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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編5 第五章 異変

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63 楽しいお泊まり会

PVが2000を超えました。

更新日に合わせて最新話を読んでくださっている読者様、本当にありがとうございます。


修整しました。(05.5.14)


 父さんがテーブルにつき手巻き寿司パーティーが始まった。


「それでは、いただこうか。みんなで用意してくれたんだってね。ありがとう」


 ちょっとうれしい。母さんもにっこり笑うと、


「では、」

「「「「いただきます」」」」


 楽しい時間にはきっと羽が生えてるんだと思う。手巻き寿司パーティーはあっという間に終わり、しーちゃんはお腹をさすっている。


「ふう。ちょっと食べ過ぎたかも」


 と満足のため息。その横で私もお腹をぽんぽんとたたいてみた。さすがにたぬきは呼べないけど、ちょっとぷっくりしている気がする。しーちゃんに負けずおとらず食べた自覚は、ある。うん。

 母さんがそんな私たちを見てふふっと笑う。


「そのお腹じゃデザートは後の方がいいわね。嵩俊(たかとし)さん」


 リビングでテレビを見ながらくつろいでいた父さんが、


「ん? なんだい?」


 とこちらを振り向く。母さんは食洗機にお皿を次々と入れながら言った。


「庭に花火の用意をしてあげてくれないかしら」

「ほう。花火か、いいね。じゃあ蚊取り線香の用意をしようか」


 父さんは立ち上がると懐中電灯や蚊取り線香の用意をしてくれる。


由実(ゆみ)さん、ろうそくって、あったかな」


 母さんがバースデーケーキについてきたろうそくを何本か渡すと、父さんは蚊取りスプレーを部屋にプッシュしてから庭に出ていき、バケツに水を張る。


 うちの庭はしーちゃんの家ほど広くない。大きめのビニールプールを広げたらちょうど埋まってしまうくらいの大きさしかない。その狭い庭の端っこには小さな花壇がある。残りの部分は半分が土で、半分はコンクリートになっている。家に近い方がコンクリートで、踏み台でリビングの窓とつながっている。父さんはそのコンクリートの地面で花火が出来るように用意をしてくれた。


 踏み台を風除けにしながらろうそくをともして、花火に火がつけられるようにしてくれている。が消えても使えるようにチャッカマンも準備済みだった。庭に出ていくと父さんが言う。


「コンクリートから出ないようにしてするんだよ」

「「はーい」」


 私たちは好きな花火を選んで火をつける。パチパチ、シュー。いろいろな音と光が辺りを照らす。色の変わるもの。前に吹き出すもの。横に黄色い火花が出るもの。私としーちゃんはとなり同士になったり、向かい会わせになったり。どこまで火が伸びるか競争したり、お互いの火をもらってけ合ったりしながらたくさんの花火を楽しんだ。


『ほう。これがハナビか』

『とても美しい物ですね』


 気がつくと後ろから珍しそうに覗き込む二人の姿があった。レイアーナが色の変わる花火をじっくりと見つめてから口を開く。


『これは祝典の時に上げる花火を小さくしたもののようだな。このような筒状の物を町の者たちが手に持ってかかげているのを見たことがある。だが、それよりも華やかでより鮮やかだ。まるで芸術作品を見ているようだな』


 これは、感心してるの、かな? シュリーアも声を上げる。


『本当に繊細な芸術ですわね。移り変わるはかなき美しさがあります』


 なんだかうっとりしているようにも見える。とりあえず気に入ってくれたみたい。気付くとレイアーナの腕と私の腕が重なっている。説明しろってことかな?


『これは手持ち花火といいます。空に上がる大きな花火は打ち上げ花火、文字や模様が浮かび上がって見えるのを仕掛け花火といいます。日本では毎年夏になるとあちこちで花火大会が開かれて、その時に何発も一度に打ち上げられたりもするんですよ。あのホームセンターの売場には家庭で楽しめるタイプの小さな打ち上げ花火も売っていたんですけれど、うちの庭は狭いのでそのタイプは買いませんでした』


 その時しーちゃんが細いわら状の花火を渡してくれる。


「はい、れーちゃん。やっぱり最後はこれだよね」


 私もにっこり笑って、 


「最後までどっちが残るか勝負だよ」


 と返し、二人で一緒に火をつけると、黙ってその花火を見つめた。母さんがいつの間にか側に来ていて同じ花火を持っている。


「やっぱり最後はこの花火でないとね」


 そう言った途端に、じゅっとむなしい音がした。


「あ」


 しーちゃんが、


「おばさん、残念ー」


 そう言った瞬間に、ぽとり。


「あ」


 最後に残った私の花火も、もう少しというところで落ちてしまった。

 その後再度三人で挑戦し、私としーちゃんは最後にわらの先に黒くて丸い玉が出来るまで楽しむことが出来た。楽しかったお家花火大会もあっという間に終わり、後片付けを父さんに任せるとお風呂に直行した。

 

 お風呂洗いを半分水遊びしながらして、浴槽よくそうにお湯をはりながら身体を洗いっこする。わいわい言いながらお風呂から上がると冷たいスイカが待っていた。

 食べ終わって歯磨きをする頃にはかなりくったくたになっていたけれど、私たちにはまだ大きな仕事が残っている。……頑張れ、私。

日本の夏らしく花火を楽しむ二人でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

是非下の⭐️をぽちぽちっと押していただけると嬉しいです。


それではまたお会いしましょう。


れーちゃんとしーちゃんのように思い出深い夏休みとなりますように。


皆様に風の恵みがともにあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 手巻き寿司に花火にスイカに、夏ですねー(*´艸`) 季節感ピッタリなのですごく楽しく読ませていただきました。 手持ち花火やりたくなりますね! 上手に花火の説明をするれーちゃん、さすがでした…
[一言] まりんあくあ様こんばんは! しーちゃんもれいちゃんにとっても楽しい夏休みの花火になったみたいですね! そして見ていたレイアーナ達も日本の夏楽しんだみたいですね! そして手巻き寿司かぁ! お腹…
[良い点] 花火、楽しそうで良いですね。最近は庭先では何をしても通報されるイメージです。バーベキューなんかも同様ですかね。小説の中でもこういった風情を楽しませて頂けて面白かったです。 [一言] シュリ…
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