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鬼神剣客伝【改訂版】  作者: 春好 優
第2章隠れ里
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第21話誤解

「貴様!覚悟を出来てるんだろうな?」


いつもよりも低い声を出して、何故か桃色の髪が風もないのに上がっている姿のクリス。彼女は殺気を出してその怒りをあらわにしていた。

八重香もまた切れているのか歯を剥き出しにして相手を睨む。守りは万全、テレスに傷などが出来る隙など存在しない。

そんな中で唯一相手を止められそうなリオはと言うと。思わずの出来事により、固まっていた。自分の仲間が相手の話を聞かずに攻撃してきたのだから言葉が喉につまり、固まってしまうのは仕方がないことだ。そこで直ぐに自我を取り戻して、相手に訳を話そうと口を開こうとした。


「あ、あの「すまないがリオ殿、自分の主が狙われたのだ。黙っていられない」で、でも!」


相手を止めようとしたリオの口をクリスが言葉を被せてそれを邪魔する。今、クリスは相手に対する怒りにより既に闘争心が限界まで来ているのだ。完全に戦う気だ。そんな彼女にリオは言葉が出てこず萎縮した。


「クリス!それはなりません!話せばわかるはずです!」


「お言葉ですが、彼は完全に敵対しております。それにご安心を、殺す気はありませんので」


「そういう意味ではありません!クリス?聞いているのですか?クリス!」


主の言葉ですら聞く耳を持たないクリスはそのまま相手に向かって行こうとする。それをリオ、テレスは止めようと動くが八重香に止められた。それにびっくりして八重香の顔を見るのだが。動物の顔で悪い顔をしていた。


(安心しぃや。あの子ならあれぐらいのやつは倒せる)


念話で語り掛けてくるテレスはそういうことではありません!と思って八重香を睨む。だが、そんな目線ですら八重香は動じなかった。


「貴様!降りてこい!その勘違いした頭を正してやる!だから正々堂々と勝負しろ!」


「ふん!人間が正々堂々などと口にするな!我らエルフを苦しめて来たお前たちは必ず卑怯な手を使うに決まってる!」


どちらも譲らず、どちらも怒っている状態。確かにエルフからしたら人間とは嘘を簡単につき騙し、自分たちを奴隷として扱うものだと言う認識なのかもしれない。


「侮辱するな!私はそんなことする気もない!それともなんだ?私と戦うのが怖いから上で弓を使って私達を遠くから狙うのか?それは貴様の言う卑怯ではないのか?それがエルフのやり方か!」


「良いだろう!そこまで言うなら勝負してやる。ふっ、どうせ口だけなんだろ?負けても後悔するなよ!」


木々の葉っぱ達がザワザワと揺れると黒い影が木々の隙間から現れて直ぐにクリスの近くに飛び込んでくる。深いフードを被っていて容姿は分からない。しかし声で男だと言うのがわかる。

降りてきたエルフは弓と矢を捨てると腰に下げていた中型の短剣を腰に下げる鞘から引き抜きクリスに向ける。探検の長さは約50センチ程でクリスの剣の約半分ほどだ。


「泣いて後悔しても遅いからな?お前など一瞬で殺れるぞ」


「その言葉そっくりそのまま貴様に返すぞ!私が負ける要素など一切ない」


クリスは剣を構え相手に向ける。エルフもそれにより腰を下げての逆手持ちの短剣を構える。2人は一気に集中してお互いに動きを止めて隙を伺う。ここでもし大きな動きを見せれば一瞬のうちに反撃をくらいやられてしまうだろう。

一触即発の空気の中で2人は目線を互いから離さずに警戒をする。

テレスとリオはもう介入できないと思い仕方なくこの戦いを見守ることにして静かに見ていた。

スゥーと音が鳴る。呼吸と小さな風が吹いた時、先に動いたのはクリスだった。

数日前、彼女は生き延びるために鎧を来ていた。しかし今は既に鎧はなく、クリスは新しい服を来ている。彼女は鎧が枷になっていたかのように先日よりも動きが良い。

そしてその手に握る剣をそのまま相手の胴に向かって振るう。このままでは殺してしまいそうだが、一応テレスの言う通り傷つけないように魔力を剣に流す。普通ならこれでは威力と切れ味が上がってしまうが、クリスはいつも以上に魔力を流して硬質化させる。そのおかげで剣の刃を無意味にしたのだ。普通なら鞘をつけておけと思うかもしれないがただ単にクリスは先程までの殺意でそこまで考えていなかっただけだであり、咄嗟に少しだけ冷静になって主のために殺さないようにと思ってのことである。才能の無駄遣いである。

そうして剣が胴に当たりかけた時、エルフは咄嗟に動いて、何とか剣を防いだのだ。しかし、それは本当にギリギリであり、フードの中から見える目は見開いているのがわかる。ということは本当に危なかったようである。だが、攻撃はそれでは収まらずにクリスは何撃かを相手に打ち込んだ。相手もそのリーチの短さによる動きやすさでクリスの剣を防ぐが全部は防げずに数撃を食らう。エルフは倒れそうになりながらも何とか留まりクリスに反撃をする。今度は油断のようなものをせずにその身に何かの力、おそらくは理力を纏い、反撃をする。理力を纏ったおかげか先程の剣を防いだ時よりも速くなっていた。お互いは1度止まりまたお互いを睨み合う。

今度は先に動いたのはエルフの男だった。理力を纏った体でアクロバティックに動き、周りの木々を使いクリスに襲いかかる。その速さは相当なもので、先程のクリスよりは速くなっている。

