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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編5 第五章 異変

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64 二回目の会合の始まり

休日のため、投稿時間を変更しました。

更新を待っていた方、申し訳ありません…。


いよいよ会合の始まりです。


少し加筆し、修整しました(05.5.20)

 自分の部屋に戻る頃には目が半分閉じそうになっていた。しーちゃんも大あくびをしている。顔を洗って戻ろうかとも思ったけど、水道の水もそんなに冷たくないからあんまり意味ないだろうと思い直してそのまま上がってきた。


 ── きっと、二人とも待ちくたびれているよね。


 電気はつけっぱなしで行ったので、部屋の中に二人の姿がうっすらと見えている。レイアーナは軽く目を閉じて腕を組み、下を向いていた。シュリーアはいつもの柔らかい微笑みを浮かべ、頬に右手を当てている。部屋に入るとレイアーナが目を開け、


『戻ったか』


 とひとこと言った。


「お待たせしてすみません」

『構わない。いいものを見せてもらったからな。とりあえず座わるといい。疲れた顔をしているぞ』


 私としーちゃんがありがたくベッドに並んで腰を下ろすと、レイアーナが続ける。


『あの手持ち花火というものはエミューリアにはない文化だ。花火とは空に大輪を咲かせる華やかなものだと思っていた。だが、あの手持ち花火は実に興味深い。あのように繊細なものもあるとは思いもしなかった』


 シュリーアもゆっくりとうなずくと柔らかな笑みを浮かべて言う。


『とても美しいものでした。花火とは場を盛り上げたりにぎやかにするものだと思っておりましたのに、あのように静かに楽しむものもあるのですね。見た目からは想像のつかない素晴らしい芸術作品でしたわ』


 思い返しているのかうっとりとしているようにも見える。楽しんでもらえて良かった。少しほっとして言う。


「前に何かの番組で見たんです。日本の花火は外国のものと違うって。特に線香花火は日本にしかないって言ってたのを思い出したので、お二人にも楽しんでもらえるかなと思いました。線香花火には持ち手がカラフルな紙で出来ているものもあるんですけど、昔ながらのわらを使っているものの方が日本らしいかと思って。楽しんでもらえて良かったです」


 そのとき、それまで黙っていたしーちゃんがいつものあごに拳を当てるポーズをしながら言った。


「あたしたち、あんまりゆっくりしてるとおばさんに見つかって怒られちゃうと思うから、本題に入るよ。さっきちらっと言ったので確信したけど、あなたたち二人は並行世界(パラレルワールド)にあるエミューリアっていう国の王女様ってことで合ってる?」


 しーちゃんらしい単刀直入な聞き方だ。二人を見ると、シュリーアは『まあ』と言って口を開け、レイアーナは片方の口元を引き上げる。


 ── 面白がってる、のかな?


 黙って様子を観察していると、ゆっくりとレイアーナが口を開く。


『ほう。なぜそう思った?』


 しーちゃんがふんと鼻を鳴らして胸をそらすと、得意そうに言う。


「それは、ゴーグル先生のお陰だね」


 うん。説明になってない。思わず、ずこっとひっくり返りそうになった。レイアーナも眉を寄せて、


『先生? それは誰のことだ?』


 と警戒するような視線を向けてくる。だけどしーちゃんはふんぞり返ったまま自信たっぷりに言う。


「先生は先生だよ。何でも教えてくれて万能で優秀。ゴーグル先生に聞けば大抵の謎は解ける!」


 うん。見事に話がかみあってない、仕方ないな。しーちゃんの肩にぽんと手を置くと言う。


「しーちゃん、それじゃ何もわからないと思う」

「へ?」


 きょとんとして首をかしげると、何か間違った? って聞いてくるしーちゃんはさらりと無視する。


「この前、レイアーナさんが私たちの他にも協力者がいると言っていたので調べてみたんです。インターネットのゴーグルサイトで検索してみたら、エミューリアの姫たちを救え、というChatter(チャター)のサイトを見つけました」


 そう説明しながらレイアーナを見ると、無言で表情にも変化がない。どう思っているかわからないので、とりあえず続ける。


「さっきレイアーナさんがエミューリアと言ったので、サイトにかいてあったのは本当のことなんじゃないかと思いました。ロックされていたので私たちが知ったのはそのサイトの名前と、作成者がフランスのミシェルという人だということだけです」


 レイアーナがふっと笑うと言う。


『なるほど。ミシェルの立ち上げたというエスエヌエスとかいうものだな。協力者同士が情報交換を行えるところで、そこにログイン出来るのは我らがパスワードを教えた者のみだと言っていたな』


 そこで言葉を止めると、真っ直ぐに目を合わせてきた。思わずごくりとのどが動く。


『そなたらが真の協力者となるならばパスワードを教えよう』

「わ、私は……」

「だからさっき言ったじゃん。あたしたち協力者になるって」


 私が言うより先にしーちゃんがあっさりと答えた。


「あたしたち、このあたりで起こりそうな大災害について調べたんだ。協力者になることでそれが防げるんなら、なるしかないでしょう」


 力強く言いきった。





金曜日、アクセスが99。後1で100。惜しかった。次回も会合になります。


ここまで読んでいただきありがとうございます。続きも是非お楽しみください。


それでは、またお会いしましょう。

皆様に風の恵みがともにあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 花火を喜んでくれるレイアーナさんたち素敵ですね。 最初のこわい印象がすっかり和らぎました。 そしてレイアーナさんたちも、ミシェルのSNSを理解してたんですね! ついにパスワードが! これは…
[一言] レイアーナ達に花火を楽しんでもらったしーちゃんとれいちゃん。 そしてしーちゃんは本題に入る。 思念体の事。 そして協力者となる事。 二人はどうなってしまうのか!? 続きを楽しませて頂きますね…
[良い点] エミューリアからのパスワードというのが、アンマッチな感が若干あるのが、逆に非現実感が感ぜられてとても良かったです。そう繋がるのかと。ミシェルさんのチャターでどんなやり取りがなされているのか…
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