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鬼神剣客伝【改訂版】  作者: 春好 優
第2章隠れ里
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19話

街から逃れて数時間日も暮れて森は昼間とは別の世界になっていた。昼間は木々の間から森を照らす日差しはそれだけで周りを明るくし進むべき道を照らしていた。しかし夜になると月光が太陽の代わりに森へと光を注ぐのだが弱い光のためにそこまで明るくなることは無かった。けれど木々の間からさす光は幻想的な光景を作り出していた。

夜になると昼間とは違い強い魔物が姿を表すようになる。それも相まってテレス達一行は日が完全に沈むと野宿の準備をし始めた。野宿と行っても紫苑が居ないためにそこまでの物を求めることは難しかった。そんなことを思っているとリオが木々に話しかけるように呪文を唱えると木々が変形し始めてテレス達を隠すように木々が周りを覆い始めた。しかも天然の布団と呼べるような物まで植物で作られていた。枕のような大きな綿に大きな葉の布団は普通の野宿よりも豪華なものであった。

その時にテレスとクリスはリオに聞いたのだがどうやらエルフの力のようでここまで来るのに一切魔物に会わなかったのもその力で植物に教えて貰っていてそうだ。力の高い人は頼むのでは無く操ることが出来るらしい。この力があったからこそ紫苑はリオに頼んだと理解する。クリスもその話を聞いて凄いと言った後に出番がないと苦笑いしていた。

そんなおりにリオがテレスに近づいてきた。何かと思ったテレスは少し首を傾げながら疑問符を頭に浮かべる。そんな様子のテレスをリオは頬を赤らめながら目を合わさずに口を開き始めた。


「あの、えっとその、あの人から頼まれて」


未だに自分達に慣れていないのかそれともテレス自身に何かあるのかは分からないがそれでもリオの恥ずかしそうに話すその姿に思わず微笑みを浮かべてしまう。流石に頑張って話そうとしているリオに申し訳がないと思うのだがそんなことも目線を違う方に向けるリオには気づかれることもなかった。


「少し落ち着いてください。話はしっかり聞くので大丈夫ですよ」


テレスがそう言うとリオは話すのを一旦やめて深呼吸をし始めた。した回数は数回でその間に落ち着いたのか今度はちゃんとテレスを見て話出した。


「別れる前にあの人から頼まれた」


「紫苑様にですか?」


「そう。貴方に力の使い方を教えてあげて欲しいって」


「えっとそれは貴方が霊気を使えるということですか?」


「少し違うけどそう思ってくれていい、です」


どういうことなのかとテレスは考える。エルフに関する情報は少ない。書庫に入り浸っていた時期でも精霊やエルフに関する情報は少なかったし紫苑が話していた7種の力のこともあの時に初めて聞いたのである。

だからこそ自身の持つ霊気という力の使い方をリオが教えてくれるということに思わず聞き返してしまった。しかしよくよく考えればおかしいことではない。なぜならエルフとは精霊に祝福されし種族であると言われているからである。なら自身の力を扱えるようにするために教えてもらえるのなら嬉しい限りである。

テレスは考えを固めてうんと頷くと笑顔を持ってリオにお願いしよう口を開いた。


「喜んでお願い致します。リオ様」


「うん!」


不安そうにテレスの返事を待っていたリオは返事を聞いて嬉しそうに満面な笑みを浮かべていた。


「えっとこの世界にある力は知ってる?」


「確か魔力や霊力などの7つの力のことですよね?」


「うん。じゃあ基本の属性のことは知ってるんだ。じゃあまずはその外側の力に着いて教えるね」


そうしてリオの講義が始まった。

リオの話によるとこの世界にある力は紫苑が話していた力以外にも種類があるそうで元々ある基本の属性と言うものを2つ合わせることで出来るそうだ。例えば今回リオの使った力は霊気と霊力を合わせることで出来る理力と呼ばれる力だそうだ。この力は元々霊力と言う力を扱っていたリオの御先祖様が精霊神の祝福を受けることで霊気を扱えるようになりその過程で体の中にあった霊力と霊気を作り出す擬似器官が合わさり理力が生まれたという。だが新たな力を得ると共に霊気と霊力は扱えなくなり今に至る。また他にも精霊神ではなく、魔神から祝福を受け、魔力と霊力が合わさり、呪力と言う力を手に入れたダークエルフという種族もいて魔王の領地に住んでいるそうだ。

そうしてエルフは理力と言う力を身につけたという。つまりエルフであるリオの持つ理力と言う力は半分は霊気と言う力であるため似通った力を使えばテレスの力を活性化させることが出来るし扱い方もまた似ていることからテレスの修行にはうってつけということである。


「説明はこれぐらい。テレスの霊気の擬似器官は活性化してる。だから、はの力を感じ取ってもらうところからやろう」


「分かりました」


リオはテレスの背後に回ると背中に手を置いた。手を置いた先から青色の力、理力が流れるとテレスの体に流されて行った。少し苦しそうにするテレスは少しずつ体に回る力を感じ始めていた。


(苦しい。けど何か体に流れる力と底にある力が同じ物のように感じる。もしかしてこれが霊気?ならこれを動かせば)


テレスは体の底にあるような力を感じ取ると自分の意思で動かそうとした。しかしなかなか動かせない。始めてやることなのでしょうがない。けれどそれでも自分の力を使えるようになりたい。守られるだけじゃなくて守れるようになりたい。そう思ってテレスはよりいっそう集中して励み出した。


「そろそろ辞める?」


「まだ行けます!」


開始から30分ほど経つとテレスの眉にはシワがよっていて汗も大分かいていた。苦しさも最初よりも上がっていてもうそろそろ無理と思ってしまう。リオもテレスの様子を見てもう辞めないと危険と判断したのか手を離そうとした時テレスの中の霊気が動いたのだ。気のせいかも分からなかったが手を話してみるとテレスの体から不要な力が排出され段々と銀色のオーラを出し始めた。


「嘘、もうこんなに!」


リオは思わず驚きの余り叫びそうになった。実際初めて扱うのに対して動かせる力が大きすぎる。テレスは自覚していないのかリオが離れたことにすら気づいていなかった。すると突然力は急激に衰え始めて直ぐにその姿は消え失せた。同時にテレスはバタッと倒れてしまった。余りのことに驚いて呆然としていたリオはハッとなると直ぐにテレスに近づいた。近づくと寝息が聞こえていたために気絶したと判断し、安心した。

クリスもテレスが倒れたことで心配して来たようでリオが気絶していることを伝えると寝床までテレスを運んで行った。それに続いてリオも寝床に行きちょうど横になったクリスの横に寝転んだ。葉っぱの布団を被りながらその目を閉じようとした。完全に目が閉じる瞬間リオの目には多くの光の玉を見た気がした。

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