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第1話 焼きたての絶望、そしてはじまりの香り

 焚き火は湿った薪しか与えられなかったのか、じゅうじゅうと泣きながら黒い煙を上げている。

 焦げ臭い。世界の端に立つ自分の未来も、こんなふうに煙たがられて、やがて風に散るのかもしれない――そんなことを考えた瞬間、剣の柄が鼻先でぴたりと止まった。


「……もう一度言う。おまえは役立たずだ、レオン」


 声の主は、勇者パーティーの象徴であり、誰よりもまっすぐな背中を持っているはずの男――勇者アルド。金糸を思わせる髪は泥にまみれ、傷だらけの鎧の胸当てには魔王軍との激戦の痕が生々しい。それでも、彼の言葉は刃より冷たく鋭かった。


 隣で、聖女マリアが目を伏せる。祈りの指は美しく揃っているのに、そこからこぼれるのは救いではなく沈黙だ。

 後方、杖を掲げた宮廷魔術師ザイラスが鼻で笑う。鼻梁をなぞる青い魔力の筋は、彼がまだ余力を残している証だった。


「スキルの再鑑定をしたが、間違いない。【パン焼き】。はは、滑稽だな。よりによってパンだと?」


「補給は大事だわ」とマリアが小さく言ったが、ザイラスの視線だけで言葉は萎れた。


 私の胸元では、古ぼけた技能札が薄く光っている。

 ――【パン焼き】。

 かつて【聖剣共鳴】【加護導線】など、眩しい二つ名のスキルを抱えていたはずの少年が、召喚の揺り返しで全部を剥がれ、最後に残ったのがこれだ。世界を救う期待を背負った“勇者候補”が、辿り着いたのは生地を捏ねて焼く行為。


 笑えばいい。自分でも少し可笑しいと思う。

 でも、笑うことさえ許されない空気が、焚き火の煙みたいに、肺の奥まで入り込んでくる。


「追放だ。補給役としても戦力としても使えない。王都に戻る足がかりだけは用意してやる。生きて帰る道を選べ」


 アルドの目は、哀れみではなく“判断”の色をしていた。

 私――レオンは唇を噛んだ。血の味。鉄の味。かつて戦場で味わった味と同じだ。


「……了解した」


 短い言葉を吐き出して背を向ける。

 背中に刺さるのは矢でも魔法でもない、沈黙と冷笑の針。火花がぱちりと弾け、私の影が一瞬、灰の上で揺れた。


      ◆


 辺境に向かう街道は、人の温度が薄い。踏みしめる土の中に、骨粉のような乾いた気配がある。風はいつも斜めに吹き、砂粒を頬に貼りつけ、過去の輝きという名の化粧を容赦なく剥ぎ取っていく。


