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D・M ~古き穴はランプで  作者: 藤原時照


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37/50

形式的な幕引き

 五人の在日米軍兵士が逮捕された。

 我々を襲撃した犯人とその関係者として。

 あのワンボックスに乗っているところを捕まえたという。

 だが――

 どういう神経でネットに晒されている車を乗り回すのだろう。

 まるでわざと逮捕されたような印象を受ける。

 そして、やはりと言うべきか――

 彼らは一晩だけ警察に勾留された。

 その後、地位協定に基づく引き渡し。

 日本の法律では裁くことができなかった。

 いつものように。

 ついでに、先の酸ぶっかけ事件の方も彼らの犯行ということで片付けられた。私たちが呼ばれることなく終わったので、両事件の犯人が同じではないことを主張する機会はもらえなかった。

 その後、たくさんの工作員たちがネット上に現れた。

 彼らは都合の悪いことすべてを陰謀論で片づけようとする。ほかの工作員たちがそれを支持するよう発言を重ね、陰謀を語ることが恥ずかしく思えるよう誘導する。こうして事実は陰謀論として蓋をされるのだ。

 だが、このままでは終わらない気がする。

 ノストラダムスによると、アメリカは強大なローマに例えられ――


  おお強大なローマよ、汝に破滅が近づく

  汝にささえなく、その血と心髄が

  文字による鋭利さは、谷道を恐れさせ

  するどい鉄がすべての道に矢をさす

               諸世紀第十章65



566: キョウ

 納得できん。

 被害者を呼んで面通しとかするんじゃないの?

567: まおん

 呼ばれずに終わり?

568: キョウ

 やってる感を出して、ホントは何もしていないっていう……

569: 平次

 確かに

 本当は逮捕もしていなかったりして

 もうカタがついたみたいに見えるもんね

570: まおん

 地位協定に負ける政治家が悪い

 釈放なんてしたくなかったんだー

 警察も被害者だー

 こんな感じ?

571: 道灌

 今日、警察に行ってきた。

 逮捕は一応本当みたいよ。

 捜査も終わってないみたい。

 あの教会の二人が行方不明のままなんだってさ。

572: キョウ

 え、でも、なんで道灌さん?

 あの事件なら呼ばれるべきは私ときさらぎ氏でしょ?

573: 道灌

 呼ばれて行ってきたんじゃなくて、こっちから押し掛けたの。

 ちょっと上の方から伝手をたぐってみた。

 それで誰にも声をかけられなかったんだよ。

 ごめんね。

574: キョウ

 そういうことなら。

575: まおん

 で、何かわかったんすか?

576: 道灌

 うーん、ここじゃ言いにくいかな。

 でも、いいか。

 米軍からUFOがらみの話がでたってさ。

577: まおん

 まおんちゃん大当たり?

578: キョウ

 真面目なメディアが関わり合いになりたくない話にするとか?

579: 道灌

 そういうことなのかな。

580: きさらぎ

 遅れて来てみればなんというか……

 そっち系の話も好物だけど。



 真偽を調べる術はないが、我々を襲った連中にはマインドコントロールの形跡があったそうだ。だが、それはやっぱり嘘で、いつもの情報操作なのかもしれない。UFOアブダクション自体、米軍の人体実験を隠すためにさわぎをでっち上げている、という説があるわけだし。しかし、アメリカ側がそう説明して幕引きを図ろうとするのなら、日本の警察に何ができるだろう。

 きさらぎ氏から聞いた話だが、彼は独立行政法人による明確な違法行為を警察に相談したことがあるそうだ。しかし、相談した警察官は、国には勝ち目がないから立件しないと言いきったという。そんな具合なのだから、相手がアメリカ政府なら推して知るべし。警察にも私たちにも、どうにかできる可能性などありはしない。

 そう悲観していたとき、事態は妙な方向に転がり始めた。

 最初の事件はフランスで観測された巨大な火球。

 それも三回。

 まるでノストラダムスの予言詩のように。


  オーホ、レクトール、ミランデの近く

  大きな炎が三夜も空から降ってくる

  それは巨大ですばらしいことを起こさせるだろう

  やがて地上に震動を起こすだろう

               諸世紀第一章46


 そして――

 日本でも巨大な火球が二つ観測される。


  発光体の光が弱まってくるとき

  つぎつぎと大きくなる

  寒さ かんばつ 危険が周辺にまでひろがる

  神託のはじまるところはどこでも

  二つの大きな発光体の光輝の消えている近くでは

  三月と四月のあいだに事件が起こり

  おお何という飢饉が!だが二つの温和なものが

  地でも海でもどこでもかれらを助けるだろう

               諸世紀第三章4・5


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