14話 ゲート
読んでくれると嬉しいです!
お互い自己紹介し合い、見つめ合う。
魔王を殺す…か…。
確かにいい体格してるよ、、
「バーザスさん…俺はレガニスさんの助言で脱獄したいなら貴方に会えって言われたんだ。」
「…レガニスか。…実は俺も昨日レガニスが来てな。『A棟の最強に合わせてやる』って言ってきたんだ。」
「お前だな!A棟の最強は!」
は?どういうことだ。俺はA棟の最強ではない。
まさか……レガニスさんにハマられた!
これはまずい!
逃げない…と…
俺は部屋を出ようとするが、バーザスに腕を掴まれ、壁に投げられた。
ぐはぁ!
なんて力だ…
「おいおい、何投げようとしてんだ?」
バーザスが俺の方へと近づいてくる。
俺は体制を立て直し、部屋の外側を走り出す。
それを見たバーザスは一気に詰め寄り、殴りかかる。
!!
俺は間一髪で避けた。
今度は逆の方向を走り出し、バーザスに背を向ける
バーザスはゆっくりと俺の方へ歩き出す。
「俺はな、強い奴と戦う為に、刑務所に入ったんだ。だが、C棟の連中は全員弱く、最強を名乗っていた男も一発殴っただけで気絶した…」
何言ってんだコイツ、、それよりスキルが使えないのはあまりにもキツすぎる。
「俺はもう脱獄しようと思った。なのにレガニスが
A棟の最強に合わせてくれるって言ってくれたから待ってたのに、こんな弱虫なんて……」
ヒュン。
バーザスは俺に目の前まで一瞬で近づき、もう殴るモーションを始めていた。
食らったら終わる、避けないと。
しかし、もう遅かった。
ドゴーン!!
がはぁ、、
壁はボロボロに壊れて、俺の体は壁にめり込んだ。
バーザスは「つまらん」と言い、部屋から出ようとする。
はぁ…はぁ…マジで落ちかけた…視界がずっとボヤけてる。
このまま、気絶したフリをしておこう。
あんなのに勝てるわけ無い。
そもそもスキル使えないのにあんな筋肉バキバキの巨体に勝てるはずない。
もう楽になろう……
「島坂玲さん….結構やり合うかもしれないと思っていましたがここまでですか。残念です….」
刑務官は玲に手錠を掛けようとするが、逆に掴み返された。
「まだだ。俺はまだ終われない!」
「このままでいい?…ダメに決まってんだろ!!」
バーザスはまだ廊下にいる。
アイツを俺は倒して脱獄の方法を教えてもらうんだ。
刑務官を突き飛ばし、廊下へと走り出す。
俺の心は絶対に倒すという目標で埋め尽くされていた。
「うおぉーー!バーーーザーース!!」
俺はバーザスに向かって全速力で走り出す。
俺の声を聞いたバーザスは素早く構えるが、俺は走った勢いでスライディングし、股を通り抜ける。
そして、一気に殴りかかった。
バーザスは軽く避け、タイミングを合わしてカウンターを決めた。
バーザスの鍛え抜かれた拳は俺の腹に直撃し、悶絶してしまう。
「二発目も耐えるか…なら三発目だ!」
バーザスの拳が俺に迫り来る。
速い…けど避けれる!もう一回だ。
今度はバーザスに俺のパンチが当たる。
だが、バーザスは全然効いていない。
当たった所を少し掻き、今度は目にも見えない速さの突きが来た。
手を丸めず、伸ばした状態での突き。
その威力は内臓まで届いた…
俺は血を吐き、地面に倒れる。
なんだこれ….血か…?突かれた場所がとてつもなく痛い。
心臓の鼓動が早くなる。
立ち上がろうとするが、力が入らない。
「もう辞めておけ。これ以上やり合うと死ぬぞ」
さっきまでとは違い、バーザスは俺を心配し出した。
….なんでかな。心配されてこんなにイラつくのは生まれて初めてだ。
俺はなんとか壁に寄りかかり立ち上がる。
そして、バーザスに鋭い目線を送った。
「バーザスさんよ…俺が勝ったら……どうやって脱獄出来るか教えてくれよ….」
バーザスは不適な笑みを浮かべ、また俺に殴りかかる。
避けれる…が俺はあえて避けない。
他に狙いがあったからだ。
そしてそのままバーザスのパンチを手に喰らって
俺の手の骨は粉々に砕け、付けていたリングが壊れた。
「まさか!お前わざとリングを壊すようにしたな!」
バーザスは俺の狙いに、気づいたようだ。
あのリングは魔力を抑える道具だった。
だからスキルが使えなかった。
そのリングが壊れた今、スキルを使えないバーザスさんとスキルを使える俺。
やっといい勝負になってきたよ。
「スキル発動!」
足から大量の魔力が溢れ出す。
俺はフットワークをし、少し距離を取り始める。
すると、バーザスさんは俺の方に思いっきり突進してきた。
俺は後ろ走りで下がり続ける。
チャンスは一回まで、これを外したら負ける…
俺の後ろに壁が見え始めた。
このままだと挟まれてしまう。
俺は後ろ走りを辞め、壁の方まで全速力で走り出した。
バーザスさんと距離を取り、俺は壁に着くと、クラウチングスタートの構えをする。
ドンドンドンドン。バーザスさんの走る音が聞こえる。
まだだ…まだ….…………………今!!
