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かき揚げ杯2019 冬 の総括

 今回、主催させていただいた「かき揚げ杯 2019」は、個人的には現代小説の傾向の縮図として、新たな知見を与えてくれた。


 今回のかき揚げ杯では、指定した「タイトル」に基づいて、各々の短編小説を創作するという方法を取った。

 私の用意した小説のタイトルのうち、実際に採用されたものが「ポトフに落ちた犬」、「サン・ニコラウスの王冠」、そして、拙作「鐘の行軍」である。


 今回、本企画を開催するにあたって、密かに意図していた事があり、それは「タイトルをどの様に調査するか」というものである。結果的に、タイトルに関する調査等を行った可能性が高い事例は、千夜氏著「サン・ニコラウスの王冠」のみであって、作家の多くは直感的に創造性を働かせて、即座に執筆にとりかかっている事がわかった。これは短編特有の傾向とも考えられるが、作品を考察するにあたって一つ意味のある調査結果であったように思う。


 特に、ネット小説特有の相互作用性という要素が本企画で顕著に現れたのではないだろうか。牧田紗矢乃氏著「ポトフに落ちた犬」を起点として、唯道もろこし氏が「ポトフに落ちた犬〜Another eats/ dog or girl?」の着想を得たように、所謂二次創作と呼ばれる活動のやりとりが、グループ内でも交換されるに至った。この、創作活動の相互作用性は、新たな分野の開拓や、異なる価値観との交流という、新たな知見を与えてくれる。第二回かき揚げ杯は、「作品の相互作用性」という、得難い経験を与えてくれた。その意味で主催者である私自身にとって、本企画は大きな意味を持つものであったといえよう。それはひとえに、私達に新たな思考の素材を与えてくれるのである。


 最後に、今後の創作活動の発展を願い、本企画における思考の発展に大きく貢献した、唯道もろこし氏「ポトフに落ちた犬〜Another eats/ dog or girl?」より、この言葉を借りて、総括の締めくくりとしたい。



『仕込みは終わったので、またポトフを作ることにしよう。新しい肉は手に入ったし。』



 ご清聴、ありがとうございました。

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