 それでも私は歩いた。

 王都へ戻ることもできた。戻れば“失敗作”として見世物になっただろう。

 だったら、どこかの地面に、私だけの足跡を押してみたかった。


 三日が過ぎた頃、丘の窪みに、煙が一本立っているのが見えた。

 近づけば、低い石垣に囲まれた小さな村。畑は風に撫でられて斜めの波をたて、薄赤い豆花が揺れている。人の気配は慎ましいが、確かにある。


「よそ者かい?」


 門と呼ぶには控えめな木戸の前で、腰を曲げた老人が眼を細めた。

 私は荷を下ろし、両手を見せる。


「旅の者です。寝床と、水を少し……もし、働き口があるなら」


「働き口ぁ?」老人は顎をさすった。「ここはエイルの村。大したもんはないが、腹は減る。手は多いに越したことはない。名前は?」


「レオン」


「レオンか。傷だらけの顔だが、手は綺麗だ。何ができる?」


 私は少し躊躇ってから、技能札を見せた。

 老人は目を瞬かせ、それからやおら笑った。


「パンか。いいじゃないか。祭りのときに、旅のパン屋が来ると、みんな子どもみたいな顔するんだ。だが、うちにゃ窯がない」


 窯がない。私の胸に、またひとつ、風穴が開いた気がする。

 だが老人は続けた。


「いや、古い崩れかけのがあるわ。先代の村長が作りかけて、途中でやめちまった。煙が逆流してねぇ。直せるかい?」


「やってみます」


「よし。名前は……そうだ、わしはオズ婆さんとみんなが呼ぶ。婆さんって言ってるが、わしは男だ。慣例だ、気にするな」


 思わず吹き出してしまった。

 笑っていいのか分からなかったけれど、オズの笑い皺が煙みたいに柔らかく広がって、それは許しの合図のように見えた。


      ◆


 村は、風向きの読みに長けていた。谷から吹き上がる息が強いときは畑に背を向け、弱いときは洗濯物を干す。窯を置くなら風の背を借りる場所がいい――オズにそう教わり、崩れかけの土台を確かめる。


