「系」の意味が気になる方へ
念のためです。
ここまで書いて、もしかしたら、相対性理論に誤解を与えやすい言い回しがあるかも知れないと思い追記します。
相対性理論では、「系1の人からみる」とか「系2の観測者」などの用語が使われます。これでは、系1と2では世界が違うかのようです。そうではなくて、同じ人(観測者、人でなくて良い)、が系1と系2のどちらの物差しで物理現象を見るかにすぎません。どちらの物差しで見ても、物理現象は一つです。
街の商店街にたどりつくために、地球儀を用いて行こうと世界地図を持って行こうと、街の地図を持って行こうと同じです。商店街にいくには、これらの地図から、使いやすいものを使います。どれを使っても、行き先の番地まで書いてあれば同じことです。また、これらの地図は数式で変換できるであろうことも理解いただけると思います。
相対性理論も似たようなものです。地球にいる系、ロケットの系、どちらから見ても物理現象は一つです。便利な方を使えば良いです。ただ、空間の縮尺だけでなく、時間も一緒に加わった変換対象になる点が、地図の変換より理解しにくいだけです。
ロケットの中のことは、ロケットの系で考えた方が良いでしょう。ロケットの移動範囲を考えるときは、地球の系(惑星探索なら太陽の系)を考えた方が良いでしょう。ただ、それぞれに考えた結果は、ローレンツ変換に従って、矛盾なく、互いの長さや時間遅れをチェックする必要があります。
この話は不要かもしれませんが念のため、でした。