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懺悔丸
鎌倉の世に名のある英雄数しれず、その中とりわけ知られぬ男
男の名前は『懺悔丸』
牛若の生まれ変わりと持て囃されて、西へ東へ世直し道中
妖艶な面貌は男女も容赦無く、心を掴んで離しはしない
彼の肩には一羽の怪鳥、誰が呼んだか『悔恨鳥』
一人と一羽、相対すれば罪人たちは檻の中
幾年過ぎた年の瀬のある日、肩に相棒の姿なし
気にした男が一言彼に「虹の羽の鳥は何処やら」
懺悔丸は
「いや、なんでか知らないんですけど『お前が偉そうだから実家に帰ります』
なんて置き手紙残してどこかへいってしまったんですよ。あれかな、ギャラの取り分嘘ついてたのがバレたかな。
困るなぁ、あいついないと私何もできないんだけどなぁ。」
男は一言
「鳥の威を借るなんとやら」
お後がよろしいようで