俺のほうき
「レグルスには退屈な話だったな」
俺は首を横に振る。
「そうか暫く付き合ってくれ」
そういうと、陛下に向かって、
「アトリア、この冒険者組合は誰が長をやっている? 前の長は引退したのだろう?」
「はい、今は……アクトスかしら? まだ若いのに優秀ですよ、あの勇者さまの弟ですもの」
にっこり笑う。
‥‥‥アクトス……
「今度顔を見に……じゃなくて、挨拶に行こう。視察ってやつだ。この国を狙っている他国は多い女王の治める国をなめているとしか思えん、守りは強固にしたが敵国の情報も欲しい」
「スパイでも送ります?」
「嫌、その必要はない。各国に私の弟子がいるからね。まずは、この国の掃除をしないといけないね。法律を改めるのはそれからだ。魔法使いの時でそれは有効だと分かったからね。ギルドも掃除せねば敵国に情報を売るやつもいるはずだから」
「分かりました。書状を用意しておきます」
「それでは、私は帰るよ。このレグルスのほうきを貰いに行かないとな、もう出来上がっているだろう」
と席を立つ。ローズに陛下は後ろから抱き着く。ローズは優しく言う。
「アトリア、この国の王は貴方だ。あの第三王子などに貴方を渡すのではなかったと今は、後悔している。政略結婚だと分かっていたが、私にはどうする事も出来なかった……寂しい思いをさせてしまって悪かった。王女はまだ小さい、教育係はよくやっているかな?」
「勿論貴方の弟子ですから」
「そうか、あの子には罪は無いたっぷり愛情を注いでやってくれ」
「はい! 時々一緒に寝たりするのですよ。侍女達もよくしてくれています」
「うん。将来が楽しみだな、私もあの子の力になろう。このレグルスと共に」
ローズは自分を抱きしめている陛下の手に自分の手を重ねて、静かに小さな声で言う、
「もう少し……辛抱してくれ……」
そう言って部屋を後にした。
ドアは閉められ衛兵に頭を下げられ、帰る。外には馬車が用意され乗る。
言葉が出ない、何を話せばいい……
「お前には関係のない事だ。陛下のただの話相手になっていただけだ……」
馬車の窓から外の景色を見て、ため息を吐くローズ。なんだ……何故そんなに悲しい顔をする。
馬車はあのほうきを売っている店の前に着く。店に入ると
「ローズ様こちらに」
とほうきをみせる。
「うん!いい仕事だ、ほれレグルス手にとってみろ」
そう言って手渡される。なんだ……この感じ……ほうきっていうより、まるで生き物だな、
「どうだ? 何か感じたか?」
「ああ、生き物に触れている感じだ。なんだこの感覚は」
「そうであろう? だから、ほうき選びは重要なんだ。それはもうお前の半身だ。ついでにここで契約を 済ませてしまおう。お前の髪を貰うぞ」
そう言って俺の髪を切る、それをほうきに巻き魔法を唱えている。すると、ほうきからの声が聞こえる
『ご主人様これから宜しくお願いします』
その声に俺は、
「こちらこそ、宜しくな」
そして、店を出て帰る、あの森へ。