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僕は誰も信用できない

作者: リーあん

突然だけど、皆は友情や恋愛についてどう思うのだろうか?こう思うかい?友情は、仲の良い友達の間に成り立つもの。恋愛は、本能的な感覚で相手の事が気になる事だと。違う違う、僕が聞きたいのはそんな事じゃない。どうして、相手の事が信用できるのかが聞きたいんだ。


そんなのは、簡単だって?なら、僕に教えてくれよ。えっ?そんなのは決まってる。だって友達だから?だって、自分が好きな人だから?だって、自分がそう思うから?ハハッ、愉快な頭をしているね。僕は、そんな頭が羨ましく思うよ。


僕が答えよう。そんな事を信じるだけ無駄って事を。えっ?なぜかって?決まってるじゃないか、肉親や血縁関係でさえ完全に信用できないんだ。赤の他人を信用できる訳がないだろう?それに、信じても裏切られるだけだしね。それなら、信じない方が良いだろう?だって、その方が傷つかないで済むんだから。


おっと、一応説明しておこうか。僕の名前は赤井 信だ。ふっ、皮肉だろう?人を信じてない僕に信じるという漢字がつけられているのは。ちなみに、僕は昔から人を信じなかったんじゃない。小学・中学時代と色々とあって、気づいたんだ。人を信じない方が良いって。信じても、その期待は裏切られるって事にね。だから、僕は誰も信じない。実の親でさえもね。


これは、そんな男の話だ。



ーー・ーー



「おーす、赤井。今日も悪いんだけど、ノート見せてー」

「ほら、いつもの忘れんなよ」

「わかってるってー、じゃあ借りるねー」


あっ、今こいつ友達いるじゃんと思った人に言おう。これは、友達ではない。ただの利害関係が一致しているだけだ。俺は、八津にノートを貸して八津は俺に昼飯を奢るという関係だ。あれっ、こいつ思いっきり信用してるくね?と思った人に言おう。俺が信用しないのは、友人や恋人などの括りのみだ。俺と八津の関係は、利害が一致してるというだけだ。だから俺は、この利害を信用している。所謂、需要と共有みたいな感じだ。・・・違うかな?まぁ、そんな感じだ。


「なぁ、知ってるー?」

「五月蝿い」

「酷いなー、赤井は。まぁ、いいか。今日、休んでた子がやっと学校に来るらしいよ?」

「そうか」

「反応薄いなー」

「五月蝿い、さっさとノートを写せ!」

「はいはい、写しますよー」


くっ、こいつは偶に頭にくるが利害が一致している間はどうでもいいか。それにしても、少し気になるか。高校に入って、一カ月も休んでいたんだしな。友人関係とか大変そうだな、そいつは。まぁ、僕には関係のない事だ。


チャイムが鳴り、騒がしかった教室が静かになる。


「ああ、皆いるな。お前らに紹介する奴がいる。入ってこい」


この口が悪いのが、僕らの担任の林 晶。名前と容姿で間違われているが性別は女だ。こいつは、背が高く、顔も中性的、おまけに胸がないときた。初めて、自己紹介された時はビックリした。女たちはそんな〜とかの悲鳴?をあげていた。男は嘘だろ!?と声を揃えていた。


「はい!」


綺麗な声をあげて、一人の女が入ってきた。


「えー、諸事情で今までこれなかった」

「白百合 愛理です!よろしくお願いします!」

「って事だ、お前達仲良くしろよ。じゃあ、後は適当に」


おい、教師!それでいいのか!あれ?あの白百合とかいう奴、こっち見てない?


「ーー」


白百合が何かを言おうとした時、生徒達が白百合に群がっていった。白百合は、質問の嵐に見舞われている。


まぁ、仕方がないだろう。僕の目から見ても、白百合は綺麗だ。白百合の名前の通り、肌が綺麗に白く。それに反した黒髪は艶やかだ。身長は155位で胸も程よく育っていてスタイルもいい。それに、見た感じ男女共に人気なんだろう。現に今も、男も女も白百合に群がっている。


(まぁ、僕には関係ないしね)


それから、白百合は休み時間毎に質問をされ続けていた。


ーー・ーー


次の日、僕は白百合に絡まれた。


「ねぇ、なんで無視するの!」

「めんどいから」


全く、いい迷惑だ。


「よーす、赤井。ノート貸し・・・て」

「ほら、これな。いつもの忘れんなよ?」

「え、う、うん。どうしたの赤井?白百合さんと話してた?」

「そんなわー」

「そうだよ!私は赤井君と話してたの!」


白百合は、僕の言葉を遮る。こいつ、見た目に反して活発だな!


「話してないからな、八津」

「そ、そっかー。なら、いいんだよ」

「何がいいのかは、わからんけどな」

「ーー別に、何でもないし」

「そうか」

「ねーー」


白百合が話そうとした時、チャイムが鳴る。


「ほら、座れよ。チャイムが鳴っただろ?」

「っーー、わかりましたよ。でも、また来るからね・・・・しーちゃん」

「っーー、お前、それをどこで」


白百合は、逃げるように自分の席へと逃げていく。


「どうしたの、赤井?」

「い、いや、別に」

「そう?」


俺は、その日の授業に身が入らないまま一日を過ごした。


ーー・ーー


白百合の発言から十日後、僕は八津と白百合と昼食を食べていた。


(何で、こうなった)


僕はそう思いながら、八津の飯を食べる。


「えーー、本当にーー?」

「本当だってばーー」


八津と白百合は、ガールズトークをしている。頼むから、他所でやってくれ!えっ、僕が何処かに行けって?最もだけど、それはできない。こいつらは僕が行く先々まで追ってきて、ワザワザ僕の近くで食べるのだ!周りからの視線が痛い。男は羨望や嫉妬の眼差しを女は興味深々の目で見てきやがる。本当に迷惑だ!


