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鬼神剣客伝【改訂版】  作者: 春好 優
第1章亡国の王女たち
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閑話リアの内心

とある街のとある病院で3人の若者が運び込まれた。1人は若い男性で、もう2人は若い女性であった。3人は狩人と呼ばれるギルドの人間だった。そのために男は剣を持つ剣士。女性のひとりは杖ととんがり帽などのわかりやすい格好をした魔法使い。そして弓を持つ狙撃手だった。

ここで補足としてギルドの説明をする。ギルドとはこの大陸にある特別な協会で大陸中に根を広げる国際機関のようなものだ。ただし国とは完全に独立をしている。そんなギルドには3つの部門がある。1つはモンスターの狩りを専門とする狩人。人との戦いを専門とする傭兵、これは特別で戦争の参加は認められている。普通なら禁止だが。採取や偵察などを専門とする探索者という部門に分けられている。これらはそれぞれ資格がある。別にギルド無しでもできることではあるがギルドに入る方が安定しての依頼があるし、ダンジョンと呼ばれる所への入る許可や無料での薬草やモンスターへの講義なども受けられる。また他にも報酬の上乗せなどその他もろもろの好条件があるためにギルドに入ることはこの大陸で当たり前となっている。このうち、街などに留まる人はこの中の1つでも良いのだが世界を旅するならこの3つの中から2つの資格は持っている方がいいと言われており、そのようなことが多い。

話は脱線したがこういう所に3人は所属していた。そんな3人なのだが今回、変異型の超強化ゴブリンにより負傷しての入院となった。

剣士の名前はジョシュと言い、ボスゴブリンにより負傷して片腕や肋、片足も骨折の状態で数日の入院となっていて既に足の固定や腕には既に包帯とギブスによっての固定が行われていた。

狙撃時はリアと言ってジョシュの仲間であり、弓の扱いが上手かった。彼女は比較的に軽傷で腕が無理をしたために強く痛んでいたがそこまで酷く無かったために簡単な回復魔法での治療で直ぐに治すことが出来た。

魔法使いはミルと言って仲間を助けるために魔法を限界まで使い、魔力がそこを着くくらいに使ったために体の魔力がからになったことによる昏睡で数日は起きないということだった。

しかしここは魔法溢れるファンタジーな世界。普通なら魔法なり、薬なりで直ぐに直せそうなものなのだが今治癒魔法が使える医師、薬師は街に入った帝国兵により集められていた。そのためにここにはまだ簡単な回復魔法が扱える看護師見習いがいるだけで医者や看護師はこの街の制圧時に怪我をした人達を治すために捕まっている。と言うのは建前で本当は反乱分子に貴重な回復源を渡らせないようにするためであった。

そのためにこの病院では今は簡単な手当てしか出来ない状況であった。この街に住む人間からしたらいい迷惑であるがジョシュとリアはそんな文句は思うものの生きていると言う事実を噛み締めていた。


「私達運が良かったわね」


リアが柔らかい声で言う。それは本当に安心したかのような雰囲気をしていた。


「ああ、そうだな。あの人が、兄貴がいなかったら今頃…」


そう言ってジョシュが思い浮かばるのはあの異国の服を来て自分たちの前に現れた1人の男。その姿は力強く、自分たちをあの怪物ゴブリンから助け、いとも簡単に倒してしまったのだ。自分が相手にすらならなかった相手を簡単に倒した姿は今もジョシュの心に残っていて、自分との力の差を無理矢理理解させられた。あのかっこいい男のように慣れれば、と思わず思ってしまうほどにはジョシュの憧れの姿になってしまっていた。


「…兄貴って何言ってるのよ。助けてくれたのはいいけど、私はあの紫苑とかいい男。いけ好かないわ。なんか秘密をいっぱい持ってそうだし。関わるとろくな目に合わなそう」


「はは、そんなこともないだろ。どうせリアはあの時言い返せなかったのを根に持ってるんだろ?」


「うるさい!怪我人は大人しく寝ときなさい!」


「はいはいわかったよ。でも病院では静かにしろよ。周りから見られてんぞ」


そう言ってジョシュは直ぐに自身のベッドに横になって目をつぶった。

残されたリアは周りの痛い視線に耐えられず、ジョシュに帰ると言って直ぐに病院を後にした。











あれからリアは直ぐに3人でシェアハウスをしている家へと帰り、水浴びをした後に直ぐに寝てしまった。ベッドに横になったリアは相当疲れていたようで直ぐに夢の中へと旅立ち、その家には可愛らしい寝息が部屋へと響いた。家はそこそこの大きさで3人で住むには十分な大きさだった。そんな家に1人でいるのは傍から見れば寂しいものだった。

次の日、太陽が真上になりかけるぐらいに起きたリアは慌てた。リアは朝早くに起きて、ジョシュ達の荷物の準備をして、お見舞い品を持っていくつもりだったからだ。というか約束をしていた。

時刻は10時。


(まだ、間に合うわね!)


