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懐かしき食卓

(どうしてこうなった…)

 

 目の前で繰り広げられる光景に奈津芭は頭を抱えていた。


「どう?お口に合うかしら」

「はい。とってもおいしいです」

「とても懐かしい味です」

「あら、嬉しいこと言ってくれるわね。じゃあこれもどうぞ」

 

 などと言いながら箸を器用に使い目の前に並べられた料理を本当に美味しそうに食べるエンディー。

 それとは対照的にグランシアは淡々と箸を口に運ぶ。グランシアは機甲人形オートシルエットと呼ばれる存在。その中でも特質した存在である。疑似永久機関を内蔵しており戦闘行動など魔力を大量消費しなければ空気を変換するだけで動力を賄える。しかし、フルスペックで稼働するためには外部からエネルギーを補給しなければならない。その方法こそが食事である。つまりは人間と同じように食事が出来るのだ。味覚も人間のそれであり普通に生活する分には人間と見分けがつかないほど精巧な作りをしている。

 食事をする姿は何時も通りの無表情だが、懐かしいというだけあってその表情をどこか満足げに見える。

そんな二人に対し、ニコニコと出来たての料理を差し出す女性。

彼女は奈津芭の母である。柄埜崎 美奈芭。奈津芭に似た切れ長のパッチリとした瞳が印象的で、容姿もそうだが、捌けた雰囲気が奈津芭とよく似てた。若々しい容姿から姉妹に間違われる事などはしょっちゅうである。

 つかみ所の無い所がある母親だとは思っていたが、まさか、異界から帰って来る所を出迎えられるとは思わなかった。


「いや、母さん。食事の前に色々と説明して欲しいんだけど?」

「なによ?忙しない子ね。腹がへっては戦は出来ぬって言うでしょ?」

「戦が終わって帰ってきたんだけど…」

「あらそう?なら祝勝会ね」


 山の祭壇で出迎えられてから、何故母があそこにいたのか?その理由を訊こうにもこんな感じではぐらかされる。

 奈津芭達は今、亡くなった祖父の家(名義上は奈津芭の家)に居る。

 ここにつくなり始まったのが現在の食事会。料理の下ごしらえなどすませていた所などを鑑みるに奈津芭が今日この地に立つ事をどの程度かは分からないが予想していたという事だ。エンディー達を見ても特別驚いた様子がない。


(って…考えても始まらないか。お腹がすいてるのは確かだし)


 奈津芭は箸を手に取ると目の前にある焼きたての母お手製餃子を頬張る。相変わらず旨い。噛んだ瞬間に溢れ出す肉汁の旨み。白菜のシャキシャキとした食感が懐かしい。

 他にも八宝菜や揚げ出し豆腐など食卓に並ぶのは奈津芭の好物ばかり。それだけで、ここに並ぶ料理が奈津芭の為に作られたのだとわかる。


「うん。美味しい」

「そっか」

 


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