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修行

 何とかローズを起こし朝の食事を終える。そこで、


「昨日言っていた魔法を教えてくれるって事は覚えているんだろうな」


「ああ覚えているよ、何だそんなに私は信用ないかね?」


「覚えているのなら、いいんだ……俺は魔法使いになれるだろうか?」


「そんな心配をしていたのか? お前には素質がある。私から教えを受けるのだぞ! なれない訳がない。なれない理由を探す方が難しい」


「偉い自信じゃないか」


「私は伝説の賢者と言われている。こう見えてお前より長く生きている」


「長くって、どれ位だ?」


「そうだな……お前が思っているより数倍は生きている」


「! 若く見えるのは、魔法を使っているからなのか!」


 驚いた、見た目は17・8歳に見える、中身は婆さんか……


「おい! 中身は婆さんか……などと思ってはおらんだろうな」

 どきっと顔に出てしまった。


「図星か……人は外見で判断するからなあ、騙している訳ではないぞ、私の努力の結果だ」

 腕を組み自慢気に言う……ローズ……もしかしたら……天然ってやつか……


「さあ、初めようじゃないか訓練、修行というやつを」


 森の中2人で外に出る。ローズは魔法を使って山に転移させた。何もない荒れた土地だ。


「ここなら、多少暴れても誰にも迷惑はかけないから、思いっきりやれる」

 ローズは不適に笑う。


「まずはお前の魔法を見せて貰おう。ファイアーボールは分かるであろう? 周りは気にせず思い切り投げてみせよ」

 俺は片手に力を込めて投げた。その火球は山を削った……えっ何これ……


「ほう、攻撃に特化しているな、それでは違う場所に行こう」

 そう言ったと思ったら目の前に大きな滝が現れた。


「この滝の流れを変えてみせろ」

 どうやったらいいんだ? 流れている水を見るそうか……これを逆に流れるイメージで力を流せば……

……何度もやってみるが……流れる滝の水の圧力は半端ない、重い……


「力に頼っているな、それではいつまでやっても無理だぞ」


「それではどうやったらいい! 教えてくれ!」


「水の流れを良く見てみろ、落ちた滝の水はどうなっている……」


 そうか、滝ばかり見ていた。この滝から落ちてきた水は川に流れていく。その川の水全体に魔法をかけて流れを変えればいいんだ。そうイメージして魔法を使った。すると、川の水が滝を上って行く。


「うん! 良く出来た。応用が出来れば簡単だろう? 1つに対して集中しないといけない時もある。だが、今の様に全体を良く見て考えないといけない時の方が多い、誤った判断は時には己の身を危うくする」


 成る程自称『伝説の大賢者』を名乗るだけはある。分かりやすい説明に対処法、これは当たりだな。魔法を覚えれば何とか1人でも食っていける。


 それからも色々な魔法を教えて貰った。修行にしては楽しいと思ってしまうのは、ローズが楽しそうにしているから……俺は、これからどうしたらいいのか……このままローズと一緒に、森で暮らすのもいいかも知れない……

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