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世界が終わる3秒前

作者: 尾終一

「もうすぐ世界が終わります」

 

 そんなことをニュースか報道番組かなんかで言っていたのは、一体いつの話だっただろうか?

 なんちゃらダムスだとかマヤの予言やら、この地球はこれまでに何回も滅亡の危機に瀕してきた。が、しかし、その苦難の悉くを我らが青き地球は乗り越えてきてみせた。


 だから今更、「世界が終わります」なんて言われても誰も気に留めない。誰も信じない。誰しもが明日を迎えることを当たり前としている。例に漏れずボクだってその一人だ。


 地球は滅びないし、世界は終わらない。そのはずだった。


 けど、今回は本当に本当の本当だ。隕石だってさ。隣の席の奴が休み時間、スマホ片手に叫んでいたのを覚えている。


 ようやく、終わるんだ。じゃあ仕方ないよね。だって世界が終わるんだ、言えるわけないじゃないか。彼女に「好きだ」なんて……。


 言わないんじゃない、言えないんだ。だからこれは言い訳なんかじゃない。飲み込んで心にとどめたまま終わりを待てばいい。彼女への想いを、綺麗で美しいまま、ひっそりと。


 そう思っていたはずなのに、なんで呼び止めてしまった?


 あと一分とかかることなく世界が終わるというのに。そのはずなのに、なんでキミは僕なんかの呼びかけに足を止めてくれたの? 振り向いてくれたの? 笑ってくれているの?


 こわいよ。きっぱりすっぱりとフラれることが。そうしたら世界が終わる前に死んじゃうかもね。


 こわいよ。キミがボクの気持ちに答えてくれることが。そうしたらどうしてもっとはやく言わなかったんだって後悔するんだろうな。


 世界が終わるよりもずっと、ずっと、キミに好きだと言うことが、こわいよ。


 もうすぐ世界が終わる。


 風がキミの髪を凪いでゆらした。


「ボクはキミのことが――」


 そして、ボクの世界が今はじまる。 



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