俺は地面を蹴り上げ、、バーザスさんの方へ走り出した。
バーザスさんはタックルの構えをし、俺とぶつかる覚悟をしている。
バーザスさん…真っ向勝負で俺が貴方に勝てる訳ないじゃ無いですか。サポーターってのは視野がとても広い人じゃないとできないらしいですよ、バーザスさん…。
俺とバーザスがぶつかる直前。
俺は牢屋の扉を開ける!
バーザスは止まることができず、扉にぶつかり頭を打っていた。
俺はその瞬間を見逃さず、さっき刑務官が持っていた手錠をバーザスの手と鉄格子にかける。
バーザスはそれを見て、手錠を外そうとするがびくともしなかった。
---バーザスと俺は一旦落ち着き、呼吸を整えた。
「大したもんだ。牢屋の扉を盾として使い、俺の突進を防ぎその隙に手錠を掛けて俺を拘束するなんて……」
「いい作戦でしょ?バーザスさんにとってあの廊下は狭すぎて絶対に避けれないと思ったんです。」
バーザスは声を出しながら爆笑する。
刑務官が持ってきてくれた回復のポーションを飲み、少しずつ俺の体は回復していった。
「俺の負けだ…約束通り、この刑務所脱獄方法を教えてやる。その前にこの手錠を解け。」
---
「玲、ゲートってのを知っているか?」
「ゲート……あぁ違う空間に繋がってる扉ですね!」
バーザスは「ああ、そうだ。」と言い、階段の方へと歩き出した。
「玲、お前はどこの刑務所にいるんだ?」
「え?リースト・ランブレッジ刑務所ですけど…」
意味のわからない質問。自分のいる刑務所の名前が分からなかったのかな。
俺は少し呆れていた。
「そうか、東の都市か…俺は北の都市の刑務所にいる。」
俺は迷わず「はぁ?」と答え、バーザスさんの言ってる事がさっぱりわからなかった。
「………まだ分からないか…お前みたいな奴は勘がいいと思ったのに」
「どういうことですか?」
「つまり、この刑務所は全部の都市の刑務所と繋がっているんだ。」
全部の都市の刑務所と繋がっているだと…
俺は唾を飲みこみ、バーザスさんの話をよく聞いた。
「まぁそうだな…まとめると、俺たちはもうゲートを通って違う空間にいるんだ。」
「でも、グラウンドだってあるじゃないですか!」
バーザスは玲に「ついて来い」と言い、C棟の中を移動し出した。
「そんな、バカな…なんで地下なのにグラウンドがあるんですか。しかも空がある。」
「グラウンドに見せているんだ。多分誰かがスキルで幻覚を見せて外にいると思わせてたんだ。それに俺の聞いた話ではA棟は地下にあるらしいな」
「え?でも俺は俺は上から来ましたよ…」
俺は頭がこんがらがり始め、困惑し始めてきた。
「つまり、、この階段はループしている。」
なるほど。だからA棟の時も上に続く階段があったのか。あれ?でもこれだと…
「俺たち出れなくないですか?外は幻覚で、階段はずっとループしていて、ゲートによって他の都市と刑務所が繋がって閉じ込められている。」
「そうだ。だがここに来るには必ずゲートを通らなくてはならない。しかし、俺はそのゲートの場所が分からないんだ。」
これは厄介だ。スキルの力で幻覚を見せられているのならこの壁だって本当は無いのかもしれない、ゲートが隠されている可能性が高いな。
考えろ…ここに来る前の事を思い出せ。俺は気づいたら刑務所の中にいた。
どこから来た?思い出せ。
何かを見落としている気がする。
………!!
思い出した!
「朝食の時間、ある男の話によるとバーザスさん貴方がら一週間前に刑務所に入ったという話をしていました!」
「そうか!俺を見かけていない限り、一週間前に来た事は分からない!」
俺とバーザスは固い握手を交わし、A棟に戻った。
---
「魔力探知使えますか?」
「いや、ダメだ。薄すぎて、まったく反応しない。」
俺たちはA棟に着き、刑務官そして囚人にバレないようにゲートの探索をしていた。
幻覚のスキルを使っているなら、魔力探知に引っ掛かるはず、だけど反応がないという事は…
ここにゲートはない。
「あの新人刑務官連れてきて、聞き出します?」
「いやアイツは何も喋らないだろう。それにもう心が壊れている感じだ、、」
俺は少しの罪悪感に駆られるが、ゲート探しに専念した。
階段のループはゲートによる仕業…この空間に2つのゲートがある…
「…リングの役割は魔力を使わせない事。閉じ込めているのに使っちゃダメな理由はなんだ?」
「それは仲間同士の殺し合いを起こさないためだろ?他に理由なんてあるのか…?」
確かに、他に理由なんてないかもしれない。だけど、俺の勘がこのリングが怪しいと言っている!
考えろ…考え……ハ….!!
全ての謎がわかった。ゲートの場所も脱獄の仕方も!
読んでくれてありがとうございます!!




