第27話懐かしの里と帰還
ん〜なんか作者自身のせいで主人公が全く出てこない状況になってしまった。申し訳ありません!もうすぐで出そうと思って居るのですがなかなか話が纏められず、情けなくて申し訳ない。
休息を終えてから1時間半ほどすると、木でできた門が見えてきた。
それは年季が入って居るようで、苔で覆われていたので遠目からは何かよくわからなかった。しかしそれを目の前にすればそれが門であるということに気づく。
「一体どれほどの月日が流れればここまで…」
横でクリスがテレスと同じことを思ったのか口に出していた。その門は大きく2人で見上げていた。
「ここは千年以上前からある木の門」
その言葉にテレスは相当年季が入っているのだと改めてこの門を見やる。
(それに何故か懐かしいような気が…)
苔に覆われた門をもう一度見る。千年間腐ることなく佇む門に既視感を覚える。しかしそれはないとすぐに顔を振る。
「じゃあ、入るぞ」
そルクスはそういうと先程の滝つぼの時と同じように苔に覆われた門に触れると自然とその門は開いた。そして先に入る2人に着いていき門を潜った。もんから少しだけ道が続き、そこを抜けると直ぐに広い場所に出た。そしてそこがエルフの里だと言うことがわかった。
エルフの里、そこは本当に凄いところだった。人間が暮らすような街や村とは違い、石やレンガを使うのではなく、森の木々を上手く利用して木だけで作られていた。この里の家は低いところには作られておらず全てが高い位置にあり、ほとんどが橋で繋がっている。地面に着いたものは集会所などと思われる。集会所にだけ太陽光が届いており、そこだけが明るかった。
そうしてエルフの里を見渡していると近くを女性が通った。緑色の髪をした女性が通った。手に濡れた服の入った籠を持っているので服を洗濯しに行っていたようだ。
その女性は最初、テレス達に気づかなかったものの途中でルクスが声をかけたことで幸いにもこちらに気づいた。
「あっおばさん…」
そう言ってルクスはここで初めて深めのフードを脱いだ。顔はチラッと見えている時もあったが髪色を捉えたのは初めてだ。髪の色は女性の深々とした森を連想とさせるものとは違い、もっと浅い黄緑に近い色をしている。髪は全て後ろで纏めていたようでそれで髪が見えなかったのだと思われる。
「ん?あれ、ルクスちゃん、帰ってたのね!あなたいきなり出ていくから皆心配してたわよ?長老が怒ってたから後でお話ね」
「げっ嫌だなぁ」
「仕方ないわ。でも無事に帰って来たんだから後で皆でごは…」
途中まで言いかけた言葉は、ルクスの隣に来たリオに目がいくとその言葉を吐くことさえ忘れたようでその口をパクパクさせていた。かなり驚いていたようで目を見開き、手に持っていた籠を地面にゴトっと言わせて落としてしまう。そしてその手は口の前まで来て、信じられないものを見たかのようにリオを見ていて涙を流していた。
「あなたリオなのね!?本当に?本当に貴方なの?」
「うん。ただいま、お母さん。私帰って来たよ」
「ああ、リオォー!!おかえりなさい!!」
どうやらリオの母親だったようだ。リオの母は震えた手でリオを抱きしめると感情が決壊したように多くの涙を流す。それに合してリオも女性ほどではないが涙を浮かべている。流れる前にリオは涙を拭き取ってどう来たらいいか分からないのかテレス達の方を見てくるのだがテレス達はテレス達で微笑ましくその状況を見ていた。クリスに至っては貰い泣きしている。2人の間で暑苦しくなったのか抱き抱えられていた八重香が逃げ出していた。そして直ぐに物陰に言ってしまった。
2人の、と言うよりかは女性の鳴き声が響き、伝わってしまったのか上にある家から続々と人が出てきてこちらに来てしまう。なんだなんだと行って野次馬が少しずつ増えてくる。金髪の人や青い髪の人、赤い髪の人など様々だ。リオの金髪である程度着いていたエルフへの偏見は崩された。リオを見ただけでエルフが皆金髪だと思っていた自分が恥ずかしい。
そうしてエルフの方々が集まってくるとリオの存在に気づいた。
「リオでは無いか!帰ってこれたのか!」
「リオちゃん帰ってこれたのね、良かったわ」
「良かった。本当に良かったよ」
エルフの人たちはその微笑ましく、感動的な所に口々に思いを言って来る。結構な人の数になり、気づかれてすらいないテレス達はそこに突っ立っている。
するとルクスがその様子に気まずそうにしながらリオ達とは違った金髪のエルフの女性に声をかけると足早にそこから立ち去ろうとしていた。
「あっおい、どこに行くんだ?」
クリスが気づいて声をかけるがそれに答えることも無くまたフードを深く被り直して消えていった。
どうしたのだろうかと首を傾げて疑問符を頭の上に出していると先程のルクスが話しかけていた女性がこちらに来ていた。
