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18話 もうやだ、色々と

どうも、うまく話が纏まらない……。

本当はもう少し話進めたかったのですが……。

「……まあ、ここで突っ立ってても何も変わりませんし、諦めて探しましょうか」

 

「……そーだな。こういう探し物はビアンカ頼りになっちまうから申し訳ないが」


「私としては役に立てる事自体が嬉しいので気にしてはいませんけどね」


 俺たちはそれぞれ散らばってから、目的の本を探し始める。


 書庫は広く今日中に見つかればラッキーと思えるほどで、見てるだけでげんなりするが探す以外の選択肢はない。


 最悪、此処に無いという可能性もあるがその時はおとなしくアウィスに聞きに行けばいいだろう。


「相当昔の本だから、見た目的には古ぼけた本だと思うんだが……どれも古いから分からねえな。タイトルがねえ本も多いし」


 取り敢えず、ぱっと見それらしい本を何冊か集めて俺は机へと向かう。


 魔王城の時とは違って開いて目を通して内容が違ければ別の本へと移れるので、その時よりは大分ましになるだろう。


 ……と、この時はまだ思ってた。


「『破壊の美学』、『魔法は火力なり』、『闇の中に生きる者』、『少女は氷雪に何を望むか』……。関係ねぇものばっかだな。そもそも、何で国の書庫に童話があるんだか……」


 ばっと見てみたら、考えたく無いほどある量の半分近くが古び掠れ、表紙にタイトルなんてものは描かれていなかった。


 つまり、その分此方が確認するべき量が非常に多いのである。


 それこそ、童話や絵本といった無関係も良いとこの本も幾つかあった。


 機会があれば読みたいと思ったりもしたが……今は忙しいから諦めよう。


「あぁ〜……おーい、そっちはどうだー?」


 それからも結構な量の本を確認したものの、案の定結果は芳しくない。


「うーん、全然ダメ。魔導書とか歴史書とか、そういうのばっかりでさ。目的のブツは見当たらないよ」


「……ミユキに同じ」


「多い割に、古い本なんかは整理があまりされてませんからね。処分とかがされてなさそうだというのは良いところですが、それでも探すのは難しいですね」


 ビアンカでもこの量の本から目的の物を探すのは大分苦労しているようだ。


 一瞬、意外だなとか思ったりしてしまったが、よく考えれば当然のことだった。


 今のところ、ビアンカは俺たちと同じ位の作業しか行えていないのだ。


 これまでの探し物の時は本を読み込む必要があったため読む速度も処理能力も高いビアンカは頭一つ抜けたスペックを発揮していたのだが……今回はそういうわけにはいかない。


 本を取り出して、大まかな内容を確認して、戻して、また本を取り出す。


 今回の作業には、その処理能力はほとんど必要とされていなかったのだ。


 探し物とは言っても、今回のそれは過去2つのそれとは若干内容が違う。


 前回までのは「本に書かれた情報を探す」というものだったのに対し、今回のは「置かれている本の中から目的の本を探す」というものだ。


 後者のは情報処理能力なんかよりも、とにかく忍耐力が必要となってくる作業だったのである。


「確認するための速度が短縮し辛いですからねぇ。もう少し人手があればいいんですが」


「まあ、それは同意だが……」


 一冊一冊の内容を確認するための時間は極々短いもののそのせいで時間の短縮が難しく、確認すべき本は一向に減る様子を見せない。


 こういう時は人海戦術が一番手っ取り早いのだが……此方には4人しかいないため、相当な時間が掛かりそうだ。


 そして、そんな知りたくないことがわかってから更に数時間後。


「……目が痒い」


「歩き疲れた」


「まだ一割も確かめてませんよ……?」


 フィールと美雪が、その疲れを露わにし始める。


 2人とも体力自体は大分あるのでどちらかというと精神的な問題だろうが……。それでも、少し辛そうだ。


「……しょうがないな。2人はしばらく休んでてくれ。その間は俺とビアンカで調べてるから」


 そんな様子だと、このまま作業させても見落としが出そうなので俺は2人を休ませる事にする。


「……まだやれる」


「わ、私だって!」


 当然、いきなりそんなことを言われた2人は俺に反論をしてくるが……それでも、こっちが引くわけにはいかない。

 

「疲れを残したまま探し物したら、肝心なもの見落としたりしかねないからな。疲れがマシになるまで休んでてくれた方が、こっちとしても助かる」


 若干辛辣な言い方になってしまった気もしたが、こうでもしないと休んでくれる気がしないので撤回はしない。


「うーん、納得はしたくないけど……。そこまで言うなら、お言葉に甘えさせてもらうね」

 

