ローズの計画
カノーブス国に向かったローズ。その国にもローズの弟子は勿論いる。その弟子達がローズを迎える。
城に入り、ローズは、王達と長い時間話した……自国の内乱は避けたい、ローズは水面下で協力を要請していた。その願いは聞き入れられた。
「それでは、王女はこちらで、事が終わるまでお預かりさせて頂きます」
「では、戴冠式で……」
ローズの計画が進んでいく。ーーーー。
城に帰って来たローズは、陛下へ報告をする。カノーブス国は、今の王女が次期国王となる為の戴冠式が予定されている。今の陛下はご高齢だ、理由はそんな所だ。国の混乱を避ける為に王の座から退位されるそうだ。
一か月後に予定はされていて、そのように公務も予定されている。出席者は、陛下と王女が来賓として招かれる。王は国に残る事になった。残される事で王は機嫌が悪い。だが、国の代表で行くのだ。国の王と時期王となる王女の出席は当然の事。帰って来たローズは俺に聞く。
「変わりはなかったか?」
「問題ないよ。王女さんも俺に懐いてくれて良かったよ。嫌われたらどうしようかと内心心配だったんだ。勇者の時にも会った事は無かったからな」
「良かったな。これからお前に重要な話がある‥‥‥!?」
ローズ……思い切った事をする‥‥‥本気だ。
王女がこちらに走って来る、
「ローズ、帰って来ていたのですね、ほらこれを見て下さい!」
と、陶器の鉢植えに一輪の花が咲いている、
「魔力を調整しながら、注ぎ込んでみたのです、花を咲かせる事が出来ました」
嬉しそうに微笑む、
「ミラク王女は魔法の扱いも素晴らしい、私の弟子にしたい位ですよ」
「まあ!嬉しい!レグルスの教え方が上手いのですよ」
「いや、本当に覚えが早くて、俺より凄いですよ」
そこで、王女に腕を引っ張られる
「今度は転移魔法を教えてくれる約束ですよ」
そっと耳打ちするように話す、転移魔法は自分の身が危険な時に使えるようにしておけ、と、ローズから
言われていた、転移魔法は魔力消費が大きい、慣れないと体力の消費もかなりの負担となる、なので、
魔力の出し方、流れを訓練する為に教えた、花の成長速度を調整して、花を咲かせる、上手く出来ている。
俺はこれがなかなか出来なくてすぐ枯らしていたのに…
俺の腕を引っ張る、その姿を陛下も見ていた、
「どうだ?アトリア、悪くはなかろう?」
「そうですね、ミラクがあんなに嬉しそうにしているなんて、男性は苦手だったのに」
ローズはにっこりと笑う、
「見た目も悪くない、女のようだと、本人は言っていたがな」
「そうですね、ローズ知っていますか?城内にいる侍女達にも、人気がありましてよ、レグルスは」
「ほう…あいつには内緒にしておこう、勇者の時もモテて今回も…それはいかん!」
ローズの不機嫌な顔を見て陛下は笑う。
戴冠式に向かう準備が始まっている。…ローズの計画も…密かに…