屋敷
「さあついた!ここが私たちの本部だ!」
和也を強引にさらっていったオバサン・・・いやお姉さんは車を駐車場に入れながら言った。
「何だよここ?説明はないのかよおばさん」
「あ゛あ゛?」
「ナンデモナイデスオネエサン」
和也たちが着いたのは、でかい屋敷の前だった。
「説明はあとだ。あいつがいないと始まらない」
「あいつ?誰だそれ」
そんなやり取りをしていると、本部のドアが空いて、誰かが出てきた。
「やっときた!遅いよチエリ!」
「だって・・・和也さんがおそいから・・・」
「!?」
ドアから出てきたのは、チエリと外見が全く同じ少女だった。
「ね、ばれなかったでしょ!」
「鈍感すぎる・・・」
「まて、お前ら・・・!?」
未だに理解出来ていない和也は、二人の顔を交互に見比べた。
見た目は一緒だが、性格は真反対らしい。
「昨日会ったのは私、カナだよ!」
活発で明るい、今どきの子だ。と和也は思った。
「私はチエリ・・・カナの姉、です。私たちは双子・・・です」
チエリは若干人見知りしがちな、おとなしい子のようだ。
「さて、自己紹介も終わったことだし、そろそろ中に入るか」
と、おば、いやおねえさんが屋敷の中に入っていったので、和也もついていった。
「・・・邪魔しまーす」
和也たちが中に入ると、中には誰もいなかった。
「あれ、カナ、白服はどこへ行ったんだい?」
「わからない・・・多分パチンコ・・・」
「またかあのバカは・・・今日は新人を紹介するからいろと言ったのに。マインは?」
「買い物!」
(白服ってなんだよ・・・あとマインって誰だよ)
知らない名前が二つも出てきたことに少し同様はしていたが、書状に書いてあった「ガヴリイル」という名の何かのメンバーかなにかだろう、と思うことにした
「まあいい、和也くん」
「?」
おねえさんは謎に手を広げるモーションをすると、
「ようこそガヴリイルへ!私は副長の唯子だ!覚えてくれよ?」
人を誘拐するわおばさんと言うと怒るわしたこの女性が副長とは、和也はこの先やっていけるか不安になった……
続く