 ひび割れた粘土を剝がし、石と石の隙間に新しい泥を詰める。煙道の角度を手のひらで測るたび、昔、戦の前に剣の重心を確かめた癖が出る。

 気づけば汗は頬を伝い、掌は土と灰で黒くなっていた。オズが水を持ってくる。


「器用なもんだな。勇者ってのは、なんでもできるのか?」


「もう勇者じゃない。ただの……パン屋の見習いです」


「へぇ。立派なもんだ」


 オズはそれ以上、探らなかった。

 その距離感がありがたかった。


 窯の口に、拾った柳の小枝を差し込む。風が背中を押す。

 火がついた。ぱちぱちと木の繊維が割れて、炎が舌を伸ばす。煙道の先から、青い糸のような煙がまっすぐ上がった。成功だ。


「明日、小麦粉を分けよう。村の子らが喜ぶ」


 オズの声の奥に、幼い笑い声が重なったように感じて、胸が温かくなる。

 私は捏ね台にするつもりの古板を磨き始めた。木目が浮き出る。

 手が、覚えている。

 剣を手放した手に、まだ“握る”という行為の記憶が残っている。その対象が柄から生地へ変わるだけだ。


      ◆


 粉は、村の穀倉から分けてもらった。上質とは言い難いが、石臼の香りが残る誠実な粉だ。井戸水は冷たく、空気は乾いている。塩は粗い。酵母は――なかった。


「酵母がなければ膨らまないな」とオズ。


「できるやり方があります」


 私は羊皮紙の袋から、旅の途中で偶然手に入れた干し葡萄を取り出した。

 水に浸し、はちみつをほんの少し。陶器の瓶に入れ、温かい灰の近くに置く。

 泡が上がるまでは時間がいる。けれど、待つという行為は、もう知っている。勝利も、救いも、祈りも、そしてパンも――待つ者のもとに熟して来る。


 翌朝、瓶の中は軽やかに呼吸をしていた。小さな泡が、瓶肌を撫でるように上っては弾ける。

 私は粉と水と塩を合わせ、酵母液を垂らす。木べらで混ぜ、手に持ち替える。

 指先で、粉が水を飲んでいく速度を測る。掌で、グルテンの網が育つ弾みを聴く。

 叩き、折り、休ませる。

 叩くたびに、過去の自分から剥がれ落ちる鱗がある。折るたびに、いまの自分に層が増える。休ませるたびに、胸のどこかもちゃんと休む。


 窯口に手をかざして温度を読む。

 薪を足して少しだけ炎を暴れさせ、熱の癇癪が落ち着いた瞬間を逃さずに、成形した生地を滑り込ませる。

 扉を閉める。

 あとは、香りに身を委ねるだけだ。


 最初に来たのは、濡れた麦の匂いだ。

 それがゆっくりと焼け、甘さを溶かし出す。木の皮を焙ったような香ばしさ。薄く焦げる端から立ち上る、琥珀色の蒸気。

 鼻腔ではなく、胸の奥に、懐かしいものが広がっていく。

 ――これだ。

 剣にはなかった、戦いの前の静けさと、勝利のあとに似た安心が、同時に満ちていく。


「うわぁ!」


 背中で声が跳ねた。振り返ると、埃まみれの子どもたちが三人、窯の前に集まっていた。

 オズが手を叩く。


「さわるな、熱いぞ。レオンの初パンだ。ありがたく見てな」


 私は頷き、耳でパンの声を聴いた。

 パリ……。薄皮が呼吸する。中の蒸気が、外の世界の温度を測っている。今だ。

 扉を開ける。

 黄金色。

 焼き立ての表面が、朝の陽をそのまま掬い上げたみたいに輝く。

 私は一本を手に取り、台の上で軽く底を叩いた。小さく澄んだ音が返る。

 成功だ。


「食ってみっか?」オズの目がいたずらっぽく光る。


「粗熱を少しだけ飛ばしてから」


 布で包み、数分。

 私はナイフを入れた。刃が中へ吸い込まれ、弾力がやわらかく押し返す。断面から、白い湯気が立った。

 ――その瞬間。

 私の皮膚の上を、微かな風が撫でた。窯の熱に似ているが、もっと透明で、もっと懐かしい。

 耳元で、小さな鈴の音が鳴る。


『……あたたかい匂い。ひさしぶり』


 幻聴かと思った。けれど、パンの上に落ちる光が、ふわりと舞って、小さな羽根の形を作った。

 子どもが歓声をあげ、オズの口が半分開く。


「い、今の、見えたか?」


「……見えました」


 私は切り分けたばかりのひとかけを、そばにいた痩せた少年に渡した。膝に包帯。転んだのだろう。

 少年は恐る恐る齧る。

 次の瞬間、彼の頬に血色が戻った。目がまんまるになる。


「痛くない……! 膝、痛くない!」


 包帯の下から覗いた擦り傷が、みるみる薄くなっていく。

 オズが私を見る。私もオズを見る。

 窯からは、まだパンの香りが流れ出ている。

 そして、耳元の鈴の音が、今度ははっきりと言葉になった。


『わかった。やっとわかった。――あなたのパン、わたし、好き』


 風の、少女の声。

 私の胸の奥で、何かがカチリと噛み合う音がした。


      ◆


 パンの“噂”は、午後の日差しより早く村中に伸びた。

 腰を痛めた女が小さくちぎって口に入れ、顔を上げる。

 夜通し畑を守った男が一塊を飲み込んで、肩の重さを落とす。

 乳飲み子を抱いた母親が、匂いだけ嗅いで涙をこぼした。


「レオン、これ……ほんとに、パンかい?」


 オズの声は、笑っているのか震えているのか分からなかった。

 私は黙って頷く。

 スキル札が、胸の上で静かに温度を持っている。

 【パン焼き】。

 それは、剣のように誰かを傷つけない。けれど、剣にできない形で、誰かを立たせる。


 夕方、風が変わった。谷から冷たい息が上がってくる。窯の火を落とし、灰を均す。

 そこへ、村の外から一騎の馬が駆け込んだ。みすぼらしい鎧。肩に王国の印。

 騎士――と言うより、敗走兵の影をまとった男が、馬から転げ落ちるように降りた。


「だれか、パン屋はどこだ!」


 オズが顎で私を示す。男が、私の胸ぐらを掴んだ。目の下には深い隈。唇は乾いて割れている。


「王都が……王都が持たない。魔王軍の斥候が各地で暴れて、傷人だらけだ。回復薬はもう底だ。だが、“そのパン”が傷を癒すと聞いた。町の薬師が、さっきまで泣いてた子供を、パン一口で立たせたって。……お願いだ。売ってくれ、いや、全部買う。金なら、あとで必ず――」


