21話 新たな旅
離れ離れになってしまった玲…一体どうなるのか。
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「なるほど…それでミラとクリファの二人と離れ離れになったのか…」
「はい…洞窟の中で崩落が起きてしまって…」
俺が洞窟を出た時に、完全に洞窟は崩れて埋まってしまった。
俺はとりあえず、レガニスさんに状況を話し助けてもらおうとした。
「ひとまず、捜索隊には連絡しておいた。」
俺は「ありがとうございます」とレガニスさんに言って、ミラとクリファを見つけるために崩落した洞窟に行こうとした。
それを見てレガニスが玲を止めた。
「玲……ちょっと付いてこい。」
そう言ってレガニスさんは、タバコを吸いながら歩き出した。
俺はしょうがなく付いていく。
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何でここなんだよ…
そこは俺が侵入して捕まった国王の城だった…
「何でここに…?」
「まあまあ〜、付いてくれば分かるよ」
あっさりと正門を通過する。
レガニスさんは何をするんだ?
急にレガニスさんが立ち止まる。
「レガニスさん、どうしたんですか?」
「玲……今から俺らは国王に会う。貴族共が外野からうるさいと思うが無視してろよ。」
「………え?…国王?」
レガニスが扉を開け、王の間へと歩いた…
少し躊躇したが、俺はその後ろを黙って付いて行った。
国王がデカい椅子に座っている。
あれが王座っていうやつか…?
すると、扉から入ってすぐ…左右横に椅子があり、
そこに貴族が座っていた。
「あいつは…この前侵入した….ガキではないか!」
「なんだと!レガニス…あの男!こんなガキを志願する気か!?」
「ふざけるなーー!!」
…レガニスさんが言った通り、、外野がうるさいな。
志願…どういう事ですか?レガニスさん…
そして東の都市の国王陛下の目の前まで近づいた。
レガニスさんが王の前で跪く。
それを見た俺も跪いた。
「レガニス…その冒険者か?」
レガニスは跪きながら返事をする、そして跪くのをやめ、立った。
「王様が言い出したんだろ?自分で行けないから。
文句ないだろ〜?」
「レガニス!言葉を慎め!」
王の側近がレガニスの態度に叱りつけた。
レガニスは「はいは〜い」と適当な返事をし、本題に入ろうとする。
「こいつの名前は島坂玲。私は…玲を国際交流人に推薦します。」
国際交流人…?
………はぁ!?どういう事だ!
「レガニスさん!どういう事ですか!?」
レガニスは笑いながら、答えた。
「ごめんな〜玲、ちょっとだけ利用させてくれ」
「おい……ふざけんな!」
俺はレガニスさんの勝手な行動にキレ、怒鳴る。
すると…王様が側近を呼び、何か話し出した。
「この…玲という者の情報を全て言え。」
側近は「はい」と言い、ポケットから手帳を取り出した。
「島坂玲…職業サポーター。性別男。Dランク冒険者。ギルドメンバーはミラ・ローザーとクリファス・ガーティス。そして…彼は今、刑務所を脱獄した収監者です。」
王様は俺の情報を聞き、深く考える。
そうか…今俺は刑務所を、脱獄した囚人だった!
