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17話 交渉成立

「へいへいへいへい!YOU達だな!?HE(ウィード)が言ってたお客さんっていうのはYO!」


「……あ、ああ。一応、それで合ってる……と思う」


「やっぱりNA!そして、HE(ウィード)が気絶してるのもぉ!?」


「……一応、俺がやった。だが、反省も後悔もしてない」


「そりゃそうDA!だってHE(コレ)の自業自得でSYO!?全く、悪い癖だYO!自分より強い奴と戦いたくなるなんて癖はSA!」


 その変人……マイルは非常に独特な話し方で俺に語りかけてくる。


 一応、聞き取れない事は無いのだが……すごい、聞いてて疲れる。あと、なんかイラっとする。


「……その喋り方如何にかならないの?」


 それはフィールも感じたようで、腕を組みながらそう言い放つ。


 一応、今からしたいのは真面目な話なのだ。


 なのに話し相手がこれだとやり辛いことこの上ない。


「ちェ〜……分かったヨ。一応、素のハナシカタには戻させて貰うヨ」


「……まだ若干変な気もしますが?」


「残念だけど、コレがワタシのもともとダヨ。これ以上マシにしろって言っても、それはムリ」


 一応、その言葉で少しは話し方がマシにはなったが……まだ若干変なままだ。


 だが、下手に追求し続けてコレが元に戻ったら面倒なのでこのまま行こうと思う。


「……で、コレが気絶してる今、こっちの要求はお前に言えばいいのか?」


「まぁ、そうダネ。モチロン、内容によってハ対価を出してもらわないとイケナイけどネ」


「対価ねぇ……」


 それでも一応、そこで倒れてるアレと比べればまだ話は通じる方だとは思える。


 こっちとしては、戦うよりも物で買収出来る方が楽でいいからだ。


「まあ、そっちは後で聞かせてもらうとして、だ。取り敢えずこっちの要件を言わせてもらう。……ここの城の書庫に入らせてくれ。そこで探したい物がある」

 

 というわけで、俺は単刀直入に話を切り出す。


 別に宝物庫の宝を譲って欲しいとかそういう無茶苦茶な事を言っているわけではないのだから、ここは素直に言った方がいいという判断だ。


 それに、対価として出せそうな物なら幾つか候補があるしな。


 そしてそれを聞いたマイルは、


「フーム……?書庫、書庫カァ……」


 そう呟き、腕を組んで考え始める。


 恐らく、書庫には俺らが興味無いとはいえど他の目に触れさせたくないような、所謂禁書というものもあるのだろう。


 それ故に、此方にそれを見せるかどうかを悩んでいるようだ。


 でも、実のところ断られてもなんとかならない訳ではない。


 その時は少し……いや、大分面倒な事になるから出来れば許可して欲しいところだが。


 ……嫌になる程多い本からたった一つのモノを探す必要があるのに、その上誰にも気付かれないようにとかそんなのは勘弁して欲しい。


「トウゼン、色々とヤッカイな物があるからナァ……。せめて、何を探すかは教えてホシイネ」


「うーん、俺自身詳しい事は分からないんだが……完結に言うと、封じられた神について……みたいな本?」


「ゴメン、ソレは曖昧すぎるヨ。もうすこしコマカク行って欲しいナ」


「そうは言っても……その詳しい事が分からないから探したいんだが……」

 

