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風船

子供の頃、木にひっかかった風船を通りすがりのお兄さんが取ってくれた事がある。

その時の私には、お兄さんがとても大きく見えた。私には触ることも、近づく事も出来ない世界に手がとどくのだ。


今の私はもう大人である。あの時、風船を引っかけた木はそんなに高くはなかった。

きっと今の私は昔より見えてる世界が広がっているだろう。

そんな事をベンチに座りながら考えていた。太陽の光があたたかい。


「お姉さん」

うしろから急に声をかけられた。

「お姉さん、風船が木にひっかかっちゃったの。取ってもらえない?」

「わかった、まかせてね」


少し背伸びして風船を取る。

「はい少年。気をつけるんだぞ」

ちょっとできるお姉さんを気取って、立ち去ろうとしたとき

「あ、お姉さんヒッツキムシついてるよ!」


ズボンにヒッツキムシがついていた。




今の私はもう大人である。

視界は広がっていなかった。


昔より、高いところを見ている。

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