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■ 賭け

俺は生まれつき運のない男だった。思い出すだけでも絶望的に腹が立つ。


そんな時に悪魔が現れて、俺は「賭けに90%勝つ能力」を手に入れた。さすがに100パーセントは無理らしい。その場合、もし同じ能力を所持する者同士で賭けをしたら、矛盾が生じて世界が終るとの事。


だが俺にとって、正に人生大逆転を狙った賭けには違いない。そして半信半疑ではあったものの、途端に勝負ごとに強くなり、競馬、競輪、カジノと大儲けの日々が始まった。


ところが金回りが良くなると、すぐ悪い連中に狙われ始める。かと言って、魂と引き替えに手に入れた能力を眠らせるのは余りに惜しい。


凝りもせず賭け事を続けた結果、遂に俺の腹には銃弾が撃ち込まれた。そして意識が遠のく死の間際になって、ようやく俺は気がついたのだ。


「あぁ、悪魔と契約した時点で、俺は賭けに負けたんだ」



【終わり】


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