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死神の散歩

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時は遡る



クロスはカンパニー内3Fにいた。


現在カンパニー内の照明全てがクロスが所属している組織アンゲルス・カーススの構成員によって遮断され非常灯が寂しく灯っているだけだった。


ビルは5階建てになっており階段は無くエレベーターでしか階層の移動はできない。

クリスタルの盗難や侵入者が来た時、容易に逃走を計られないような造りになっていた。


しかし今回に限ってはそれが裏目に出てしまう。


〜死神に出会ったものは必ず死が訪れる〜


その言葉の通りクロスが通った通路・部屋には幾人もの死体が横たわっていた。

その殆どがクロスの姿を視認する前には屍に成り果てていた。


〔とりあえず粗方雑魚は片付けたか。取りこぼしはあの脳筋野郎がどうにかするとして、ぼちぼち上にあがるか。〕


クロスはエレベーターを目指して通路をまるで散歩をするかの様に歩く。


「死にやがれこの化け物がッ!」

突如として通路の角に隠れていた残党の1人が飛び出しサブマシンガンをデタラメに連射する。


数秒後弾が尽きたのだろう弾丸の雨が突如として止む。

辺りは弾煙に包まれ5メートル先すら見えない状態であったが徐々にその視界は晴れていった。

しかし男はその先を見て息を飲む。


「うそ・・・だろ。」


そこには死神が無惨にも倒れていると疑っていなかった男の考えとは真逆の光景が広がっていた。


無数の弾痕が残っただけで、その他はいつもとなんら変わらない通路ただそれだけだった。


その数瞬後、後頭部に冷たい鉄の感触が伝わる。


カチッ


人気のない廊下に嫌に響く引き金を弾く音。

男の額から冷や汗が一粒流れ落ちる。


「お前。一つ教えろ」


クロスは銃を突き付けながら男に声を掛ける。


「あ?俺の好きな女のタイプについてか?

てめぇに口を割るとでも思ってんのかこの髑髏野郎が。殺すなら早く殺れ。」


男は声を掛けられるとは思ってもおらず一瞬たじろぐが、精一杯の虚勢を張り毒づく。


「そうか。なら一つ逆に示教してやる。引き金を引く時は黙って引け。ギャーギャー騒ぐな。以上だ。来世にでも活かせ。」


ドスッ


男は何を言われたか訳もわからずそのまま地に伏せた。

そして、クロスは何事もなかった様にエレベーターを目指す。


〔なぜ力の無いもの程、引き金を黙って引けない。いまから撃ちますよと宣言するかの様に言葉を発する?俺には全く理解ができん。あれか?皆アニメの見過ぎなのか?必ず技を出す前に技名を叫ぶあれなのか?全く理解できん。〕


仮面の下でクロスは思考を膨らます。


数分でエレベーターの前にたどり着いたクロスは何の躊躇もせずエレベーターに乗り込む。


4Fのボタンを右手で押すと同時にクロスは左手に握っている愛銃を徐に掲げ一度だけ引き金を弾く。視線はボタンを見つめたまま。


[監視室]

『今髑髏の仮面の男がエレベーターに乗り込みました。数十秒程で4Fに到着すると思われます。しかし乗り込むと同時に監視カメラを破壊された為現在の姿は確認できませんが、乗り込んでいるのは間違いありません。』


『了解した。』


無線にて連絡をもらったクリスタルカンパニー警備責任者スターリンは、エレベーター前に総勢10人の隊列を組んでいた。


前後5人ずつ全員にはフルオートMP7A1サブマシンガンが握られていた。


「いいか野郎ども。数十秒後には、イカレ髑髏野郎が間抜けにもエレベーターでここまで来る。

確実にここで仕留めろ。これが終わったら俺のおごりで女を何人だって抱かせてやる。」


「ヒュ~そりゃいいや。俄然やる気が出たぜ」


一人の男が無理やりにでもテンションを上げ言葉を上げる。


その言葉に周りの空気も若干だが和らぐ。


そう皆わかっているのだ。

今エレベーターに乗り込んでいるのが、御伽噺の様な逸話を数多く語り継がれている死神だということを・・・・


そしてとうとうエレベーターが到着した電子音が響く。


扉が開きかけたその時スターリンの怒号が発せられる。


「撃ち方はじめーッ!!!!!!!!!!!」


その一声で痺れを切らした如く弾丸の嵐がエレベーターに目掛け一斉に飛び込んでいく。


傍から見れば完全なる蹂躙である


何秒たっただろうか。スターリンが再び声を上げる。

「撃ちかた止めッ!!!!」


しかし、銃弾の雨は止まない。

「止めろといってるのだこのばか者が!!!!」


スターリンの怒号が再度男たちに飛ぶ。

そして漸く銃声は止む。


しかし、スターリンは怒る気にはなれなかった。

皆恐怖を紛らわすため引き金から指を離したくなかったのだ。

事実スターリンでさえこの場から逃げ出したい気持ちを抑えるのに必死だった。


その時だった。


「おいッ!皆やったぞ!!!あれを見ろ!」


先ほど軽口をたたいていた男が興奮気味にエレベーターの中を指す。


その指差す先には男が一人見るも無残な姿に成り果て血の海に沈んでいた。


皆一斉に色めき立つ。


しかし、スターリンだけは違和感、いや一つの疑問を覚えた。


こんな簡単に百戦錬磨の死神はやられるのだろうか?

もしや死神ではなかった?

そんな思考が頭をよぎったときだった、


コトンッ・・・・・

足元に拳ほどのものが無造作に・・・・・・・・

To be continued


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