絶望以外の花
マリーゴールドの花言葉だそうです(笑)
反りを返した三日月が
しゃんと背すじをのばすよな
静謐を湛えた水槽に夜空ごと映して
なんてつらだと 嗤ってやればいい
才能に胡座をかいた連中を横目に
無能のうえでひざを畳んで
正座してたころには知らなかった心境さ
こんなはずじゃあ なかった今日を
こんなもんだと受け容れて
そこに絶望以外の花を咲かせよう
踏み潰されたら
うすっぺらい自分史の栞にでもはさめばいいぜ
絶望以外の花を咲かせよう
舳先まるめたぼろ舟を
ぐいとつかんで揺らすよな
猥雑にまみれた水面に波風を数えて
きりがないやと匙をほおり投げる
砂利道に絨毯を敷く洒落者を真似ても
無粋に終わるさまを嘆くが
仰向けに寝そべれば悪くはねえ心境さ
馴れ初めからは思いも寄らぬ
成れの果てでもあきらめて
ここに絶望以外の花を手向けよう
散ってべそかくな
うすく赤い紅茶を淹れたカップに浮かべりゃいいぜ
絶望以外の花を手向けよう