魔王
ローズとほうきに乗って飛ぶ。馬に乗った兵も沢山いる。魔法使いは兵の半分はいるな、流石だよ師匠集まれと言っただけでこれだけ集められるなんてなあ、俺は計画を聞いた時、正直何を考えるって怒りしかなかったが……ここにいる、魔法使い、ローズの弟子達は違うのだろう。
もう直ぐ国を出る……!? 何だ、酷い……この村の住人は、全滅か……
サルガスは……見えてきた。この国の兵士が戦っている……状況は悪いな、圧倒的に魔族が優位だ。魔法使いが前へ出る。光の弓矢、雷、火炎、俺もそれに続く……
「これを使え!」
とローズから、違う剣を渡された。
「それで、思う存分暴れろ! 魔剣は今は必要ない! 行け!」
さあ、行きますか! 普通に剣を振るのは久しぶりだ、ほうきから降りる。帽子をとる。ローブも外す……ほうきがそれを受け取る……そして、俺は走る! 剣を振る!
仲間の兵士は、その姿に見覚えがある。誰かとその姿が重なる……コル・レオニス……勇者の太刀筋と似ている。だが、それに気づいた者はほんのわずかだ、気づいてもそれを言葉にして、確認する事は出来ない。
今は戦闘中だ。
援軍が来た事でサルガスの兵の士気も上がる。戦いは勢いが激しくなっていく。
ある程度の魔族を退治したが、これからどうする? ローズを見る。ローズも俺に気づき言う。
「城へ行け! そこで、魔剣を使え、人間とすり替わっている魔族を探して討て!」
俺は城へ向かう。そこには、リゲルが待っていた。
「こっちだ!」
その後に着いて行く。魔族に反応して剣が震える。俺は魔剣を抜き構える。すると人間から魔族へと姿が変わる。剣に魔力を流す、剣は光その光に魔族は怯える。リゲルもそれを理解し、魔族を討つ。
それを繰り返し、魔族を倒して行った。
その先には……サルガスの王の死体がある……何故こうなった……後ろから声がする
「ああ、終わったのか。つまらんなあ、玩具は玩具か」
振り返る、そこには、リゲルの姿はない、魔族の姿がそこにあった。見覚えのある姿……それは……
「よう、久しぶりだな。コル、外見は変わっても魂の色は変わらんからなあ」
「魔王か……」
「そうだ、暫く人間の中で隠れていたがな、もうこいつには用はない」
と王の身体を放り投げる。
「お前に会いたかったぞ。アトリアの国も欲しかったのだがなあ。お前達にまた、邪魔された。本当に、お前は……邪魔ばかりしてくれる。だが、そうじゃないと面白くないからなあー!」
大きな声が響く、そこに、リゲルが入って来る。王の遺体を見て、今の状況を察知する、
「父上……そうか……お前が……」
「リゲル、お前が寝返ったせいでこうなった。お前のせいだ!」
一瞬たじろぎ、後ろに引く……
「聞くな! 動揺させようといるだけだ! 閣下は何も悪くない!」
ローズも部屋に入って来た。
「よう、ローズ。お前まで来るとはな、あの時に負わされた傷は治っておらんわ、俺に傷を負わせたのは、お前と勇者だけだ! ローズ、今は賢者と言われているようだな。まだ小娘だったのになあー!」
と大きな魔力の黒い塊が飛ぶ。魔剣が光ると、黒い塊は消える。
「ほう、そんな物を作ったのか」
魔王は不適な笑みを浮かべて、ローズを見る。