「……私も。非常に不本意ではあるけど」


 それに2人とも若干残念そうな顔をしたものの引き下がってくれたから、充分に意味はあったと言えるだろう。


「……拗ねちゃいましたね」


「アレは拗ねてるっていうのか?」


「私がまだ作業してるのにも関わらず、自分たちはダメだって言われたのですから……若干嫉妬されても無理は無いと思いますが」


「ああ、なるほど……。やっぱり、乙女心?は分からねえな」


「そこは要勉強ですね」


 俺はビアンカにそんなことを言われながらも、作業を再開する。


 漁るべき本はまだまだあるが、まだまだ諦める訳にはいかない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  

「……もうやだ」


「……同意」


「文字見たくねえ」


「3人とも、しっかりしてくださいよ……」

 

 とかそんな舐めた事を思ってた時期が俺にもあった


 既に3日の時が流れ、俺たちの精神は大分すり減っていた (ビアンカ除く)。


 朝8時に城へ来て、夜10時程まで本を漁り続ける。


 そんな生活を3日も続けていたのだ。


 それはもう、嫌にもなる。


「だって、こんなに調べてようやく半分だぜ?折り返し地点だぜ?やってられっかー……」


「アウィスさんも色々と忙しいみたいで、聞きたい事は聞けなかったしね」


「……使えない」


 途中、俺が諦めてアウィスに聞きに行った時もあった。


 だがその時は、アウィスは取り込み中の様で何も聞けなかったのだ。

 

 アウィス曰く、


「ごめん、ちょっと今神の領域に手を出してるから後にしてくれないかな。多分、1ヶ月後位には終わるから」  


 との事。……何を言いたいか、全くもって理解不能だった。


 とまあこんな感じで、頼りになるアウィスは頼れなかった。


 つまり、俺たちはこの作業を行う事を強いられているのである。


「3日前はあんなに生き生きとしていたというのに……」


「あの時はまだ、俺はまだまだ心に余裕があったからな。今はもうすり減りまくって、こんなに逝き逝きしてるぜ」


「……ビアンカも、こっちにおいで?」


「うぇるかむ、とぅ、あわーず、わーるど」


「……電撃撃ち込みますよ?」


 だが、その作業によってぐったりしている俺達を見てビアンカもそろそろ業を煮やしてしまった様だ。


 気がつけば久しぶりに髪と服を金色へと変色させ、腕にスパークマインを構えている。


「おいおい、流石にそれを書庫で撃つのはダメだろ。火気厳禁だぞ?」


「安心してください。暫く前に付けたスタンガンモードなので、少しピリッと来るだけですよ。……計算上では、カイト様の体力 (ステータス的な意味の方)は7割程しか削れないはずです」


「……7割残るじゃなくて?」


「7割削れます」


「……よーし、再開するか!」 

 

「「おー!」」


 そんなビアンカが怖かったという訳ではないが、少し休みすぎてしまった気がするので俺たちは作業を再開することにする。


「すごい棒読みに聞こえますけど……まあ、気にしたら負けなんでしょうね」


 そんな声がボソッと呟かれた様な気もするが、俺たちは何も聞こえていない。


 こういうのは認めた方が負けなのだ。


 とにかく今は、早くこの作業を終わらせる為に余力を振り絞ろう。


 そう思いながら、俺は本棚の方へと歩いていこうとしたのだが……




 そこで、唐突に俺は光に包まれる。


「……カイトっ!」


「カイト様!?」


「海斗くん!?」


 それには3人も直ぐに気がついた様だが、少し気づくのが遅すぎた。


 フィール達は急いで俺の方へと駆けてくるものの、3人が俺の元へと辿り着く前にその光は図書館全体を包み込んだ。


「ーーっ!一体、何がーー!!」


 目が開けてられなくなる様な、そんな眩い光が続く。


 そしてその光が輝いている最中……俺の周りに、新たな気配が唐突に四つほど現れた。


 奇襲かと思いもしたが、俺のそんな考えは直ぐに変わる。


 何せ、その四つの気配は……間違いなく、俺が知っているものだったのだから。


 

 そして遂に光が止み、そこにいたのは……。


「ハーッハッハーッ!!久しぶりだなぁ!クロノぉ!!」


「……何でお前らがここにいるんだよ……!」


 帝国領に居るはずのない者達……。魔王ジョーカーと、その愉快な仲間たちだったのだから。

まさかの魔王再登場。

出すことは前々から決まってはいたんですけど……タイミングは特に決まってなかったので何処で出すか悩みました。

なんでこんな所にいるかは次回。

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