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3、王都脱出 2

僕は盾と銛を構え目の前のセバスと睨み合う。


「強そうな人だ」

「私の能力で情報を共有してあげるね」


ジェットがセバスを見て強そうだといい、チャイが情報を共有する。


名前:セバス

種族:人間 Lv15

職業:騎士団長 Lv15


HP 200/200 MP 20/20

STR:55

VIT:70

AGI:40

DEX:20

INT:45


《装備》

【騎士団長の鎧】【騎士団長の小手】【騎士団長のズボン】【騎士団長の靴】【血濡れの大剣】【呪怨の大盾】【聖印の首飾り】


《スキル》

【大剣術Lv3】【大盾Lv4】【鑑定Lv3】【暗視Lv2】【暗殺Lv4】【隠密Lv4】【疾走Lv2】【魂喰Lv10】【狂気Lv7】【女神の神罰Lv8】


《称号》

【殺戮者】【狂信者】【女神の仇敵】


「凄いステータスだね」

「突っ込み所が多過ぎるな。本当に騎士なのか?」

「騎士というよりも暗殺者とか殺し屋の方が合ってる様な気がします」


セバスのステータスを見てジェット達がそれぞれ感想を漏らす。


「当たり前だ。そいつは騎士とは名ばかりの殺し屋集団のまとめ役だった男だ」


僕の隣りにティスカ様が立っていてセバスを見る。

セバスはその顔を更に怖くして、ティスカ様をじっと見る。


「元は『虐殺部隊』と呼ばれたレイバラン王国の暗殺部隊。その活躍から騎士団の称号を与えられた殺し屋集団で所属していたのは快楽殺人鬼や死刑囚ばかり。任務は邪教徒や魔物の討伐になっていたが、実際は関係ない大勢の人間を己の快楽のままに殺して来たクズ野郎だ」

「この人、そんなにやばいの?」

「エルフやドワーフだという理由で邪教徒にして長い拷問をした後に殺す様な奴だぞ。セクアスに罰を受けてステータスの殆どを失い本来ならそのまま衰弱して死んでいたはずだが、他者の魂を喰らい命を延ばす禁術に手を出してるとはな」

「セクアス様の名をその汚い口で呼ぶでは無い!これはセクアス様が私に更なる邪教徒達を消せと試練として与えた物だ!」


ティスカ様がセクアスという女神様の名前を言った瞬間、セバスが目を血走らせて叫ぶ。


「この試練を乗り越えれば、セクアス様は私に祝福をされるのだ!」

「完全に狂ってやがる………」


セバスはその後も何かを言って騒ぐ。

その様子を見ていた僕でも、危ない人だというのが分かった。


「何を言っているのか分からないけど、要するに女神様に怒られるくらい悪い人なんですね!」

「そういう事だから、私からの初めてのお願いだ。今からそこのクズ野郎を倒してその汚れた魂を天に返してやれ!」

「分かりました!」


僕は一瞬でセバスとの距離を詰める。セバスは慌てて盾を構えようとするが、それよりも早く僕の拳がセバスの腹に当たりその体を吹き飛ばす。


「ぐうっ!不死の化け物が!」


セバスは大剣を構え突っ込んで来るが、体を反らし避けその隙に顔を狙って銛で突きを放つ。セバスはそれを盾で受け流し距離をとろう動いた所を頭を掴み地面に叩き付ける。

そのまま倒れたセバスに拳を振り下ろすが、セバスは拳が当たる前に地面を転がり逃げる。


「私のステータスが下がっているとはいえ、生まれたばかりの不死に負けるわけが!」

「よそ見は駄目ですよ!」

「舐めるな!」


一気に距離を詰めてセバスに攻撃を仕掛けるが、セバスの姿が突然消えて僕は驚いて止まる。

しばらくその場に止まって周囲を確認していると、目の前の景色が一瞬だけ歪んだのに気付く。すぐに分からなくなってしまったが、僕はすぐに体を後ろに捻り盾を構える。

さっきと同じ様に景色が歪み何かが盾にぶつかる。

反撃に銛で突きを放つが手応えは無く、僕はまた動かずに周囲を確認する。


「そこだ!」


僕は銛を構え何も無い場所に向け投げる。

銛は真っ直ぐ飛んで行き空中で浮いたまま止まる。銛に付いた縄を掴み力を込めて引っ張り地面に叩き付けるとセバスの姿が現れる。


「がはっ!」

「見付けましたよ!」


縄を操りセバスを僕の前に引き寄せ拳を叩き込み、姿が消えれば銛を投げて貫いた所をまた引き寄せる。

弱体化しているとはいえ、Lvは10以上のセバスのステータスは硬く。HPを減らすのに時間がかかった。


「何故だ!何故私の位置が分かる!見破るスキルを持たないのに何故私が見えているんだ!」

「分かりますよ!あなたに苦しめられた人達があなたの場所を教えてくれますから」

「な、何故、お前達がここにいる!く、来るな!私に近寄って来るな!」


その瞬間、セバスは悲鳴をあげて地面を這うように逃げ始める。


「何が起こっているんですか?」

「あいつは今まで自分が殺した怨みを持つ者達の姿が見えているんだ」

「こんな感じで見えるんですよ」


僕は右手をセバスに向ける。骨の手から滲み出る様に蒼い炎がゆっくりと灯り飛んでいく。

炎がセバスに触れると彼の体を掴み這い寄っていく無数の人達が現れる。怨みを言う下半身の無い騎士に目が無くなり嘆き悲しむ妊婦、全身を切り刻まれ痛いと叫ぶエルフの少女。

彼等はセバスの名前を呼び、逃げるセバスを追い続ける。その光景を前にプレイヤーもNPCも誰1人として動け無くなる。


「今、解放してあげますね」


僕はゆっくりと右手を握る。その瞬間、静かだった炎が激しく燃え上がる。

騎士達がセバスの手足を掴むと引きちぎり、目の無い妊婦が小さなナイフでセバスの右眼に突き刺す。


「離せ!止めろ!止めろぉぉおおお!」


彼等はゆっくりとセバスを呑み込んで行き、真っ黒な炎へと変わる。セバスの声が聞こえ無くなると彼等は消え去り、セバスの鎧や武器だけが残されていた。


「ティスカ様、僕やりましたよ!」

「よくやった!初めてだがちゃんとスキルを使いこなせているな!」


ティスカ様が誉めてくれる。

それと同時に扉が壊れ、魔物プレイヤーが一斉に脱出する。


「良し!後は脱出するだけだ!」

「はい!」


僕も後に続こうとするが体が動かない。

スキルの反動で5分間だけ体が動かなくなる事を思い出した。


「すっかり忘れてたな。スキルを使うと動けなくなるんだった」

「どうにかならないんですか!」

「プレイヤーが集まって来る!」


スイとチャイが慌てる。

プレイヤー達が動かない僕を見て集まって来る。


「誰か手を貸してくれ!」

「おう、俺に任せろ!」


あの時に壁になって魔法使いのNPC達を倒した石で出来た魔物プレイヤーが現れ僕を背負って門に走る。

飛んで来る矢や魔法を彼の仲間とジェットが防いでくれる。そのまま僕達は扉を通り抜け王都からの脱出に成功した。

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