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第9話:【公開】世界に見せる「プロの背中」

国家プロジェクトの成功とともに、ゼノのギフトMEtubeに劇的な変化が訪れました。


《重要:ギフトレベルが『現場監督』から『国家総裁』へランクアップしました》 《拡張機能:共有シェアモード解放。管理者が許可した対象に対し、映像の直接投影が可能になります》 《制限事項:コメントの閲覧・投稿は管理者ゼノ本人のみとします》


これまではゼノの脳内や小さなウィンドウでしか見られなかった「現代の知恵」が、ついに異世界の人々の目にもはっきりと映るようになったのです。


王都の巨大橋。その中央に設置された巨大な魔導スクリーンのような光の板。そこに映し出されたのは、ゼノが選んだ**『【総集編】私たちの街ができるまで〜現場監督ゼノの軌跡〜』**でした。


これまでゼノが一人でニヤニヤしたり、真剣に見つめていた「光の窓」の正体を知り、王都の人々は驚愕しました。


「おお……これが監督の言っていた『科学』か!」 「なんという巨大な鉄の馬(重機)だ。魔導士がいなくても、これほどのことができるのか……」


職人たちは、自分たちが教わってきた技術の「根拠」を目の当たりにし、涙を流して画面を見つめます。ゼノは、あえて自分だけに見えるコメント欄を開きました。


@diy_daisuki:「監督、ついに公開か! 異世界の人たち、みんな目がキラキラしてるぞ」 @structure_pro:「これ、技術移転どころか文明の飛躍だな。でも、コメントが見えるのは監督だけってのが、またニクい演出だわ」


そして、その中には、いつもの大切なIDもありました。


@sachi_papa_love:「……。画面越しだけど、みんなが監督さんを尊敬してるのが伝わってきます。……まるで、昔のパパの工場の落成式みたい。……監督さん、あなたは私の誇りです」


ゼノは画面を直視できず、わざとらしくヘルメット(投げ銭で交換した本物)を深く被り直しました。

「言葉」は届かなくても「意思」は伝わる


ゼノは壇上に立ち、王都の群衆、そして画面の向こうのサチに向けて、最後の授業を始めました。


「いいか、皆。今見せたのは、俺の故郷の知恵だ。だが、これを作ったのは魔法使いじゃねえ。ただの、汗水垂らして働く『人間』だ。……俺がいなくなっても、この知恵があれば、お前らは自分たちの手で明日を安全にできる」


ゼノは、コメント欄を打ち込みました。サチにだけ届く、最後の「嘘」と「本音」を。


【ゼノ(管理者)】:『@sachi_papa_loveさん。あなたの応援があったから、この現場は完成した。……あなたの「お父さん」も、きっとどこかで、最高の仕事をしてる。だから、あなたは、あなたの道を――ご安全に。』


サチからの返信は、すぐには来ませんでした。ただ、画面の中で小さな「ハート」の通知が何度も何度も点滅していました。

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