第一話
―――――西暦2017年―――――
「カズヤ、早く起きないとイタズラしちゃうわよ」
「思春期の息子に何言ってんだ母さん」
俺はこうして、母、アスカ=ドゥ=イニアレスによって起こされた。
普通ならこんなことを言われても、ただうざいと思うだけだろうが、この人なら少し動揺してしまう。
俺は母の年齢を知らない。というか教えてくれない。まあ、常識的に考えれば、30代後半か、40代前半といったところだろうが、どうにも20代にしか見えない。
なにか、危ない薬でもやっているのかとも思ったが、健康的な肌や、透き通るような長い白髪、そして抜群のプロポーションを見る限り、その様子はうかがえない。全く、バケモノか。
「朝食はできているわ。早く支度して降りてきてね」
「はいはい、わかってるよ」
俺はさっさと支度を済ませて、朝食をとる。
その後、再び身支度を済ませて、テレビを見る。
しかし、今日は「ミクスド独立記念式典」があるとかなんとかで、そのニュースで持ち切りだ。つまらない。
―――――ピンポーン
そうこうしているうちに家のチャイムが鳴る。いつものことだ。
「いつもわざわざ寄ってくれてありがとうね、エミリーちゃん」
「いえいえ、私の通学路なんで、ぜんぜん大丈夫です」
「カズヤー、エミリーちゃんきてくれたわよー」
会話は聞こえているのに、なぜわざわざ呼ぶ必要があるのか。
「気を付けてねー。今日はどこも盛り上がってるみたいだから」
「うん。行ってきます」
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「おはよ。カズヤ。今日はえらく騒がしいわね」
「ああ、今日は独立記念式典があってるみたいだからな」
彼女はエミリー。俺の幼馴染だ。黒のポニーテールにスレンダーな体形、そしてひいき目なしに整った顔立ち。
俺と同じ、第四区中央学院高等部に通っている。
わざわざ家が近いからって迎えに来てくれる世話好きなやつだ。
俺たちは第四区の中枢都市であるデニスに住んでいる。
そのため学院も近い。徒歩で10分ってとこだ。
俺たちは学院での話をしているる地に到着し、校舎に入り、階段を上ったところで別れる。
教室に入ると、適当に挨拶を交わし、席に着く。
そして、チャイムが鳴り、朝のホームルームが始まる。
担任の教師が淡々と連絡事項を話していく。
そして、
「最後に、今日は独立記念式典が行われるため、それに合わせて、午前中の授業をすべて変更し、ミクスドの歴史学習になる」
「ええー」 「まじかよー」 「最悪ー」
クラスにため息混じりの声が響く。
「まあ、歴史学習といっても、ミクスド政府が作った資料映像を見るだけだ。たいしたことは無い。
以上、これでホームルームは終了だ」
映像を見るだけと聞いて、一気にクラスのテンションが上がった。
俺は別にどっちでも良かったが、まあクラスのギスギスした空気は居心地が悪い。
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