剣を守る
ここは森の奥深い場所にある。だが、来客は意外と来る。
ローズが作る薬が目的なのが殆どだが、差し入れとでも言うのか。貰い物も多い、来たついでに世間話などをして行ったりする。
こんな毎日が、気に入っている。魔法も随分教えてもらった。魔道具の使い方や作り方、だが、何故か錬金術は教えてはくれない。
そんな中、オリハルコンから声が聞こえた!!
『助けて』-------…
俺は慌てて剣が置いてある部屋に向かう、ドアを開ける。そこには、あったはずの剣が無くなっていた。ローズへ剣の事を話す。
「慌てるな! あれはお前にしか扱えん、今頃必死に剣を抜こうとしておるだろう」
森から1人の男が走っている、その懐にはあの剣があった。
「ふん、魔法使いの分際で剣術などを使うなど……魔剣だと聞いたが、どんな力があるのだ? 今ここで、抜いて試してみるか……ん? ……なんだこれは! 抜けんではないか! 騙されたか、他にあるのか? まあ、……この剣で間違いはないはずだ。とりあえず、依頼主に持って行くか」
その向かった場所はこの国ではなく国境の向こう側に行こうとしていた。当然ローズの弟子に見つかる。
「お前はどこへ行こうとしている。許可はあるのか、提示せよ」
そう言われた男は、転移魔法を使おうとしたうようだが。そこは、ローズの弟子である。そんな事はさせない。男は捕らわれて城へと連行される。城から連絡を受けて、俺は安心した。迎えに行ってやろう。
ローズと城へ行く。城の庭にはまだ幼い王女がいた。瞳の色が印象的な美しい少女だった。
廊下を歩き、そして晴れて剣と対面出来る、きっと寂しかっただろう。これからは、俺の部屋に置こう。そしたら、こんな事はさせない!
そこには剣を盗んだ者は拘束されていた。
「お前が、俺の大事な剣を持ちだしたのか」
怒りとともに疑問もわく、何故持ち出した……
「その剣はさび付いて抜けんぞ」
不適に笑う。その前で俺は剣を抜いて見せる
「まさか……」
男は驚く……
「これは俺にしか抜く事は出来ないし扱えん。お前は間違えたのだ。この国からもち出す前に俺を何とかしておく事が必要だったんだよ」
それを聞いた男は自害した……奥歯に仕込んだ毒で自らの死で、情報が洩れないようにしたのだ。
「哀れだな、この者の国は分かったのか」
「残念ながら……」
と、報告を受ける。
「まあ仕方ない。この者も己の死を覚悟して、この計画を成し遂げようとしたのだ」
「レグルス。この剣の保管はお前に任せようそのほうが、それもうれしかろう」
俺は剣を渡された、
「分かった。この剣は誰にも渡さない!」
それから、俺は剣を持つ仮面の魔法使いと呼ばれた。
勇者と呼ばれていた時より、嬉しいと思ってしまう……皆、勇者に憧れを持ちいずれそうなろうと励む。今、勇者は不在だ誰もがその座を欲しがっている。ダンジョンでレベル上げに必死になっている者、大物モンスターを倒して名を挙げる者…‥だが、誰も勇者とは誰も呼ばない……勇者の条件は強さだけではないからだ」
それは、人々に希望を与えれる者でなくては呼ばれない。
ローズの情報では、魔族も俺の情報を欲しがっているようだ。レグルスと言う名前は分かる者もその先が分からないと困っているとか……まあな、元勇者だなんて思うまい。それに勇者を名乗るつもりも、もうとうない。俺はローズの弟子のレグルスだ。
俺は剣を渡された、その剣に俺は言う。
「怖い思いをさせたな、もう大丈夫だ、この剣は誰にも渡さない!」