アテネでスウェーデン人に寿司怖いと言われた話
1991年4月4日21時
ミコノス島から乗ったフェリーがアテネのピレウス港に着いた。
宿の予約をしていなかったので、地下鉄駅前の売店にあった公衆電話から2件の安宿に電話をかけてみたけれど、どちらも出てくれない。そういう所ってほぼ家族経営で食事時とかシェスタタイムだと電話に気づかないか、気づいてても無視されたりするっぽい。さすがにまだ寝てはいないと思う。
日が暮れた後に女子二人でうろうろしたくはなかったけど、このまま安宿が多いプラカ地区へ行ってしまうか、と思って切符(50ドラクマ)を買って改札前まで行ったところで客引きのお兄さんにつかまった。一人当たり一泊1500ドラクマ。余程とんでもない部屋でなければ納得できる料金だったので、お世話になる事に決めた。
スウェーデン人だと自己紹介したお兄さんはおしゃべり好きらしく、「ストックホルムは物価が高いから嫌」から始まって、宿に案内してもらう道すがら色々な話をしてくれた。
前年私が旅行した時の感じだと北欧の国々の物価は日本とあまり変わらないかなと思ったんだけど。
宿の従業員じゃなくて、観光のついでに客引きをやってたっぽい。それも彼の方から「ちょっと長く滞在するから負けて」の交渉と一緒に「もしお客さん紹介したら、もうちょっと安くしてもらえるかな?」みたいに持ち掛けてそう。すごくセールスマン向きに思える。
「柔道を習う為に東京に住んでいた事がある」と言うから、浅草とかの観光地の話でもでるかと思ったら、その時の柔道の先生に三週間続けて寿司を食べに連れていかれた、と。
そして続いたセリフが「sushi terrible!」。
これ『酷い寿司』じゃなくて『寿司怖い』だよね?
お兄さんも英語ネイティブじゃないし『寿司はもう懲り懲り』って言いたかったのかもしれないけど。
『まんじゅう怖い』を思い出して、ちょっと笑ってしまった。けど確かに三週間毎日寿司だと、二度と食べたくないと思われても仕方がないかもしれない。私だったら一日一食だけなら、三週間毎日食べても『寿司嫌い』にはならないと思うけど。
その先生はお客さんがいなくても毎日寿司を食べる人だったのかどうかが気になる。
当時1ドラクマ90銭はしない感じかな。両替した日によっては82銭くらいの事も。




