7話 2対1
見てくれると嬉しいです!
「本当にやってもいいんだな?」
「あぁいいよ、2対1かかってきなよ」
---1時間前
俺たちは料理を楽しみ、親睦を深めていた。
クリファがパーティーに入ってくれた歓迎会みたいなもんだ。
「ねぇ、クリファって何歳なの?」
ミラが明るい口調で、クリファに聞いた。
「…16」
「16!?俺らより年下じゃん!」
「やめなよ玲、パーティーに年齢なんか関係ないんだから。年上とか年下とかそういうのはなしでいこうよ。」
俺はクリファに「ごめん」と謝った。
確かにミラの言う通り、年齢なんか関係ない。
タメ口で話そうかな……
「それにしても、このご時世にサポーターを選ぶ人がいるなんて…」
「あぁーん?」
「俺だってなりたくてなったんじゃねーよ!」
ミラが落ち着かせる。
本当に、この女腹が立つ。
男だったらやってるぞこら。
すると、クリファがため息を吐く。
「そんなにイラつくなら、勝負でもしますか?
もちろん、殴り合いで。」
突然言われたことで、俺は少し戸惑うがその勝負に乗った。
---「ここなら…人がいないですし、思いっきりやれますよ。」
薄暗く、狭い場所だが十分やれる場所だ。
「ルールはシンプルで行きましょう。
武器禁止、地面に手をついたら負け。」
「スキルは有りか?」
クリファは「はい。」と言い。準備運動を始める。
生意気な自己中な野郎とは言えど、相手は女性。
……だが、本気で勝ちに行くぞ。
「準備OKだ!いつでもいいぞ!」
「ミラさん、合図をお願いします。」
ミラは心配そうな目で見つめるが、合図を出す。
「それじゃ--始め!」
戦いが開始される。
そうすると、早速クリファが俺に向けて手招きをする。
「かかってきなよ」
舐めやがって。一瞬で終わらしてやる。
スキル発動『脚力向上(小)』を俺は発動し、クリファの方に全力で走る。そして、クリファの腹目掛けて殴りかかる。だが、そんなことお見通しというように、軽々しく避ける。
俺は何度も、接近しては殴り、接近しては殴るを繰り返した。しかし、クリファにすべて避けられた。
俺が疲れて、一旦攻撃を止めると、今度はクリファが攻めてきた。
は、早い!気づいたらもう目の前にいる。そして、攻撃を仕掛けている!クリファの拳が俺の顔の横すれすれを通る!そして、頬をかすった。
「いくら何でも早過ぎるだろ!お前!」
「こっちがどれだけ鍛えているか、これで分かりましたか?それじゃそろそろーーー」
クリファの拳が俺のみぞおちに入る。
「終わりにしましょうか」
クリファがそう言い終わると、拳を引き一歩下がった。俺は息ができず、地面に倒れた。
「玲さん、貴方はスキルを全く活かしきれていない
もっと避けたり立ち回りをよくしてください。攻めてばかりだと勝てませんよ。そして、基礎能力が弱すぎて、スキルを使ってもまだ全然遅いです!
もっと身体能力や技を覚えてください」
はぁはぁ、やって息できる。
た、確かに俺はまだ遅い。もっと強くなりたい!
俺はゆっくりと立ち上がり、クリファに再戦を申し込む。
「もう一回……もう一回やろう…」
クリファはため息をつき、俺の再戦を引き受けた。
「いいですけど、そっちはミラさんと玲さん2人でチームとなって戦ってください。これで、だいたい戦力的に丁度いい」
「えぇ〜!?私も!?……まあいいけど…」
2対1か、あまり気が進まないけど、やってやるよ。
俺とミラは構える。
「本当に2対1でいいんだな?」
「あぁいいよ。2対1かかってきなよ」
一斉に俺とミラは飛び出し、クリファに近づく。
すると、今度はクリファも動き出し、反撃しようとする。
ミラは殴る体制をキープしながら、外から様子を見守り、俺は中でクリファと殴り合おうとする。
ミラのスキル『チャージ』を使って勝つ。それしか勝つ方法が見当たらない。……強過ぎる。
とにかく、時間稼ぎだ。だか、もちろん戦闘経験者のクリファに勝てるはずもなく、全部の攻撃を受けてしまう。
「避けないと、今度は痛いよ!」
あぁそれだ、それが欲しかった。
クリファの本気の一発。
スキル発動、俺はクリファのパンチを避け、カウンターを入れる。
大振りすぎなんだよ。お前のパンチは!
