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第8話:あらゆる意味で足りない……

前回のあらすじ


エイジオブ帝国の十八番である『クーデタードア』にまったく引っ掛からないオラウ・タ・ムソーウに危機感を抱いたイナオリ・ネッジーは、エイジオブ帝国特殊部隊イェニチェリを率いてヨツメの許を訪れます。

しかし……

イナオリが見たオラウに敗けたヨツメの姿は、まるで口裂け女ー!(古!)

ヨツメはオラウへの復讐を誓います。

一方のオラウ……

ただでさえムソーウ王国が窮地だって時に更にムソーウ王国を追い詰める凶報がオラウの耳に届きます。

それは……人の味を知り過ぎた熊の様な戦術しか出来ない国王が、遂に重い腰を上げて出陣を決意します。

内心「来るな!」と思いつつ対策を練るオラウ。

それは……国王に遭わない事!

国王が率いる部隊に合流する……どころか視界に入る事無く、国王が率いる部隊を観察し、その背後にいる謎の不吉な白服集団を発見するオラウでした……


へべく!

オラウ(わたくし)の父上は……正に人の味を知り過ぎた熊でしたわ。

立ち塞がる敵を全て襲い、逃げる敵をしつこく追い回し、ただひたすらに前に進む……

こんな奴を誘き寄せるのに失敗する方が難しいわ!

しかも、父上が乗っている馬も物凄く恐ろしくて、倒れた敵をまるで雑草の様に踏み歩いていましたわ。

熊って死んだフリに弱いと聴くが、あれでは逆効果だな……寧ろ、ムソーウ王国(こちら)の評判が悪くなりそうで怖い!

父上(あれ)を本気で全力でなんとかしないと、マジでムソーウ王国はエイジオブ帝国に滅ぼされるぞ!

それに……

「やはり国王陛下は素晴らしい……やはり国王陛下と合流して―――」

「声が大きい!父上に豊臣秀吉(わたし)達の居場所がバレてしまうでしょ!」

ゴクリ……

……不味いな……

ヌードンの惨敗とそれを成し遂げた裏切り者によって萎えておったドウカァー達の突撃至上主義が、父上(あのアホ)のせいで息を吹き返しかけてる……よくない兆候だ!

上が馬鹿だと下が苦労するとばかり思っておったが、やはり上の馬鹿は下に伝染するらしい……滅びの常套手段じゃ!

「ん?」

「どうかしましたか?」

「あの白いの……今、笑わなかったか?」

「と言うか、あの白服は何なんです?ただ付いて行くだけで何もしない……意味が解りません」

……意味なら……ある!

豊臣秀吉(わたし)の見立てだと、あ奴らがエイジオブ帝国が用意した……裏切り者製造機!

あ奴らは突撃の連続で一般兵達が疲れるのを待ち、突撃を命じるだけの無能な上司への不満が溜まったところで甘い囁きで裏切りを促す……

ああ……(涙)

私達ムソーウ王国は、こんな子供騙しの様な作戦に敗ける程、クッソ弱かったんですね……

そこへ、アニマから更なる追い討ちの様な報告を受けてしまう。

「何?……いぇにちぇりが帰った?」

「はい。なんでも、もうイェニチェリの手を煩わせる必要が無くなったとか言って」

……なるほどね……

つまり、エイジオブ帝国は自分の十八番である接待戦法に邪魔な豊臣秀吉(わたし)を排除したかっただけの話ね。

が、そこへ父上(あのアホ)がやって来てしまい、この豊臣秀吉(わたくし)を突撃至上主義に引き摺り戻したと勘違いして、油断していぇにちぇりを下がらせたと……

どんだけエイジオブ帝国に馬鹿にされとんじゃムソーウ王国は!?

「……ま……あんなの魅せられたら、そこら辺の戦上手はそう思うわな……」


父上がどれだけの数の砦を落としたのか……数えるのを忘れていた……

ま、元々父上が落とした砦の数などどうでも良い話だ。

問だ!?

……父上がこちらを見た?

まさかとは思うが、熊は犬並みに鼻が良いと聴く。それってつまり……

「改めて見損なったぞ……オラウ!」

あー……やっぱりかぁー……

こうなってしまっては、コソコソ隠れて付いて行く事が出来ぬ。

しかも、父上はムソーウ王国の国王だ。知らぬふりして静かに逃げるって手は使えない……

ここは……駄目もとで説得するしかない!

「父上!」

「ドウカァーもドウカァーじゃ!お前がついていながら、何じゃこのオラウの体たらくは!」

豊臣秀吉(わたくし)の話を聴けぇーーーーー!この馬鹿熊ぁーーーーー!

父上(こいつ)……その耳は飾りか!?

人間は口と目と鼻だけでは生きていけないと言うのに!