リアは直ぐに着替えを済ませ、朝食を食べずにジョシュやミルの部屋へと行き必要なものをカバンに詰める。果物などを買っている時間は無いので直ぐに家を飛び出し走り出す。もちろん鍵をかけるのを忘れない。

そして飛び出し街をかける。街の中ではいつものような活気はない。いつも見る服屋の人、武器屋の人、薬屋の人などが見てリアに挨拶をしてくれる。それに答えながらもリアは足をとめない。そうしないと間に合わないからだ。

そうして病院に着き、ジョシュに会うと笑われてしまう。それも大笑いだ。汗をかいて、必死な表情を見せるリアに珍しくしっかり者の彼女か寝坊した様子に思わず笑ってしまっての事だった。

そんな様子のジョシュにリアは必死になった自分が馬鹿らしくなりムスッとしてカバンを投げつける。怪我人であるはずなのだがその乱暴な扱いにジョシュは非難するがリアは何処吹く風である。

その後、看護師の方に怒られてしまい、少し落ち込みながらも見舞いの品を買いに街へと出たのだかそこで近道と思って裏道を通ったのが間違いだった。裏道を抜けた先には何やら騒がしかったためにゆっくりとその先を覗き込んだ。するとそこには血を流す帝国兵と帝国兵を圧倒する恩人(嫌な奴)と女性達がいた。女性たちは服装がしっかりとしたものへと変わっていたがあの美しい容姿や特徴的な髪を見間違えるはずが無いとリアは考えた。何があったのかと少しの間、様子を見ていると段々と状況がややこしくなっていき、関わりたくないと思って引き返そうとするが遅かった。どうやら恩人である紫苑(クソ野郎)には気づかれていたようで何故か巻き込まれた。しかもこの街に抜け道があると確信してリアに彼女たちの案内をさせたのは勘なのかわかってなのかは分からなかったがどちらにせよいけ好かなかった。心の中では悪態をつきながらも女性たちへはそこまでの敵意は湧かなかったので助けることにした。


(別に保護欲が湧いた訳じゃないし。ただ、昨日の恩を返すだけだし。でもまああのいけ好かないやつは嫌だけどこの子達ならいいかな)


彼女達の先を進みながら内心では甘く、口からも紫苑よりかは甘い。紫苑は恩人()で彼女たちはその仲間(普通)である。そんなおもいとともに昔からの馴染みある人たちの元へとリアは進む。

家族のような人達の元へと向かうと彼女たちは裏切られたのかと心配したようだがここはリアの大切な家族のような兄弟のような友がいる場所。直ぐに誤解は溶けるだろうと思い、違うと言って人を呼ぶ。

そして彼女たちは警戒しながらも出てきた兵士の人の良さを感じてか柔らかくなった。

久しぶりに見た抜け道の存在を使い彼女たちは街を出てそのまま森へと向かっていった。森は危険なところであるために心の中で無事を祈る。しかし一切あの男のことは心配しない。紫苑(馬鹿)はどうせ無事だろうと思っているからだ。

そんなことを考えているとルーカスが話しかけてきた。


「いやぁ、それにしてもリアが人助けとはお見逸れ行ったぜ!何さお前はジョシュ以外に関心がないと思っていたんだがな」


「たまたまよ。だって私たちはあの娘達に助けて貰ったわけだし、頼まれたから恩返しの代わりよ」


「そうゆう事にしとくよ。あの子、その中でもなんか姫さんポイ娘、気に入ったんだろ?」


「…あら、そんなことはないわよ?ルーカスさん?」


「…痛いぜリア」


リアはルーカスの脇を抓りながら圧をかけた。そのおかげがルーカスは降参だと言って仲間の元へと戻って行った。


「あっ果物買わないとね」


リアは思い出したかのようにすぐにこの場を出て商店街へと向かった。

この後、紫苑達が街を出たと言ったらジョシュが落ち込んでいたのは別の話。

これはツンデレなのかな?

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