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少女

明朝5時頃


ピンポーン


「グガアアァァ」


インターホンの音と和也のいびきの音が響く。


ピンポーン


「ん?」


ピンポーンピンポーンピンポーン


突然インターホンが連打された。


「な、なんだ!?」


和也は慌てて飛び起きると、若干キレながらドアを開けた。


「誰だこんな朝っぱらから!?」


ドアを開けるとそこにいたのは、昨日和也に封筒を渡しに来た少女だった。


「か、和也さんですか?」


少女は和也の声に驚き、俯いてしまった。


(少し言い方が悪かったか・・・)


「・・・あー、そうだけど。お前は?」


少女はまだ少し怯えながらも顔を上げると、


「チエリ・・・」


自分の名前を言った。


「なんのようだ?」


和也は少し苛立っていた。だって眠いじゃない


「昨日の封筒に・・・朝来るって書いてた」


「ああ・・・あれか。本当だったんだな」


確かに昨日渡された封筒には明朝五時ごろに来ると書いてあったが、何かのイタズラかとも思い、本気で信じてはいなかった。


「という事は、お前も能力者なのか?」


和也が見るからには少女が能力者にはとても見られなかった。幼い顔、和也と比べれば小枝のような手足、細い体は触れば折れるのではないか、と思うぐらいだった。


「うん・・・一応は」

チエリは頷き、少し自分の能力について話した。


彼女の話によると彼女の能力は特定のものを決めて探し出す、探知能力だそうだ。和也の事も「覚醒しそうな能力者」で探知したら引っかかったらしい。


チエリはポケットから腕時計を取り出し、時間を確認した。すると顔を少し青くし、和也の方を向いた。


「早く本部にいかないと・・・!」


そう言ってチエリは和也の手を引っ張って歩こうとした。が


「まて、俺はまだ行くとは言ってねえぞ」


「そんな・・・早く行かないと・・・!」


そういうやり取りをしていた時、壮大なエンジン音をたてて一台の車が二人の前に止まった。


和也がエンジン音に耳をやられ耳を抑えていると、運転席のドアが開き、一人の女性が出てきた。


女性は和也とチエリの腕を掴むと、


「あんたらまだこんな所にいるのかい、ほらさっさと行くよ!」


と言い、強引に後部座席へ連れ込んだ。


「だから言ったのに・・・」


和也が何か言おうとする前に、女性は再びエンジンを噴かせ、道を走り出した。


「これって誘拐罪じゃねえの?」


「この人にそんなもの通じない・・・」


チエリは、だから早く行こうって言ったのに、と呟いた


「私の運転は荒いからね、何かに掴まっときな!」


「この人の運転で酔わなかった人いな・・・うぷっ」


チエリはそう言うと、ギブアップ、と言わんばかりにうつ伏せで席のシートに突っ伏した。


続く


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