詩・触れる
まるで目隠しされてるみたい。
まっくら。
そっと、手を伸ばす。
触れるものはゴツゴツと硬く、なんとなく壁だな、とわかる。
そんな風に手探りで生きてきた。
食事も誰かとの関わりも。
まっくらな中で指先に触れる温度だけが真実。
真実。
いつか光を、明るさを見てみたい。
きっと美しいだろうから。
そう思っていた。
なのに。
眩い世界は残酷で醜悪だった。
―こんなの、違う。
手を伸ばす必要は無い。無くなった。けれど。
私は手を伸ばす。
指先に触れる温度、その温もりを探して。
きっと、最期まで、求め続けるのだろう。
指先に触れる温もりを。
〈都合のいい真実〉を。