「ソレはそうかもシレナイけどモ……ウゥン……?」


 そのためには話がスムーズに進む必要があるのだが……あいにく、此処にある本の詳細なんかは俺は知らない。


 アウィスからも「デザストラについての情報が書いてある本」としか聞いていないのだから、寧ろ詳しく知ってる方が可笑しいのだけれども。


 つーか、今更だけどもっと詳しく聞いておけばよかった。


 本当に今更だけど、そんな本読まなくても彼奴に聞けばそんなの分かるはずだったのに。


 実際に戦った三英雄の一人が書いた本だって言っても、そもそもその存在を教えてくれたアウィスだって戦った本人だったのだ。


 ……今になって思えば、これって唯の無駄足だった気がする。


 まあ、いいや。どうせすぎた事だし諦めよう。


「コレもいつも通り迷惑カケタみたいダケド……それでも機密に触れることだからナァ……。入るナラ、それ相応のタイカをヨウイして貰わナイト……」


 と、そんな事を考えているうちにマイルの中で結論が出たようだ。


「なんか対価をよこせ。そうすれば入れてやる」との事らしい。


 まあフローレが優秀だって言ってた手前、大体予想はついてたかな。


 国の重役がメリットなしで何かを聞いてくれるなんてそんなことは、ハナから考えてなかったしね。


「まあ、それで入れるならこっちはありがたいんだが……対価って言ったって、何を出せばいいんだ?」


 というわけで、その対価の内容をマイルに尋ねてみる。


 万が一王国が関わらざるを得ないような内容ならその時は諦めざるを得ないが、そうでないなら幾らでもやりようはある。


「フム……?マア、別に何かを指定スルようなコトはシナイヨ。こっちにソコソコの利があるモノなら、物品でもナンデモ……」


「よしOK分かった。物品で良いんだな?」


「ウ、ウン?ベツに物品でもイイけど「ほいよっ」……も?」


 そして、マイルから「物品でもいい」という宣言がされた為、俺はそこそこ……というより、かなりの価値がありそうな物をマイルに向けて放り投げる。


 それは綺麗な放物線を描き、見事マイルの手の中に収まった。


 もっとも、受け取ったマイルは怪訝そうな顔をしているが。


「……ナンダイ?コレは」


「魔導機械。確かこれって希少価値高かった気がするから」

 

 俺が渡したのは、古代文明の遺産である魔導機械……を練習で作ってみた内の一つだ。なお、形状はドリルである。

 

 大分前に作ったものではあるが、設計図などはビアンカに色々と教えて貰いながら用意したため練習用とはいえど普通に動く。


 ……ただし、使用者の魔力を使う方式なので誰にでも使える訳じゃない品物だが。


 おまけに、ビアンカ指導という事で色々と厄介なシステムを盛り込まされたりしている。


「ハァ……ハァ!?魔導機械!?」


 だが、そんな裏事情を知らないマイルはこれが魔導機械だと知った瞬間に凄い驚いた様子を見せる。


 一応、昔にアダマースに渡したものよりかは価値が無いのだが……素人目から見たらそんな違いなんて分かる訳が無いだろう。


 (……所で、それって確かネタで最後っ屁砲を搭載したネタ兵器だった気がするんですが?)


(うん、止めろ。それは言わない方向で行こう)


 その内の一つが、最後っ屁砲(男のロマン)という物だ。


 どうせまともに使わない、練習で幾つも作るものだからと言って……折角ならということで使い捨て覚悟で実用性を求めたらしい。


 具体的には、ドリル部分が回転している最中にある部分のスイッチを押し込むとそのドリル部分が高速で発射されるという物だ。


 なお、当然外れたドリルは戻らない。つけ直すのも不可能だ。


 なんでも、火力重視にしたせいで……発射する際の衝撃で回路がショートするのだとか。


 まあ、多分問題ないだろう。


「ムムムムム……価値はジュウブン……寧ろ過剰な気もするケド……いいのカイ?」


「それで話が済むなら」


 魔導機械はどの国でも進んで研究しているとは前に聞いたが……コレで過剰な位だというのは驚きである。


「ジャア、この契約書にサインを。……アア、知ってるとはオモウケド、魔法の契約書ダカラ内容はしっかりカクニンしてネ」


「ほいほい。……問題ないよな?」


「無さそうですよ」


「お、サンキュ。やっぱり見落としが怖いからなぁ」


 そして交渉の為に出された契約書をビアンカと確認しながらその契約書にサインをする。

 

 これで、交渉成立だ。

 

「フムフム……交渉材料ダネ。ジャア、着いてキテネ。書庫まで案内スルカラ。……アア、フローレ王女と、ブラド君とシルフィアさんはココでしばらく待ってテネ」


 そして、マイルは体の向きを変えて部屋の外へと歩き出す。


 俺たちは、それに黙って着いていく。


 取り敢えず、第一関門は突破した。


 だが、俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ。


 何せ……


「……ジャ、ごゆっくり」


「「「「……うわぁ」」」」


 予想はしていたとはいえ、見たくもないようなほど多い本の中から目的の物を物色しなければいけないのだから。


 ……1日で済むかなぁ。


 


 


 


 

 

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