が……そんな豊臣秀吉(わたし)の心の声は、豊臣秀吉(わたし)の口から外へ出る暇を与えてくれる事は無く……

ひたすら突撃とは真逆な戦術を繰り返して来た豊臣秀吉(わたし)と、それを止められなかったドウカァーへの説教に没頭する父上。そこに異論を挟む暇無し……

こりゃあ……エイジオブ帝国の様な魂胆見え見えな接待戦法だけで圧勝出来るのも無理ないわ……

で……その結果が……

父上が複数の銃声に押される様にうつ伏せに倒れた。

その銃声を指示していたのは……やはりあの白服!

「エイジオブ帝国の新たなる住民方!狙うはオラウ・タ・ムソーウですぞ!アレを倒せば、エイジオブ帝国の安泰は100年増えましょうぞ!そうなれば、貴方方の幸福は一生続くのです!」

白服のその言葉に……かつてムソーウ王国の兵士だった裏切り者達が一斉に豊臣秀吉(わたし)に銃口を向ける。

「やはりこうなったか……だから豊臣秀吉(わたし)は無謀な突撃をしたくなかったんだ!」

まさか、ここまで豊臣秀吉(わたし)が予想した『最悪』をここまで忠実に再現するとは……父上、貴方はやはり無知な愚将です!

しかも、

「何をしておるのじゃ……何故この様な事を……」

まーだこの状況を呑み込めておらんのか父上は?

白服もそれを察したのか、父上を嘲笑う様に言い放ち追った!

「何って、この我々が間違った道を進んでしまった者達を説得し、正しい道へと導いたのです」

「導いただと……そんな馬鹿な……」

父上は目の前の最悪をまだ信じておられぬ様だ。が、これが単なる悪夢であったらどれだけ良かった事か……

で、私がやる事はと言うと、

「導いた?そそのかして不義を犯させたの間違いでは?」

私のこの言葉に反応したのは、白服ではなく裏切り者達の方だった。

「不義だぁ?こっちはお前達の正義のせいで、何回死にかけたか知ってんのかぁ!ただの箱入り風情がぁ!」

その直後、豊臣秀吉(わたし)はある者を発見して勝ち誇った笑みを浮かべてしまった。

「とにかく……豊臣秀吉(わたくし)を裏切った代償は、必ず支払って頂きますわ」

その直後、巨大な光球から無数の矢の雨が放たれ、裏切り者達を一掃する。

その光球を放ったのは、私の姉上でムソーウ王国第二王女の『ギョクサイ・ヨ・ムソーウ』であった。

「父上!」

予想外のタイミングで現れたギョクサイ姉上の姿に驚く白服達。

「馬鹿な……あの部隊は既に!」

だが残念でしたぁー。

これがアニマが事前に用意してくれた作戦なんだよねぇー。

「ギョクサイ様!何故貴女様がこんな所へ!」

「僕が呼んだんだ!ムソーウ王国の将校さんの中に、まだエイジオブ帝国に捕まっていない人がいればなと思って!」

アニマ……超グッジョブ!

「大義であるぞ!アニマ!」

一方、何がどうなっておるのか解っておらん憎き白服達は大混乱じゃ!

「な!?……こんな馬鹿な!こやつらの転向は……容易な筈では、なかったのか!?」

その途端、ギョクサイ姉上が白服達を射殺そうとしていたが、

「お待ちください姉上!この者達には、まだ訊きたい事が沢山在ります!それにこのままでは父上の容体が!」

ギョクサイ姉上が豊臣秀吉(わたし)の説得を聞いて渋々弓を下した。


私達は、負傷した父上を連れて王都まで戻った……

完全敗北だった……

鎧袖一触の圧勝していた筈の国王が傷付き、自分達から多数の裏切り者を輩出してしまったのだ。

ムソーウ王国(こっち)には浮かれる要素は何1つ無い。

「まさか……父上までこの様とは……」

「マッホーウ法国から亡命した魔導士達の尽力により一命はとりとめましたが……」

「まだ……戦える状態ではないと?」

皆が沈んだ表情を魅せてしまっている中、この豊臣秀吉(わたし)だけが、不謹慎にもウキウキしていた!

だって!この豊臣秀吉(わたし)を散々苦しめていた突撃至上主義と言う名の足枷から漸く逃れるチャンスが転がって来たのだ!この好機を逃して良い筈がない!