「あなた達、ルクスから話は聞いたわよ。リオちゃんをこの里まで送ってくたんですってね?ありがとう。どれだけお礼をしても足りないくらいだわ。あっそうそうそちらの方は怪我をしているようね?…思ったよりも酷そうだわ。貴方は早く横になって体を治さなきゃね」
「えっ?ちょっと待ってください!私はこの方の護衛を…」
「それなら余計に早く治さないとね。そんな体だったらそこの娘も心配してしまうわ。守るべき人を心配にさせるなんてダメよ」
「それは…」
「クリス、行きましょう。そして速く直して私を守ってくださいね?」
「……はい」
クリスは不服そうにしながらも返事をした。
「ふふ、なら直ぐに行きましょう。あら?あなた…」
「あの、どうかなさいましたか?」
「いいえ、何もないわ。ごめんなさいね」
そういうと女性は直ぐにクリスを連れて行った。それにテレスはついて行こうとするがそこで誰かに呼び止められた。その間にもクリス達は行ってしまった。
「ほほほ、娘さん。すまぬが診療所は今手一杯での。悪いがここは宿を用意するからそちらで待ってくれぬか?」
振り向けばそこにおじいさんがいた。それと近くに護衛と思われる2人の赤い髪と青い髪の人が付き添っている。おじいさんは髪は白く染ってヨボヨボしいがどこか威厳がある感じがした。しかしそれと同時に優しい雰囲気を出していた。
「えった何かあったのですか?」
「ここ数日、バジリスクの襲撃が何度かあってな。診療所も狭いからここはどうか我慢しておくれ」
「そうですか。……それなら仕方ありませんね」
少し無理やりな気もするが一応は納得して見せる。
「長老、自己紹介が」
「おお、そうじゃった。わしはこの里の長老をしておるルグランと言う。気軽に呼び捨てで良い。ほらお主らも」
「初めまして。私は長老の護衛をしております。ミルスと申します。」
「同じく、ラキスと申します」
3人は挨拶の後で頭を下げる。どうやら赤い髪の人がラキス、青い髪の人がミルスというらしい。、
「これはご丁寧に。私はテレスティナ・アレフテストと申します。少しの間でございますがこの里に滞在することをお許しください」
テレスは深く頭を下げた。今来ているものはドレスではなくズボンなのでスカートを掴むことはなかったが片手を胸に乗せてもう片方を広げる。そして片足を後ろに下げて腰をおって挨拶をする。薄々は感づいて居たものの気軽な態度に驚きながらも自身の知る礼儀正しい挨拶をする。
「礼儀正しい王女様だ。そこまでかしこまる必要はない。大丈夫、元からそのつもりじゃよ。もしお前さんらを追い出せばわしが怒られてしまうからの。ミルス案内を。今は長旅で疲れておるだろうから後日またお話を。ではごゆっくり」
「寛容な持て成しに感謝致します」
「では姫君、こちらに」
ルグランはもう1人のラキスを連れてリオたちの方へと向かった。自分もリオに何か会うべきかとも考るのだが邪魔は出来ないと思って向き直る。
テレスはミルスに連れられて木の大きな階段を登る。周りを見てもほとんどが家から出ているが明かりが着いていたりして人の気配はある。里にある木は大きく、森で最初に見た木々とは比べ物にならないぐらいに大きい。
そうして階段を登り、橋を渡って案内されたのは他の家よりも少し大きめの家だった。
「こちらが宿になります」
「わぁーこのような場所、本当によろしいのですか?」
中は綺麗で家具も整っている。所々に花の装飾があり、木々のいい匂いまでする。素敵な場所だと思う。
「ええ、長老からはここをあてがうように聞いております。お連れの方も治療が終わり次第、ここに案内させましょう。療養もできるように容易は致します。後は部屋の確認を…」
そうしてミルスはこの家の説明を丁寧に行った。わかったのは部屋が全部で3つ。リビングになるところ、寝室、そしてお風呂とトイレの併設したところ。
ミルスは案内が終わるとテレスに頭を下げて用事があるということで直ぐに帰って行った。部屋にある消耗品は全て勝手に使って良いということなので水を飲んで一息する。
(ここまで自分のことを1人でする王女は私だけでしょうね)
そう自嘲気味に考えると近くにあった大きめの椅子に座った。座り心地はよく少しづつだが眠気が襲って来た。クリスが来るまでは起きていようと思っていたがそれは無理そうだった。
外を見るために窓を見ているとそこから八重香が入って来た。どうやらあの後に私に着いてきたようだ。住民にバレないようにするのは大変だったと言っていたが隠すことがあるのだろうか?どちらかと言えば面倒くさかっただけだろうと思う。八重香はそのまま部屋にあったソファーに寝転んだ。
テレスはそれを眺めながらゆっくりと目を閉じる。
まだ日がくれていないはずなので今寝るのもどうかと思うが仕方がない。クリスとルーナがここにいることを想像しながらテレスは目を閉じた。
ここで紫苑パートに入って良いのだろうか。中途半端にならないだろうか。次か後1話投稿したら紫苑パートに入ろうと思います




