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20話 破壊神とその配下

 ジョーカー達は俺の頼みに不満そうな反応をしたものの、なんだかんだで手伝ってくれることになった。


 一応アレを使った負い目とかも感じていたのだろう。


 ……まあ、それよりも影響を与えた会話はあったんだけども。


『ところで、お前らって此処からどうやって出るつもりだ?』


『どうって、そりゃ普通に……』


『対侵入者用の仕掛けにも掛からず、見張りの1人にも見つからずにか』


『キツいとは思うが、どうにかなるだろ』


『で、そのあと誰にも悟られずに魔力が回復するまで待機するってか?』


『ま、まあ、そうなるな』


『……食べ物とかどうすんの?そもそも、それが無理そうだったからアレ使ったんだよな?』


『それはそうだが……た、食べ物に関してはお前が協力してくれれば……』


『俺たち当分この作業で忙しいから、お前らに協力するのは難しいんだよなー (チラッ』


『ぐっ……』


 とまあ、こんな感じに不安を煽ってみたら結構簡単に了解してくれた。


 多分、負い目よりも比率的にはそっちの方が大きいんだろうけど……手伝ってくれるならさほど気にすることはない。


「おい!もしかしてコレか!?」


「ちょっと見せてみろ!……ビアンカ。コレ……」


「……ええ、間違いありません。これが私達の探していたものです」


 そんな感じでジョーカー達の協力を得てからおよそ3時間後。ジョーカーがそれらしい本を持ってくる。


 何かの革で装丁された古びた本で、埃を被っているのを見ると結構長い間放置されていたのだろうという印象を受ける。


 表紙には文字は書かれておらず、代わりに絵が描かれていた。


 空には怪鳥が、陸には魔獣が、海には大蛇が。それぞれが人間を攻め立て、滅ぼしていくという感じの絵だった。


 特に魔獣に関しては俺が見たことのあるイルネスに酷似している。

 

 更に中を見てみれば、アウィスから聞いたワードの一つである「崩壊と破滅の神」というのも書かれており、これが俺たちの探していたものだという事を確信する。


「おおい!見つかったぞ!」


「本当!?」


「……分かった、今行く」


「はーい!」


「お手柄です、ジョーカー様」


「結構早かったのぉ」


 俺が見つかったという声を皆に掛ければ、皆が違う反応を見せながら此方に向かってくる。


 ジョーカーの愉快な仲間達は元気があるが、フィールと美雪は余力を振り絞ったような声だった。


「太古の破壊神とその配下についての本……そんなのが、本当に存在するなんてな」


「一応お前の城にあった本も似たような分類だったんだがな……。まあ、とりあえず読んでみるか」


 全員が机の周りに集まったことを確認してから、俺は本を机の上で開く。


 全員が一箇所に集まっているため少し狭いが……それは我慢しよう。


「じゃあ内容を確認するぞ」


 そして、俺たちはその本に書かれていることを頭に刻むために、無言で本に書かれている文字を読みだした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なんだよ……話が飛躍しすぎだろ……!」


「こ、こんなのが何処かに封印されてるの?」


 書かれていた事は、主にアウィスから聞いていた通りの内容だった。


 破壊神デザストラ、及び配下の三天使の情報についてだ。


 だが、俺たちが知らない情報も結構書かれてたから、決して無駄足にはならなかった。


「なんだかんだで、デザストラ本人の戦闘能力については全く聞いてなかったからな。それと封印場所も」


 その中でも特に重要だと思ったのがその二つだ。


 デザストラを復活させないための情報と、万が一復活させてしまった場合の対抗策を講じるための情報。


 この二つは最重要事項だった。

 

「ですが、たったこれだけの情報でどうしろというのですか」


「どちらも曖昧と言わざるを得ないからの」


 しかし、その内容も非常に理解し難く、扱いに困るものだった。


 

