第二話
「大日本帝国掃討作戦」が遂行された後、「トーキョー」で作戦参加国による会談が行われた。
「オキナワ」はイギリス領、「ホッカイドー」はソ連領、そして、その他の領地を統治する権限がアメリカに与えられた。
その後、アメリカの統治政策は進み、大日本帝国は一新された。
名を「ミクスド」に変え、自由を象徴する国へと歩みだした。
ミクスドの領地は四区に分けられた。
一区は、主に以前の「キンキ」だ。中枢都市かつ国の首都である「アリア」は以前の「オオサカ」に置かれた。
二区は、主に以前の「トーホク」「カントー」「チューブ」で、中枢都市は「ビル」。以前のトーキョーに置かれた。
三区は、主に以前の「チューゴク」「シコク」にあたる。中枢都市の「クリス」は以前の「ヒロシマ」に置かれた。
四区は以前の「キューシュー」である。中枢都市の「デニス」は以前の「クマモト」に置かれた。
ミクスドは首都「アリア」に政府を置き、アメリカより派遣された役人の指示のもと、法整備やその他もろもろの行政を進めていった。
そして現在、ようやく国としてまとまり、安定してきたことからアメリカからの独立が成された。
今日の授業はこんなもんだ。「大日本帝国掃討作戦」の映像もあったが、俺は興味なかった。
ただ、クラスのほかの連中は違ったらしい。なんでも、その時に出てきた「白髪の悪魔」の生き残りがいるとかいう都市伝説が流行ってるんだとか。
興味は無かったが、ああも大きな声で噂されると耳に入ってきてしまう。
昼休み、俺はいつものメンバーで中庭に向かい、食事をとった。
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昼休み、友達と食事をとりながら、ふと窓の外に目をやる。黒い髪に落ち着いた雰囲気。中庭にカズヤが見えた。手を振ろうかと思ったがやめた。
「って、エミリー聞いてんの?」
「え?ごめん、もう一回お願い」
「だーかーら、テストの成績は毎回一位、そして運動神経抜群のあのカズヤ様と付き合うにはどうしたらいいかって話よ」
相変わらずカズヤはモテる。昔からわかっていたことだけど...。
「うーん。私には到底わかんないよ」
「えー。幼馴染のエミリーがそんなんじゃ私たちには一生わかんないよー」
幼馴染。聞こえは良いがたいしたものではない。
確かに、距離は近いかもしれないが、近すぎる。
「エミリーならもっとガンガン押していけばいけるんじゃない?」
「むりむり、私なんか異性として見られてないよ」
「だからこそよ!一度ビシッと伝えれば、カズヤ様も意識するわよ」
「そうかな...」
確かに、言われてみればそんな気もしてきた。
今日の帰り道にでもビシッと言ってやるか。
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着実に午後の授業を消化、そして俺は適当に「さよなら」を交わしつつ、帰路に就く。
今日は昇降口でエミリーが待ち構えていた。
「一緒にかえるわよ」
「別にいいけど」
最後まで読んでいただきありがとうございます