木々の上から襲いかかったエルフはそのままクリスの脳天目掛けて短剣を振り下ろす。エルフの脳裏には明確にクリスの頭をかち割る未来が見えているようだった。その未来を辿るように剣を振り下ろす。だがしかし、突然にも一瞬でその攻撃は無に返され、カウンターをモロにその身に受けてしまった。魔力を纏っていたのは先程までも一緒だったので、この速さはおかしいことであった。カウンターを食らったエルフはそのまま飛んで行き、そのままころがった。


「くっ!なぜ人間がここまで速く動けるんだ?おかしい。」


「ふん!さっきまでの威勢はどうした?こんなものなのか。貴様の実力は」


「う、うるさい!お前ぐらい俺は簡単に倒せるんだ!」


「フッ地面に転がっている貴様が何を言っているんだ?我が主を傷つけるなら容赦はしない」


クリスはゆっくりと剣を下ろしながら相手に近づく。ゆっくりと進むその姿は騎士よりも処刑人と言っても良いぐらいだ。

クリスがエルフの前に来ると、そのまま相手を見下ろした。







「両者そこまでです!これ以上の戦いは一切許しません!」


クリスがゆっくりと近づいて行く姿を見て、このままではクリスが騎士としてのことを放棄するのではと怖くなったテレスはそのまま止めている八重香を持ち上げてリオに渡すと走り出し、そのまま2人の間に立ち塞がった。自分のために怒ってくれることをテレスは嬉しいと思いながらも自分のせいで騎士としての彼女がいなくなるのではと思うと悲しくなっていた。もちろんテレスはクリスが騎士道に反したことをする気がないとはわかっていた。殺す気がないのは魔力の扱い方でわかる。しかし、暴走したクリスをこのままにしておくのはダメだとテレスの勘が訴えていた。


「そ、その通り。これ以上は無意味な戦い。辞めるべき!」


後ろから八重香を抱えたリオが小走りで近づいてきてテレスに賛同する。抱えられた八重香は少し不服そうにしているものの大人しくしている。

そんな2人の訴ええもあってかクリスは少しずつ冷静になってそのまま2人を見た。


「て、テレス様、申し訳ありません」


「いいえ、私のために怒ってくれていたのは嬉しかったのですよ。ですが、やりすぎです!話し合いで解決できたものをあのように…もうこれ以上はダメですよ?」


「は、はい。申し訳ありません」


相手を倒したことで怒りが収まったのか先程と違い萎縮している。飼い犬が主人に怒られた時のように見えない尻尾がだらんと下がっているように見えるほどだ。

そんな2人と同じようにリオが、すぐそこで起こっていることに身を見開いてどういうことか理解出来ずにいるエルフに近づき見下ろす。


「貴方もいきなり攻撃はダメ。弓の方が得意のくせに、相手の挑発にのって近接に移るのは馬鹿。自信過剰もいいところ」


「誰が馬鹿だ!ってその声もしかしてリオか?何故拐われたお前がここに?まさかここの場所を人間に教えるように脅されて…」


「違う!2人は私の恩人に頼まれて送ってくれた」


「本当か?騙されていないのか?」


「…仲間でも私の恩人を侮辱するなら許さない」


「わ、分かったから落ち着け。俺が悪かったからな?」


「謝るのは私じゃない。あっち」


体に着いた土を払いながらエルフは立ち上がる。そしてリオのむく方向を釣れて見た。そこにいるのはテレスだった。そこでリオの言われた通りに謝ろうとしたのか口を開こうとしてそのままテレスを見て口を開けたま固まった。


「どうかした?」


「いや、何でもない。それよりも先程はすまなかった。話も聞かずに矢を射ってしまって」


エルフは先程よりも物腰柔らかく頭を下げた。


「いいえ。私達も申し訳ありません。ほら、クリスも」


「…申し訳ありませんでした。私もやりすぎました」


(これは…納得していないようですね。私が強ければもっと上手く対応できたのでしょうか?)


不服ようにするクリスに苦笑いを浮かべながらテレスは思案をした。そこでひとつ思い出し口に出す。


「そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前はテレスティナ・アレフテストと申します。そしてこちらが」


クリスが1歩前に出て誇り高そうに言う。


「私の名はクリスティン・アルセフト。テレス様の騎士だ」


「ご丁寧にどうも。なら俺も自己紹介をさせてもらおう。俺はルクス。森の民のルクスだ。こいつ、リオの従兄弟ってとこだ。よろしく。……ところでどこかで会ったことないか?」


「?今日が初めてですよ」


「そうか。すまない。変な質問をした」


頭に疑問符を浮かべながら1人で考える男を、テレスは見る。よく分からないがテレスは、彼の知っている誰かに似ていたのかもしれない。


「ルクス。彼女たちを里に案内したい」


「分かった。だが今は里の皆気がたっているから気をつけろよ?さっきの俺みたいにやってくるぞ」


「そんなことするのあなただけ」


「うるさい。とっととここから離れよう。今のこの森は危険だ」


2人は仲のいい兄弟にのように移る。だが、抱えられている八重香は機嫌が悪そうだった。そんなことにも気づかずに3人はルクスを戦闘に進み始めた。

だがここで終わることはなく、突然木々の間から巨大な蛇が出現してしまったのだ。


あのまま弓で木々を使って戦ってたらルクスくんが勝ってたかもしれないのに誰かさんのせいで負けましたね。

誤字脱字などありましたらいつでもご報告ください

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