これで本当のレグルスになる
レグルス。その名は魔法使いの中でも、ちょっとした話題に上る人物になっていた。魔剣を扱う事で、
ローズのお気に入りとさえ言われている。魔族との戦いで剣を振るう姿を見た者も多い。何者か気になるのは分かる。
ある日、ローズに
「お前は城に行き王女の教育係をしろ。なあに、魔法と剣、そして話相手だな。その中でも一番の理由は護衛だ」
「待ってくれ。俺はまだ、ローズから教えて貰いたい事は沢山ある。何故今俺なんだ?」
「お前を隠す為だ。今お前が話題の渦中にいる人物となっているのは知っているだろう?」
それは知っている街へ行けば声は必ずかけられる、質問攻めにあったりする。だが、もう慣れたぞ。ん? ローズ何をしている?
「誰がお前1人で行かせると言った。私も城へ行く」
と荷物をまとめて収納魔法の中に入れている。
俺は正直ほっとしているが、何故急に……まあ、そんな事を考えるのは無しだ、
「おっとそうだった、先にしないといけな事を忘れていた。レグルス。お前の髪と瞳の色を変える。そうだな、多分肌の色も変わるだろう」
そんな事も出来るのか‥‥‥て、俺は何をすればいいのだ? ローズに呼ばれ、始めて入る部屋の前の来た。
「この部屋に入れ」
そう言われて入る、薄暗い部屋の中は不思議な匂いがしていた。
「そこへ座れ」
そう言われて椅子に座る。
「これを飲め。そして、そこで眠れ起きた時にはもう終わっている」
指し出された入れ物に入っている液体……匂いは無い、飲んでみる。わずかに甘味がある位で……あれ? 頭がくらくらする。
「横になって眠れ」
物凄い睡魔に襲われて俺は、すぐに眠った。‥‥‥どれ位眠ったのだろうか……ローズにはよく眠らされる……夢も見る事なく深く眠りに落ちていった。
……目が覚めた!すっきりしている。
「やっと、起きたか。気になるだろう? 自分の姿が、そこに大きな鏡がある。今部屋を明るくするので見てみるといい」
起き上がり言われた鏡の前に立つ。なんだこの髪の色は白? 銀色か! 瞳は金色、不思議だ色が変わっただけで別人だ。髪も長くなっている。肌の色も違う、透けるように白い女性の肌のようだ、
「どうだ? 我ながらいいと思っている。色の色素を抜いたといった方が分かりやすいだろう。なので瞳は金色になった、光は眩しいだろうからこれを付けておけ」
それは、大きなメガネだが色が付いている。サングラスの様な物か。
「うん! 良く似合っているぞ」
レグルス。これでもう勇者コルの名は、過去の者となり俺自身も未練なくすっかり捨てる事ができた。