俺の拳とクリファの顔の距離、僅か10センチ。
確実に決まった…と思っていた。
突然俺は転けてしまう。なんだ…何が起きた?
「脚がガラ空きすぎですよ。そんなんだと、体制を崩されて軌道がズレますよ」
く…!俺は地面に手をつけてしまい、脱落してしまう。だが、まだミラがいる。
「ミラ!頼む!」
ミラは「任せて!」と言い、フットワークをずっとしてまだ溜めている。
ミラ・ローザー、スキル『チャージ』は溜めれば溜まるほど強くなる。しかし、溜めるまでの時間が勝負を結果を左右することが多い。
あの人のパンチは絶対に喰らいたくない、避ければ勝ち。喰らえば負け。
やっぱり戦いは面白い!
クリファは不気味な笑みを浮かべ、ミラの方へと
突っ込む。
わざと私の方に突っ込んできた!?なるほど、もう勝負を決めにきたか!
どうする、もう近くまで来ている。迷っている時間はない。
ミラの耳には自分の呼吸の音、そしてクリファの足音しか聞こえなかった。
集中しろ。相手のスキルが来るかもしれない。
感じろ。相手の魔力を感じるんだ。
魔力探知をもっと強めろ!
すると、ミラの視界には魔力探知によってクリファの手や脚から魔力が出ていることに気づく。
なるほど。特に手に魔力が強く込められているね。
右か。左か。
この体感僅か0.5秒。
クリファがミラの顔目掛けて殴る。
だが、ミラの狙いはクリファの手だった!
ミラは溜めていたパンチをクリファの手目掛けて思いっきり放つ。
当たり所はあまり良くないが、確実にクリファの右手を使えなくした。
しかし、クリファが思いっきりタックルし、突然のタックルに驚いたミラは押し返す事ができず、地面に手をついてしまった。
はぁはぁ、お互いの呼吸音が響く。
そして、クリファはミラに向けて、手を差し伸べ、
互いに握手をする。
「やはり、さすがです。最後は力任せのタックルになってしまい……まだまだですね、私」
「いや、強過ぎるよ!動きに無駄がなくて、キレがすごいよ!ナイスバトル!」
2人がお互いの褒め合っている。
なんか、悔しいな〜俺ももっと頭を使って戦いたいな〜。そう思っていると、クリファが俺の方へと歩いてきた。まさか、俺も褒められる!?
「動き雑すぎ!体幹無さすぎ!弱すぎ!」
クリファは俺に暴言は吐き散らしてきた。
「貴方、サポーターのくせに魔力探知もできないの!?しかも、魔力一切使ってないし….」
「いや、魔力は使ったぞ?スキルの時に…」
クリファが呆れたような顔で俺に言う。
「魔力を自分の手や脚に込めると、通常の何倍もの力でパンチを打つことができるんだよ。
まさかだけど、込め方知らないとか言わないはよね?」
俺は頭を下げ、小声で「すみません」と言う。
今度はとてもでかいため息をつき、クリファは俺に
言い出す。
「これからの敵はあんなクソ雑魚スケルトンみたいなスキル使っとけば、勝てる相手じゃない。」
すると、突然クリファが真剣な顔をし、話し出す。
「一週間後、私とミラさん玲さんこの3人で、東部最大都市"リースト・ランブレッジに行きましょう。」
「えぇーー!?」
俺とミラは同時に言い、驚く。
「な、なんで急にそんな遠い所に、行くの…?」
ミラが驚きながらもクリファに質問しだした。
確かに急に都市に行こう!だなんて……また、何か考えているな…。
俺はクリファを怪しそうな目で見る。
「実は最近、東部都市に大きなクエストが出来まして、みんなの成長のために行きたいな〜って思い、
提案しました。」
「はぁまた急なこと言い出して、言っとくけど、パーティーリーダーは私なんだからね!?何か話があるなら私に言ってからにして!」
ミラが少し怒る。
しかし、クリファは引き下がらない。
「なら、今言いました。貴方たちだって、さっきの戦いをして感じたんじゃないですか?」
「強くなりたいって。」
俺たちは黙り込んでしまう。
「別にまだ時間はありますから。ゆっくりと決断を決めてください。だけど、、行ったら本当に過酷な旅になりますけどね〜」
そう言うと、クリファは手を振って、宿へと帰って行った。
ミラのスキルは武器だけじゃなく、自分の体にも使えることができる。
実は玲、喧嘩をするのは生まれて6回目。
今日入れて7回目。6回目からカウンターの強さに気づいたらしい。