 崩壊と破滅の"神"であるデザストラは、「神気」という「魔力」の上位に位置する力を扱うという。


 デザストラのそれは「分解」に特化した力であり、「魔力を持つ非生命体」をバラす事が可能だという事だ。


 本に書かれている通りなら手に触れない限り分解出来ないようだが、手に触れさえすれば物体どころか魔法さえもバラしてしまえるらしい。


 ……どんな無理ゲーだよ、それ。


 というよりも、アウィス達三英雄はどうやってこんなのを封印したんだか。


 封印するための魔法さえも無力化されそうだってのに。


 まあ、それについては何か策があったのだろう。


 また、その策に関係するかまでは分からないが少し気になる記述もあった。


 まず第一に、神気というのは「神の存在そのもの」という事。これはつまり、神気と呼ばれるその力こそが神の本体だという事なのだろう。


 力を使えば使うほど、存在がすり減っていく。


 これを考えるに、耐久戦に持ち込めさえすれば若干優位に立てるかもしれない。


 ……まあ、触れるだけで武器も防具も壊されるんじゃあ耐久も何もあったもんじゃないが。一応、案の一つには入れておこう。


 そして次に神力と魔力の関係性について。なんでも、魔力と神気は根源は同じものらしい。


 神が神気を行使したその余り……いわば、残りカスが魔力なのだという。


 つまり、魔力は神気の完全下位互換という事。


 ……寧ろ、希望が減ったような気がする。


 何せ、こっちに神気なんてものを使える訳が無いのに相手はそれを普通に使ってくる。


 そうなると、撃ち合いになろうものなら絶対的に勝ち目は無くなる。


 唯一の救いは三天使は神では無いため神気は使えないらしいという事だが……それでも、神気に対抗する手段は必須だ。


 そういえば、アウィスが言ってた「神の領域」っていうのはコレに関係する事だったりするのだろうか。


 それは1ヶ月後辺りに聞きにいく必要がありそうだな。


 

 そして、次に封印場所について。


 コレについては1番知っておきたい情報だったのだが……あまりアテにはならなかった。


 この本曰く、デザストラの激戦の跡地にそのまま封印したらしいのだが……その跡地の場所が全くもって検討が付かないのだ。


 激戦は相当なものだったみたいで、周囲の地形さえも大幅に変わってしまう程のものだったみたいだが、それだけじゃ何も分からない。


 一応この場にいる全員にそれらしい場所を知っているかどうか聞いてみたりもしたものの……予想通り、誰1人として心当たりはないと言う。


「取り敢えずお前の領地には無さそうって事か……そうなると、帝国領か王国領のどっちかか」


「まあ、そうなるな。だがそうなっちまうと、俺たちが介入するのが結構厄介になるな」


「一応お前らが穏健派だって事は王女には伝えはしたけど、そっからどうなるかはまだ分からん。祈れ」


 せっかくジョーカー達も此方に引き込めたが、魔王というその立場のせいで行動してもらう事は困難そうだ。


 相変わらず、面倒な立場だなぁ。



 それともう一つ、気になる事があった。


 本には幾つかの絵が描かれていたのだが……その中に一つ、他の絵とは大きく違うものが描かれていたのだ。


 大半の絵には荒れ狂う怪物……三天使の姿が描かれていたのだが……その絵にだけは、怪物の姿は描かれていなかった。


 1人の女性が男女2人ずつの計4人の前に立ちはだかり、何かを宣言しているような絵だった。


 本自体が古く傷んでしまっているためその人物像ははっきりと読み取る事は出来なかったが……これは、おそらくそういう事だろう。



……アウィスが言っていた内容に、こんなものがあった。


 『混沌の女神ケイオス。あのお方は、デザストラ達が降臨した時に私達側に立って戦争したんだ。人族と魔族を守る為に』。というものだ。


 つまり、この1人の女性は多分混沌神ケイオスだと思われる。


 だが、そうなると……この、4人の男女が三天使と破壊神という事になる。


 俺の想像が正しければ……三天使は、恐らく人の姿を取る事ができる。


 その通りなら、もしかしたら何処かの街に化け物が住んでいるかもしれない。


 そんなことを考えてしまったからか……今の俺の心は、大分落ち込んでしまっていた。

 


 



 



 

この回で出た三つの情報……その内二つについては、もう気がついてる人も何人か居るんですよねー……。

まだ、ここじゃあ明かせませんけど。

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