すっかり忘れてたぜ…
「レガニス…なぜ島坂玲を推薦するのだ?」
王がレガニスに問う。
レガニスはタバコを取り出し、火をつけ、吸い出す。
「ここ禁煙!」
「はいはい、そうだな〜…理由は特にないかな。俺が気に入ったってことぐらい」
王様は大きなため息を吐き、椅子にもたれかかる。
「王様、これはアンタの問題でもあるんだ。もう一度言う。…文句ないよな?」
王様はレガニスの言葉の意味を理解し、承諾する。
「わかった…ではこれより!新たな国際交流人を発表する!」
「新たな国際交流人は島坂玲!この男だ!」
シーーン……
沈黙が続いた。
いや、待て待て待て…話が早すぎて脳が追いつかない。
「ちょっと待って…レガニスさんと王様!状況整理してくれませんか…?」
「おい…レガニス…まさか何も説明していないのか……」
「テヘペロ!!」
王様はさらに大きなため息を吐いた。
レガニスはタバコを吸いながら説明をする。
「まずはごめんな玲、時間がなかったんだ。」
「国際交流人って、何ですか?何で俺を推薦したんですか!?」
俺はレガニスさんに問い詰める。
レガニスさんはあわあわとするが、わかりやすく説明をし出した。
「今…魔王軍との決戦の為に他の国とも協力しようとしているんだ…だけど、、俺はラグネシクトの嫌われ者!そして、東の都市の王様も嫌われ者!」
「つまり…他の都市と上手くいってない?」
レガニスさんと王様が大きく頷く。
「そこで…玲には他の都市に行ってもらい、俺ら率いる東の都市と他の都市で国際協力を結ぶように言ってきてくれないか!」
「…他の都市ってどこですか?」
ちなみに俺はまだやるとは言ってないぞ…
なんでこんな重要な事を俺に押し付けるのかな…
「まずは南の都市に行ってその次に北の都市だ!」
レガニスと王様はうきうきになり、ハイタッチをしようとする。
「やりませんよ」
「え??」
レガニスは驚き、タバコを地面に落とす。
「そんな…急にこんな事言われてもする訳ないでしょ!!そんな重要な仕事他の冒険者にやらせればいいでしょ!」
それに…今は…ミラとクリファの事が心配で頭がいっぱいなのに…
俺は城から出ようと、元来た道を戻ろうとした。
その様子を見て、レガニスが言う。
「今、お前は犯罪者だ。もし、この話を飲み込まず、城から出たらお前をすぐに捕まえ、次は独房に入れてやる。」
俺は振り返り、レガニスさんの顔を見た。
タバコしか吸ってないニコチン中毒者のくせに真剣な目で俺を見るなよ…
「何と言われても…俺はやりません。ミラとクリファの生死を確認しない限り。」
俺は扉から出ようとまた歩き出した。
「なっ!!」
レガニスさんが目の前に現れた。
一瞬でこの距離を…
「あの洞窟はな…実は南の都市とも繋がっているらしいんだ。もしかしたらミラとクリファは南の都市にいるのかもしれない」
……!
ミラとクリファが生きてる…!
南の都市…!!
俺の様子を見て、レガニスが俺にもう一度問いかけた。
「国際交流人として…東の都市を救ってくれないか?」
「でも…俺は犯罪者ですよ、そこは大丈夫なんですか?」
すると王様が椅子から立ち、俺の方へと歩き出す。
「もし、、国際協力の件を成し遂げたら…島坂玲の罪を無罪にしてやろう。」
王様からのまさかの一言。
この人本当に王様かよ…!?
レガニスさんが俺の肩に手を置き、ゆっくりと語り始める。
「お前達言ってたよな…魔王討伐のクエストの許可をくれって…、そして強くなってラグネシクトに入りたいって…。」
「もし…この件が成功したら、許可出してやるよ。」
マジか…!そんなあっさりと許可くれるのかよ!
この人本当にチョロいな…
………別に受けないという選択肢もある。罪を償って新たな人生を踏み出すのも良い選択だと俺は思っている。
王様とラグネシクトのメンバーから直々に言われていることだぞ!
どうせ…危険な旅になって、命を落とすかもしれない。
……それなのに、何でだろう。
心のどこかにやりたいという自分がいる。
危険とか関係なく、ただ楽しむ為に行きたいという
ワクワクしている自分がまだいる!
「レガニスさん…やらせてください!」
レガニスと王様は両手でハイタッチをし、肩を組んで喜んだ。
「それじゃ明日から、北の都市に行け!」
「何で北の都市から何ですか?南の都市じゃなくて…」
レガニスは、気まずそうに答える。
「実は…北の都市に俺の弟が居て、出来るだけ早く国際協力して欲しいんだ…」
レガニスさんの弟。それは気になる!
…ごめん。ミラ、クリファ、すぐには迎えに行けそうになさそうだ。
でもいつか必ず会おう。
「玲、さっそく明日から北の都市に行ってくれ!
時間があまりなくてな。」
「よし!任せてください!」
俺は明るく返事をし、城を出た。
レガニスはラグネシクトのメンバーなので都市を守る為に働いています。
基本的にラグネシクトと王様はとても、仲良しです。