ーー・ーー


白百合が学校に来てから、一カ月が経った。


(ああー、もう直ぐでテストかーー。鬱だ)


俺は、授業を真面目に受けてはいるが頭は良くない。いるだろ?クラスに一人か二人は、こんな奴が。


「やほー、あれ?どうしたの、赤井?」

「ああ、八津か。ほれ、ノートだ」

「ああ、今日はいいよ」

「うん?・・そうか」

「それより、どうしたの?」

「いや、もう直ぐでテストだからな、ちょっとな」

「そ、そう」

「赤点取りそうだなー」

「えっ!いつも、ノート書いてるのに?宿題も毎日やってる赤井が?」

「いや、僕は頭よくないしね」

「・・・なら、私が教えてあげようか?」

「むっ・・・、条件は?」

「・・・今度、買い物に付き合ってよ。どう?」


八津は、馬鹿そうな感じがするが実は頭がいい。なのに、ノートなどを書かないし、宿題もしない。この、天才め!


「面倒くさそうだけど、赤点よりマシか・・・、じゃあ、それで」

「えっ、いいの?」


八津は、嬉しそうに答える。


「あぁ、買い物は面倒くさそうだけどな。互いの利益は一致してるし」

「やっぱり、今の無しとかなしだからね!」

「あぁ、そんなことは言わん」

「・・ふふっ、覚悟しておくがいいよ赤井。女の子の買い物は長いんだからね!」

「はいはい」

「じゃあ、私もー」


白百合が急に話に割り込んできた。


「なんでだよ。お前、頭いいだろ」

「違う違う。私も赤井に教えてあげるって言ってるの」

「なっ」

「悪いがその役目は八津で間に合ってる」

「ふふっ、本当かなー?八津ちゃんは、化学と地理は苦手じゃなかった?」

「うっ、ででも赤井よりはマシだし」

「そんなので、赤井君に教えられるの?」

「・・・・できません」

「でしょー、って事だからよろしね、・・・・しーちゃん」


僕の意見を聞かずに決められてしまった。それに、白百合は僕だけに囁いた。しーちゃんと。それを知っているのは、小学校時代のやつの筈だ。けれど、僕はこいつを知らない。


「そういうことだけど、いい?」

「・・・おう」


まぁ、教えてくれるのだからどうでもいいけどね。


ーー・ーー


舐めてた。女の買い物を舐めてた。服だけで、三時間も悩んでやがる。ありえん。


「ねー、どっちがいいと思う?」

「どお、赤井君。どっちがいい?」


僕は、あの時安請け合いした自分を恨んでいた。確かに、二人のおかげで赤点無しどころか中々の高得点だった。平均80だぜ?すごくね?まぁ、その二人は平均95とか言う数字だったけどさ。


「・・・どっちも変わんなくね?」

「わかってない、わかってないよ赤井!」

「駄目だな〜赤井君。そういう時は、こっちの方が可愛いよとか言わないと」

「ソッチノホウガカワイイヨ」

「・・・行こ、白百合」

「・・・そうだね」


ふぅ、やっと二人から逃れれた。やっと、椅子に座れる。全く、よくこんなのに時間をかけれる。僕は、ぽけ〜と周りを見てみる。目の端に、気になるものが見えた。取り敢えず、そこに移動する。そこには、色々あった。キーホルダー・ネックレス・ブローチなど様々だ。


(まぁ、お礼ってことでいいか)


僕は、あるものを買って二人のいる所へと戻る。


「どこ行ってたのさ、赤井!」

「そうだよ!迷子センターに呼び出してもらおうかと思ったよ!」


おいおい。


「悪い悪い。ちょっと、トイレにな」

「それなら、仕方ないね」

「そう、まぁいいけど。じゃあ、次行くわよ」

「はっ?まだ見るのか?」

「何言っての赤井。まだまだ、私達の買い物は終わらないよ!」

「まじかよ」

「マジマジ。じゃあいくわよ!」


僕はこれから、四時間も買い物に付き合わされた。女って凄い。僕は今日この事を学んだ。帰り道に、二人にブローチを渡すと驚かれた。


「えっ、えっ、どうしたの赤井。熱でもあるんじゃ?」


失礼なやつだ。僕にもそれぐらいのことはすると言うのに。


「大変!急いで119にーー」

「いや、大丈夫だから。大袈裟だし。つーか、酷くない?」

「「いや、だって赤井(君)だし」」


綺麗にハモられました。


「まぁ、テストの点も良かったしまた頼むから前金だと思ってくれたらいいよ」


ブローチって言っても、小さなものだ。八津には猫の、白百合には百合のブローチを渡した。


「・・・ありがとう!ありがとう!赤井!私は、嬉しいよ!」

「・・・・ありがと。・・・・しーちゃん」


うん、こんなので喜んでくれるなんて案外嬉しいかもしれない。八津の笑顔や白百合のにやけ顏も見れたしね。


「じゃ、また」

「うん!またね」

「バイバイ」


僕達は、そのまま別れた。


(案外、今の状況は悪くないかもしれない)


そんな事を僕は思った。


これは、人を信じれない男が人を信じれるようになる話かもしれない。二人の女によって、少しずつ少しずつ男に変化をもたらす話。

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