 彼の手の力が抜け、膝から崩れ落ちた。

 私は男の腕を取り、ベンチに座らせる。水を渡し、パンを渡す。

 男はがつがつと噛み、息をついて、ぽろぽろと泣いた。

 泣き声は、王都の方向に向かっていた。

 私の胸の奥で、今度は別の音がした。灰の下で、くすぶり続けた火が、ふっと息を呑み、赤くなる音。


 ――そこへ、風が吹いた。

 白い羽根が二枚、私の肩に降りる。

 耳元の声が、確信を持って響いた。


『あなたのパンは、世界を救う。わたし――風の精霊ミルは、もう一度、そう言いに来たの』


 振り向けば、夕日の縁に淡い輪郭を持つ少女が立っていた。腰まで流れる髪は風そのもの。瞳は空の色。裸足は地面に触れているのに、土埃ひとつ立てない。

 オズが固まり、騎士が口を開けたまま、言葉を失う。


「精霊……!」


 私は立ち上がる。

 勇者だった頃、精霊は神話の注釈にすぎなかった。祭壇で祈れば、僅かな加護が降ることはあったが、こうして人の前に現れて言葉を交わす存在ではない。

 けれど、ミルは当たり前のように私に指を伸ばした。風の指。触れられたところが、パンの香りと同じ温度で温かくなる。


「あなたの“焼き”は、世界の裂け目を綴じる糸になる。わたしは風。あなたの熱を、必要なところへ運ぶ。だから――」


 言葉がそこまで進んだとき、村の外から遠吠えが聞こえた。

 狼ではない。もっと、ぬるりとした、湿った声帯の音。

 オズが暗い顔をする。


「東の谷だ。最近、変な魔物が出る。畑を踏み荒らして、家畜を食う」


 騎士が立ち上がろうとして、膝を笑わせた。

 私は窯に目を戻す。まだ、余熱は十分。

 ミルが微笑む。風が私の手元を撫でた。


「焼くの?」


「焼く。剣はもうない。でも、焼ける」


 私は粉を量る。塩をひとつまみ。

 酵母液の瓶が、嬉しそうに泡を上げた。

 台に生地を落とす。手が動く。

 ミルの囁きが、耳に沿って流れる。


『“眠り”の囁きを手伝う。穂の里の子守歌、覚えてる?』


「覚えてる」


 昔、王都の孤児院で、年下の子らの背を撫でながら歌った。夜の空腹が少しだけ忘れられる曲。

 私は口ずさみ、捏ねる。

 塗り込むのは蜂蜜。祈りよりも具体的な甘さ。

 成形は丸。割れ目を十字。

 焼き上がりは早めに引く。柔らかいまま。

 ミルがそっと息を吹きかけ、パンの表面に目に見えない“風の印”が刻まれる。


「……“眠りパン”」


 名前をつけるのは、昔の剣の型に名前をつけるのと同じだ。呼べば応える。

 籠に放り込む。腕は剣を持っていた頃と同じ重さを感じ、しかし今持っているのは柔らかな命の重みだ。


「俺も行く!」と騎士が叫ぶ。


「行けるの?」私が問うと、彼はパンをもう一口齧り、ぐっと頷いた。「行ける。足が軽い」


 オズが杖を振った。「気ぃつけろ! おまえはパン職人だ。死んだら誰が明日を焼く!」


 私は振り返らずに笑った。

 それは、勇者として出陣したときの笑顔とは違う。

 もっと、焼きたてのパンみたいに、内側からふくらんだ笑顔だった。


      ◆


 谷に降りると、畑と畑の間に、影が蠢いていた。

 灰色の皮膚。節くれだった腕。口は腹の位置に裂け、牙が泥にまみれている。腹喰い魔。

 騎士が剣を抜く。だがふらつく。

 私は籠から一つ、丸いパンを取り出した。


「おーい。おまえら、晩餐の時間だ」


 魔物たちの目が動く。

 私はパンを放る。魔物の手に当たり、地面に転がる。

 嗅ぎ、かじる。

 数拍ののち、魔物の肩が落ちた。

