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森での生活にもどる

 ローズ達弟子の魔法使いと剣士達は、城へ報告へ行く。女王陛下が、出迎えてくれた。もう日も落ちたというのに。

 ローズから報告を受けた陛下は皆に礼を言った後、参加した剣士、魔法使い全員に報奨金を渡した、


「貴方達の働きに感謝を」


 そう言ってゆっくりと頭を下げる。こんな事は今まで見た事がない。一国の王が魔法使いに平民である者に対して行う行為ではない。側近達は慌てる……


「私達の為に命をかけて戦ってくれたのです。礼はしないと私の気持ちが落ち着かない……ローズありがとう」


「この国の為にした事だ、陛下が気にされる事ではない。自分の国の為に動いた、そういう事ですよ」


「魔族は居なくなった訳ではない。機会をみてまた、いつ、襲撃されるか分からない。隣国の被害は甚大だ。この国は、癒し系魔法が得意な者は多い。派遣しよう。陛下交渉をお願いします」

 ローズは振り向き剣士、魔法使い等に言う。


「これを持って報告は終わる。皆大義であった。また、情報は随時送ろう」


 その後に陛下は、ローズに、

「分かりました、派遣メンバーはローズに一任します、お願いしますね」


「はい、陛下のお心のままに……」


 そこで解散となった。が、弟子達は俺に興味深々だった。囲まれて困っていると、



「レグルス腹が減った!」


 と声を掛けられる。そこは、済まないとジェスチャーで謝る。帰るか、腹を満たしてやらないと機嫌が悪くなるからな……子供か!全く…‥ほうきで飛んで家に戻る。


 戦いの後だというのに、心地いい、本当に不思議だ。ローズといると嫌な事など忘れてしまう。これが、人を引き付ける魅力というやつなのだな……それに、こちらまで影響されてしまう。怒りと憎しみ、復讐だけで生きて来た俺とは、別人になっている。今は、この人に会って変わっていけるように思う。


 それに教えて貰う事は多い。魔法は面白い、剣と魔法、俺の武器だ、これで人々の役にたてる……

楽しみだ。



 また、朝はやってくる、昨日は早く寝たからな起きるはず! 気合を入れて部屋に入る。ドアを思い切り開け、大きな声で言う、


「おい! ローズ! あ・さ‥‥‥だぞ、珍しいな起こす前に起きているなんて……?」

 その頬には見た事の無い涙が流れ落ちている……


「どうした……ローズが泣くなんて・‥‥」

それ以上俺は、声をかける事が出来ないでいた、


「アトリアが……陛下が……床に臥せっている……」


 俺は言う、

「ローズがいけば、大丈夫だ‥‥‥よな……」


 ローズは下を向いたまま、

「元々病弱でな、本をよく読んで聞かせていたものだ……」


 いつもと様子が違う、何があった。

「ローズ聞かせてくれ、俺に何か出来ないか」


 絞り出す様に、ローズは言う、

「魔剣を使うか……それしかない…のか……」

 辛そうな表情を浮かべる……


「行かせてくれ! 俺の剣が役に立つのなら、なおさらだ!」


「……あれは、まだ完成していないのだ…‥それを、陛下に使うなど……使わせるなど、許されるか!」


 いつになく余裕がないようにみえるのだが……


「俺では、力不足が、ローズ……」


「これは、危険を伴う……」


「俺は一度死んだ、俺は1人だ、何かあっても誰も悲しむ者はいない」


「私が困る……誰が朝、起こしてくれるのだ? 食事もお前が作ってくれないと、困る…‥‥」


 そう言って笑顔を向けてくれるローズだが……理由は他になかったのか……俺は目覚ましか、確かに俺が来るまで木の実と果物と、貰いもので食っていた……弟子を募ればいくらでも手を挙げる者はいるだろうに……


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