「ならば姉上!」

「どうしたのだオラウ?」

「父上にはこのまま後見人となって頂き、直ぐに次の国王を決定してしまってはどうか!?」

勿論、周りの誰もが驚く事。

「父上に引退しろと申すか?」

だが、豊臣秀吉(わたし)には突撃至上主義と言う名の足枷と弱点をムソーウ王国に填めた元凶にしか視えぬ国王をそのまま頂点に置いて置く事は、致命的なリスクにしか感じない。

そんな事より……

「今なすべき事は父上の復活を待つ事ではありません!この国を復活させる事です!幸い、この王都はまだ無事!ならばもっと賢き者にこの王都の運営を任せるのが賢明かと!」

ギョクサイ姉上は目を閉じて少し黙ったのち、

「……オラウの……言う通りかもしれないわね」

「それはどう言う意味でしょうか?」

「もしかしたら……我々が得意だった突撃以外の戦い方が必要になってしまった……のかも知れませんね?」

ギョクサイ姉上のこの言葉を合図に、ドウカァー達は一斉に豊臣秀吉(わたし)の方を見た。

「オラウ様は、もしかして最初からこうなる事を知っていて、その上で動かれていたと?」

ここで嘘を言っても意味が無い……と言いたいところだが……

「まあ……ね。欲を言えば、ここまで追い詰められる前に豊臣秀吉(わたし)が信じる方法で決着を着けたかったけどね」

これは、私の嘘偽りが無い本音だ。

「オラウ……私達はもっと……ちゃんとオラウの話を聴いてやれば良かったな」

そこへ、アニマがしゃしゃり出て来て、

「それに、さっき捕まえた人、拷問しようとした人を言葉巧みに騙そうとしていたよ」

アニマの報告に頭を抱えるギョクサイ姉上。

だが、ドウカァーはふと大きな問題に気付いてしまった。

「で、どちらが国王の代理を務めるので?順当に行けば、ギョクサイ様だとは思いますが」

そこである。つまり、誰がムソーウ王国の国王になるかである。

ここをドジれば、権力争いによる内乱に発展してしまう大事な問題だ。

が、豊臣秀吉(わたし)は既に目星を付けて唾を付けている!

「いや、順当に行けば私でもギョクサイ姉上でもない」

それを聴いてドウカァーはハッとする。

「オラウ様まさか……ですが!あの方は国王が務まる程、お強くはありません!」

「それは、ただ単純に戦闘力が低いからだろ?だが、豊臣秀吉(わたし)が求める強さは、知力の方じゃ」

そう言いながら、豊臣秀吉(わたし)は自分の頭をトントンと叩く。

「あらゆる物を見抜き、全てを照らし、隅々まで支配する。それが出来る程賢い者、それが今の世に求められる王の素質。少なくとも、豊臣秀吉(わたし)はそう思うぞ」

ギョクサイ姉上が以外にも納得した。

「そうだな」

「ギョクサイ様!?」

「現に、私や父上はエイジオブ帝国との戦いの最中に裏切り者に騙された。もしもその裏切り者の嘘にもっと早く気付いていたらと思うと……」

「だから、あの方に国王代理を務めて頂くと?」

豊臣秀吉(わたし)は力強く頷いた。

「そうだ!ムソーウ王国第二王子、サカシラ・ガ・ムソーウ兄上こそが、ムソーウ王国国王に相応しいと判断する!」


結局、ムソーウ王国国王の参戦によってオラウはいつもの戦法が出来ないと判断したイナオリは、せっかく出撃させたイェニチェリを引き連れながらさっさと王都に帰ってしまった。

しかし、残されたヨツメに届いた凶報は、イナオリの想定外だらけの物であった。

「取り逃がしたぁーーーーー!」

「はい。国王を背後から攻撃する事に成功し、オラウをあと一歩まで追い詰めたのですが、ヤコフ大隊が取り逃がしてしまったギョクサイ・ヨ・ムソーウの乱入を受け―――」

ヨツメは怒りに任せてコップを破壊した。

「あの気色悪いだけが取り柄の役立たずめ!俺のせっかくの手柄をドブに捨てる気か!?」

「ひいぃーーーーー!」

伝令兵は怯えながら困惑した。

(何と言うお姿!?これが、エイジオブ帝国の必勝作戦である『クーデタードア』の実行役を任された大隊長のお姿か?)

「くっそおぉーーーーー……あれもこれも、全部オラウのアホアマのせいだ。アイツがアホを晒さずにクーデタードアに早々と引っ掛かる程の賢さを魅せてくれればぁーーーーー!」

ヨツメは怒りに任せてテーブルを破壊した。

ギョクサイ・ヨ・ムソーウ


年齢:16歳

性別:女性

身長:157.7cm

体重:49.5㎏

体型:B93/W63/H82

胸囲:G67

職業:王女

武器:鉄製の強弓、レイピア

戦技:曲射、ホーミングショット、狙撃

趣味:ボディビル鑑賞、アーチェリー、フェンシング

好物:筋肉、愛国心

嫌物:虚弱体質、卑怯、裏切り者

特技:突撃、一騎当千


ムソーウ王国第二王女。

一見すると眼鏡をかけた地味な少女に見えるが、彼女もまたムソーウ王国の部将以上の将校の必須である鎧袖一触な一騎当千を身に着けている。が、それが仇となってエイジオブ帝国のクーデタードアに嵌って自身が指揮する部隊に生け捕りにされかけたが、アニマの機転によって逃走しオラウと合流する。

イメージモデルはちひろ【フィジカル≒ラブなHONEY】。

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