 膝が抜け、おおきな身体が畑に倒れ込む。

 次々に倒れる。土が重い音を立てる。

 私は一つ、二つ、間合いを測って投げ続けた。

 ミルが風を操り、パンの軌跡はまるで見えない糸で吊られたみたいに滑らかだ。

 気づけば、谷は静かになっていた。大きな寝息。

 騎士が口を開けて笑う。「すげぇ……。斬らないで、倒した」


「寝てるだけだ。夜が明ければ起きる。その前に村から遠ざけよう」


 騎士と二人で、縄をかけ、魔物たちを谷底へ引きずる。

 汗が背中を流れた。

 剣よりも重い作業。けれど、心は不思議なほど軽かった。


 作業が終わる頃、東の空が群青に沈み、村の灯りがちらちらと揺れて見えた。

 ミルが肩にとまる。風なのに、重さを感じる。心地よい重さ。


『見た? あなたの焼きは、刃より早く届く』


「見た。……そして、嗅いだ。焼き上がりのいい匂いも、勝利の匂いも」


『ねえ、レオン。わたしと契約して。風は、あなたの熱を運ぶ。あなたは、風に焼き目をつける』


 契約。

 かつてなら、迷わず頷いたかもしれない。世界を救うため、栄光のため。

 でも今は違う。

 私は空いた手のひらを見つめた。そこには、粉の白と、灰の黒と、蜂蜜の金が重なっている。


「勇者には戻らない。俺は、パン屋だ」


『うん、知ってる。だからお願いしてるの。パン屋のあなたに。――世界は、空腹なの』


 風の声は、焚き火の煙よりも深く胸に落ちた。

 私は頷いた。


「契約しよう、ミル」


 風が笑い、羽根が舞った。

 指先に、軽い痺れ。

 胸の上のスキル札が、ふっと明るく脈打つ。

 【パン焼き】—風精霊加護(小)。

 そんな文字が、見えた気がした。


      ◆


 村に戻ると、待っていた子どもたちが一斉に駆け寄った。

「寝ちゃったの?」「もう来ない?」

 私は頷き、籠から小さな丸パンをひとりにひとつずつ配った。

 柔らかな皮を指先で押し、笑う顔。

 オズが目尻を拭いながら、ぽんと私の背中を叩く。


「聖なるパン職人、って呼んでもいいかい?」


「やめてくれ。こそばゆい」


「じゃあ、パン屋のレオンだ。明日も焼け」


「焼くよ。明日も、明後日も」


 そのとき、村の外れで鐘が鳴った。見張り台からの合図。

 丘の向こう、土煙が上がる。

 見馴れない紋章の旗。

 騎士が眉をひそめる。「王都の……いや、地方駐屯の騎士団だ。ずいぶん慌ててる」


 やがて馬蹄の響きが止まり、先頭の騎士が叫んだ。

「パン屋はどこだ! 『癒しのパン』を焼く男は!」


 オズが、ため息まじりに笑う。

「おまえさん、休む暇もねぇな」


 私はミルと視線を交わした。

 契約の余韻が、まだ指先に残っている。

 窯は温い。粉は足りる。

 そして――胸の奥に、もう一度、あの音。灰の下の火が、呼吸を深くする音。


 私は頷いた。


「焼こう。俺の人生が終わったのは、あの焚き火の前じゃない。ここで始まったんだ。――パンで、みんなを守る」


 夕暮れの風が、窯口で笑った。


――つづく――


あとがき(応援コメント)

読んでくださってありがとうございます。レオンの“焼き”は、まだ始まったばかり。次話では「王国騎士団の依頼」と“風の加護”で生まれる新作パンが登場します。面白かったらフォロー&★や応援コメントで背中を押してください。次も焼きたてをお届けします。

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