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特殊相対性理論は忍耐です


本作の相対性理論は、特に断らないかぎりは、「特殊」相対性理論で、一般相対性理論は含みません。


 「特殊相対性理論がわからない」とはどういう意味でしょう。私は考えました。相対性理論は確かに分かりません。一つのわからないことをなんとかやっつけるとまた別の不思議なことが現れ、際限なく続きます。そして、もやもやします。そのころには、それまでに強引に納得して通り過ぎた問題の山々に矛盾を感じて、訳がわからなくなります。私がそうです。

 理論や理屈には、必ず前提条件があります。相対性理論も同じです。ただ、相対性理論は、何を前提条件に持ってこようが、すぐに迷宮に迷いこみます。前提条件が既に気持ちの中では受け入れがたいからです。導かれる結果がまた混乱を呼び、何が前提で何が結果かを見失ってしまいます。そして足場を失い嫌になるパターンが想定されます。そこで、これからの話では、前提条件をはっきりと忘れないように決めてしまいます。どんな理論にも、前提条件にはいくつかの等価な表現があります。ここでは、以下の表現にします。特殊相対性理論では、よくある前提条件の表現です。


「光の速さは、どの慣性系からみても一定である、すなわち、光速度は不変である(光速度不変の原理と呼ぶ)」


 これが前提条件のほとんど全てです。相対性理論をかじった方ならよく聞く話です。この後、わからなくなったら、光速度不変の原理を前提に話を進めていたことを思い出して欲しいと思います。

 この原理を疑問なく受け入れてもらえればあとは、この前提に従って議論を進める応用問題です。応用問題の結果が自然と食い違っていれば、この原理は間違い、ないしは、ある適用範囲でのみ正しい近似則になります(特殊相対性理論は近似則です)。

 しかし、なぜ光速度は不変か?と問うことを禁止するのは健全ではありません。その答えとしては、マイケルソン-モーレーの実験を説明したり、電気と磁気の方程式、マクスウェル方程式が座標系によらず普遍的物理法則であるためには、光速度不変の原理が要請される、と私は答えるでしょう。ただ、脱線しないようにしましょう。私の答えからあなたは、光速度不変の原理は、他の何かもっと深くてわかりやすい原理から導き出されるのだろうと思うかもしれません。しかし、私は、そういいたいのではなく、既存の一つの実験に支持されて、既存の一つの理論を補強できると言ってるだけで、これだけで光速度不変の原理がいつでも正しいという訳にはいきません。さらに光速度だけが普遍で、速さが遅いと私たちの日常を現す、そのような自然を矛盾なく記述する必要があります(自然の記述には数学を使うのが一般的です)。でも、二つの事象を解決できそうなので、光速度不変の原理には自然法則の前提条件とする価値があるんじゃないかな、この前提条件を定式化すると自然の振る舞いはどうなることになるか調べる価値はありそうだと言いたいのです。すると、光速度不変の原理は、わかる、わからないの問題ではなく、とりあえず受け入れてみましょう、という話になるわけです。あなたが光速度不変の原理に懐疑的で、実験結果があなたの懐疑を指示すれば、光速度不変の原理は、ゴミ箱いきか修正要になります。その反対ならば、いくら気持ち悪くても光速度不変の原理を受け入れなくてはなりません。

 相対性理論に限らず、科学はえてしてそういうものです。


*特殊相対性理論の構築に関わったアインシュタイン、ローレンツとポアンカレにとっては、光速度不変の原理は、彼らの思索によってたどり着いた帰結かもしれません。しかし、特殊相対性理論が完成されたのちの私たちには、光速度不変の原理を前提にしてしまうことができます。すると、不思議な結果が現れざるをえないことを認めざるをえません。

 この理論の構築者の思索をたどるのは面白いです。しかし、このシリーズでは深追いしません。

*前提条件としてもう一つ、「物理法則はどんな座標系からみても同じ」があります。が、ここでは、光速度不変の原理の結果そうなることを説明します。もちろん、私もこの前提条件は重要に思います。


多分、ちまちま更新します。


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