の洞窟の広さは大体学校の教室位である。割と広い。


「あと、その魔道具はちょっと特殊な鉱石を使ってな。魔力を充填してから使う必要があるから」


 特殊な鉱石とは、ある日俺が見つけた、「割らなくても魔力が取り出せる魔晶石」というものである。ただし、魔力量には限界があるため余裕のある時に充填する必要があるが、何度でも使える優れものである。


 それと、時空結晶と、アダマンタイトを使って作られたのがこの腕輪だ。魔物とかの攻撃も受け止められる位頑丈なのでいざという時は防具にもなる。


「……わかった。大切にする」


「ああ、じゃ。俺は寝るから……」


 そう言い残し、俺は眠りに入った。魔道具作り終わってから、一気に睡魔が襲ってきてたからな。







 結果としては、俺が起きるまでモンスターが近寄ってきたりする事は無かった。"俺が起きるまでは"。


「グルオォォォオオオオオ!!!!」


 朝起きた時。俺はその何者かの咆哮によって目が覚めた。音の具合からして距離は100メートル位、そして洞窟の入り口付近だった。


「……フィール、眠気は大丈夫か?」


「……うん。戦うの?」


「いや、遠ざかるまで待ってようと思う。だけど、入り口ぶち破ってきてもおかしくないから、戦う用意はしておいてくれ」


 そう言い、フィールと俺は戦う用意を整える。剣を構え、魔法で先制攻撃を取れるように事前に詠唱を済ませておく。


 通り過ぎて欲しいと思ってたのだが、まあそのまま遠くに行ってくれる訳もなく、洞窟の入り口を吹き飛ばしながら押し入ってくる。


 ……入って来たのは、全長3メートル位のゴリラだったが。

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スカイゴリラ (変異個体)

種族 魔獣

レベル234


体力 3808

魔力 456

筋力 4046

敏捷 3808

物防 714

魔防 476


スキル

天駆レベル8 縮地レベル7


 夢幻列島に住むゴリラ型の魔物。空を駆け、その剛腕で獲物を狩る。この個体は特殊であり、只でさえ少ない魔力や防御能力が少なくなった代償に絶大な攻撃能力を持っている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……脳筋すぎるだろ!

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